NVIDIAからハイエンドGPUとして発表された「GeForce 9800 GX2」搭載カードが、先週から出回っている。価格は7万円後半から8万円前半の間で、在庫はそれぞれ少数。ただし、メーカーを問わなければ入手できる可能性が高い。
GeForce 9800 GX2は、G92世代のGPUを2つ併用する製品で、動作クロックは各600MHz、メモリクロックは2GHz。合計2GバイトのDDR3メモリを搭載する。リファレンスデザインは、クーラーを挟んだ2枚の基板を封入した大きなボックスといった外観で、DVI-I端子を2基とHDMI端子を1基備えている。同カードを2枚使ったQuad SLI構成も可能だ。
現行のGeForce系グラフィックスカードとしては最高クラスの製品となるが、手を出すユーザーは少ない様子。多くのショップで聞かれたのは、電源の問題だ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「動作させるには6ピンと8ピンの補助電源が必要です。しかし、8ピンの補助電源コネクタとなると、備えている電源ユニットも限られます。ハイエンドとしては安めのカードですが、電源も替えるとなると話は別。低消費が重宝される時流から外れて、敬遠されがちですね」と語る。
また、「9800 GX2のターゲット層であるハイエンドゲーマーは、すでにGeForce 8800 GTXなどでSLIを構築している場合が多い。8800 GTX SLIと9800 GX2の差は微妙ですから、わざわざ買い換える人もいないでしょ」(某ショップ)との声もあった。
ただし、9800 GX2の売れ行きに影響を与えた最も大きな要因は、「まもなく別のGPUが登場するらしいっす」というウワサがあるからだ。
ある店員さんは「真偽は分かりませんが、もうすぐNVIDIAの新しいデュアルコアのグラフィックスカードが登場するというウワサが流れています。これは9800 GX2よりワンランク下ながら価格がもっとリーズナブルと聞いています。出元は海外サイトらしいですが、情報に詳しい人の多くは待ちの状態です」と語る。
情報管理に厳しいと言われるNVIDIAを持ってしても、未発表情報のネット流出を防ぐのは難しいようだ。それとも、完全なガセ? 今後のアキバを要チェックだ。
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