Macを新時代へといざなうOS――「Leopard」が変える未来林信行の「Leopard」に続く道 第7回(1/4 ページ)

» 2007年12月29日 13時45分 公開
[林信行,ITmedia]
Mac OS X “Leopard”は、Macを新しい時代へといざなうオペレーティングシステムだ

 連載第6回目まで、Macの誕生から、激動の1990年代を経て、Mac OS X 10.4 “Tiger”に至る道のりまでを振り返った。

 いまMacは、Mac OS X “Leopard”の時代に入りつつある。LeopardはMacの見た目も中味も大きく変えたOSであると同時に、2007年10月26日の販売開始から約3日間、最初の週末だけで200万本を販売した、アップル史上最も売れたソフトでもある。これでMacは一気に新時代に突入した。

 Leopardは、ただTigerに300の新機能を加えただけのOSではない。第1にけた外れのパワーを発揮する64ビットアプリケーションを開発・実行できる64ビットOSであり、Core Animationなどの未来のアプリケーションを創出する新技術を多数搭載したOSでもある。

 Leopardは、新しい秩序を生み出し、今後10年にわたって広がっていく新世代のアプリケーションを創出し、やがてはMacというパソコンそのものの質すらも変化させる歴史上の転換点となるかもしれないのだ――ちょうど今から24年前に登場した最初のMac OSが、その後のパソコンの世界を大きく変えたように。

Leopard時代の新秩序――検索UI

 1984年にMacが登場して以来、開発者たちはマウスを使ったPC操作、つまりGraphical User Interface(GUI)の次に来るパラダイム、次なる技術革新は何かと議論を続けてきた。

 1990年代の中頃から候補としてあがっていたUIの1つに、検索型ユーザーインタフェースがある。GUIを完全に置き換えるものではないが、それを補完する技術として、検索技術とスクリプティングによる自動化が相互に関連して重要になってくるだろう、というものだ。

Leopardでは、画面の右上に常にSpotlight検索のメニューが表示される

 アップルが1990年代中頃に開発し、やがて葬られたCoplandというOSでも、この2つの技術が重要な位置付けとなっていた。Leopardでは、この操作環境がついに実現している。それが「Spotlight」検索機能である。

 Spotlight自体は、Tigerから搭載されていた検索機能だが、Leopardでは、検索速度とヒット率が劇的に向上し、ネットワーク検索や複合検索への対応、さらには検索以外の新しい機能も追加された。これによってTigerまでのSpotlightとは、まるで別物と思えるくらい便利になっている。

 我々は今日、何十通の電子メールを受けとり、何十回ものWeb検索を行い、何十ものWebサイトを閲覧し、その一方でチャットやインスタントメッセンジャーを通して、常に同僚や親しい仲間から新しい情報をもらっている。それらに加え、生産性ソフトを使って自分で作り出している情報も日増しに増えている。

Spotlight検索で「門前仲町 寿司」で検索すると、過去にやりとりした電子メールや、過去に閲覧したWebページの履歴が一望できてしまう

 こうした情報の洪水は、多くの人々にとってすでに脳のキャパシティを超え始めており、なんとなく情報の輪郭は覚えていても、それをどこからどういうルートで入手したかまでは覚えていない、ということが多い。

 例えば、あなたが門前仲町にある、ある寿司屋がおいしいという事実を知っていたとしても、それが果たしてメールで読んだ情報だったのか、Webページで検索して見つけた情報だったのか、チャットで友人に教えてもらった情報だったかまでは覚えていない。後から「何という店だったか」「どのネタがおいしいのか」を調べようとしても八方ふさがりになってしまうことがある。

 こんなときLeopardなら、Control+スペースキーのショートカットで、Spotlightメニューを呼び出し、「門前仲町 寿司」と打ち込むだけで、これらのキーワードを含む書類やアドレス帳の連絡先、iCal(予定表ソフト)に入れた予定はもちろん、過去に閲覧したWebページや電子メールの履歴まで表示してくれる。この最後の2つ、電子メールとWebページの履歴の検索が、非常に便利で重宝することが多い。

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