Latitude XTは、12.1インチのワイド液晶パネルを搭載したノートPCだが、液晶ディスプレイを回転することでスレートにもクラムシェルにも変換できるコンバーチブルタイプのタブレットPCになっている。
タブレットPCの液晶パネルには、専用の電子ペンを利用する電磁誘電方式と圧力を検出する感圧式との2種類がある。電磁誘導方式は、感圧式ではできない細かなタッピング操作が可能になる半面、専用のペンが必要で、そのペンをなくしてしまうと使えなくなってしまう。感圧式では専用ペンが必須でないが、細かな操作が苦手だ。
Latitude XTのタッチパネルは、電磁誘導方式と感圧式のどちらにも対応するので、ユーザーは両方のメリットを享受できる。導入されている専用ユーティリティで「自動モード」に設定しておくと、専用ペンが本体の近くにある場合は電磁誘導方式が有効になり、逆に近くにない場合には感圧式が有効になる。
なお、今回試用した評価機材がWindows XP Tablet PC Editionモデルであったため試すことはできなかったが、Windows Vistaモデルの場合には“デュアルモード”という機能が用意されている。この機能では、ユーザーが専用ペン以外で操作を始めた場合には感圧式に、専用ペンを利用した場合には電磁誘導方式に自動的に切り替わってくれる。
液晶ディスプレイの最大解像度は1280×800ドットと、現役のノートPCとしては十分な表示なので特に不満を感じることはないだろう。特筆すべきは、BTOで用意されている高輝度液晶パネルの画質だ。
感圧式のタブレットPCには、液晶ディスプレイがあまり明るくないモデルが多い。これは、液晶パネルに感圧用のフィルタをはさみこむことで、バックライトからユーザーの目に届く光の量が減ってしまうためだ。
Latitude XTのBTOで用意されている高輝度液晶パネルでは、はさみこむフィルタを最適化したことと、明るいバックライトを搭載したことで、400カンデラ/平方メートルという、感圧式タッチパネルを実装したモデルとしては明るい輝度を実現している。輝度が明るいと、文字や映像が見やすくなるため、ユーザーの負担が軽減されることにもなる。
なお、Latitude XTの輝度は、かなり暗いレベルまで落とすこともできるので、飛行機やスライド投影を伴なう会場といった暗い環境でも周囲に迷惑をかけることなく利用できる。
もちろん、携帯重視のノートPCとしても高い処理能力を有している。CPUは超低電圧版のCore 2 Duo U7600(動作クロック1.2GHz)、もしくはCore 2 Solo U2100(同1.06GHz)から選ぶことができる。チップセットはグラフィックスコアを統合したAMDのRadeon Xpress 1250を採用しており、DirectX 9世代に対応したピクセルシェーダ2.0エンジン(パイプラインは4本)を実装する。3D効果を利用するWindows Vistaのユーザーインタフェース“Windows Aero”にも対応可能だ。
メモリスロットは2つ用意されており、2枚のSO-DIMMを利用して最大で4Gバイトまで増設可能、HDDは1.8インチタイプ(容量は40、80、120Gバイトから選択)が採用されているほか、BTOではSSD(容量は32Gバイト、もしくは64Gバイト)が用意されている。アプリケーションやOSの起動時間などをできるだけ短くしたいのであれば、購入時にSSDを選択するといいだろう。
光学ドライブは本体に内蔵していないが、オプションとして用意されている「D-bay外付けメディアモジュール」(USB接続の外付けドライブベイユニット)を使えば、DVD-ROM、DVD±RW、FDD、セカンドHDDなどのオプションモジュールと組み合わせて利用できる。D-bay外付けメディアモジュールは、専用の電源コネクタ+USBコネクタでLatitude XT本体と接続されるので、USBポートの電源容量の上限を気にすることなく外付けのデバイスを利用できる(光学ドライブをフルスピードで利用すると、USBポートの電源容量を超えてしまうことがあるが、専用の電源コネクタが用意されていれば大丈夫だ)。
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