すでに述べたように本製品はコンバーチブルタイプのタブレットPCなので、クラムシェルで利用できるキーボードやポインティングデバイスが用意されている。
キーボードはカーソルキーのうち上矢印キー以外が1段下がった6列配列を採用する。上矢印キーの左右に「PageUp」と「PageDown」があって、これを間違って押してしまいそうなのは気になるが、それ以外には変則的な配列はない。キーには適度なストロークも確保されており、入力しづらいと感じることはなかった。
ポインティングデバイスはスティック型(トラックスティック)とタッチパッド型のデュアル構成となっているので、ユーザーは自分の使いやすいデバイスを選択できる。液晶ディスプレイの脇には指紋センサも用意されており、これを利用してパスワードを入力しなくてもWindowsへログイン可能だ。
バッテリーは標準で4セルパックが用意される。28ワットアワーと容量は少ないが、オプションで6セルパックが用意され、そちらは42ワットアワーと大容量だ。ほかにも、本体下部に装着する「バッテリスライス」と呼ばれるセカンダリバッテリーパックもある。バッテリー駆動時間を重視したいユーザーは、これらのオプションを選択するといいだろう。セカンダリーバッテリーを利用すると、最大で9.5時間(メーカー公称値)のバッテリー駆動が可能になる。



左側面(画像左端)にはIEEE 1394とUSB 2.0、右側面(画像右端)には無線LANモジュールのオンオフスイッチ、無線LAN検索ボタン、USB 2.0、Expressカードスロット(54ミリ、34ミリ対応)、SDメモリーカードスロット(SDHC非対応)が、背面(画像中央右側)にはアナログRGB、タブレットバックボタン、スクロールコントロールボタン、有線LAN、パワードUSBが、それぞれ用意されている
本文ではUSBで接続して光学ドライブなどのデバイスを利用する「D-bay外付けメディアモジュール」を説明しているが、ほかにも、本体底面に取り付けて使うオプションが用意されている。「バッテリスライス」(写真=左)と「メディアベース」(写真=右)


メディアベースを取り付けると、Latitude XTで利用できるインタフェースを拡張できる。左側面(画像左端)ではUSB 2.0と光学ドライブ、右側面(画像右端)ではUSB 2.0、背面(画像中央右)ではシリアルとDVIがそれぞれ追加される繰り返しになるが、Latitude XTは、電磁誘導方式と感圧式という2方式に対応したタブレット用液晶パネルを採用し、オプションで、タブレットPCとしては高輝度な液晶パネルも選択できる。加えて、CPUにCore 2 Duoを、ストレージにSSDを搭載できるなど、携帯重視のノートPCとしてのスペックも充実している。ビジネス利用で重要となるOSの選択肢も、Windows XP Tablet PC Edition、Windows Vista Business、Windows Vista Ultimateが用意されているほか、英語版も選択可能だ。こうしたOSの自由度もLatitude XTの特徴として評価できる。
高いスペックを実装しながらも、筐体の厚さは25ミリ、重量は1.62キロ(4セルバッテリー時)と携帯性も悪くない。そうした意味では、スペックやOSを柔軟に構成でき、かつ、ビジネス利用に耐えうる本格的なタブレットPCを探しているユーザーには、検討してみる価値がある製品と言えるだろう。
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