製品説明会では、冒頭に同社DMAチーム長の金周一(キム・ジュイル)氏があいさつをした。同氏は、今回の新製品を「韓国サムスン電子にとって戦略製品であり、厳しい目を持つ日本のユーザーの声を積極的に反映して開発した。従来機のLX20から大幅に改善を施している」と紹介し、「今後も日本市場へのコミットメントを継続的に真摯(しんし)に行っていく」と今後の展望を語った。
続いて登壇した同社DMAチーム次長の宮田隆氏は、同社のディスプレイ事業と新製品の概要を説明。ディスプレイ事業に関しては、「国内では売上の過半が半導体であり、国内のコンシューマー向け製品は昨年秋から販売していない。しかし、液晶ディスプレイ事業に関しては、ワールドワイドで2007年に2200万台を販売したシェア1位の実績を背景に、国内でも継続していく」と述べた。
新製品については、「液晶ディスプレイ市場は部材を調達して組み立てれば誰でも参入できる市場で、同じような製品が多く、価格競争が激化している」と前置きしたうえで、「今回の新モデルはサムスングループの技術を集めた垂直統合で製品化したディスプレイであり、安価なコモディティではなく、高品位なソリューションを提供していく」と語った。
具体的には、液晶パネルをサムスン電子LCD総括、LEDバックライトをサムスン電機、アルゴリズム開発をサムスン総合技術院、キャリブレーションソフトのNatural Color Expertをインドのサムスン開発センターで担当し、それらをサムスン電子映像ディスプレイ事業部がディスプレイ製品として提供する垂直統合で開発・製造しているという。
会場には、NTTデータ ヘルスケアシステム事業部 医療福祉事業部 システム企画担当の橋本勝氏が招かれた。同氏は、広色域で正確な色再現が行えることの重要性を示す一例として、「6バンド画像による色再現システム」を紹介。これは、1つの被写体に対して、カラーフィルターを装着した状態と装着しない状態で2回撮影して画像合成することで、R、G、Bの3バンド色情報をR1、R2、G1、G2、B1、B2の6バンド色情報に拡張して記録する画像システムだ。色の再現性と色域の広さが向上するとともに、ホワイトバランス変換の精度がより正確になるという。
同氏は、6バンドの画像をSyncMaster XL24に表示し、Adobe RGBを超える色域にある色を再現するデモや、同システムを利用した3DCGソフトウェア「ColorDesigner」のデモも行った。「SyncMaster XLシリーズはLEDバックライトでAdobe RGBを超える色域を備えているため、Adobe RGB色域を上回る6バンドの画像を従来のディスプレイより正確に再現できる」(橋本氏)
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