世界シェアNo.1ベンダーが放つ新型ボードPC「HP TouchSmart PC」を試す iMacのライバル登場か(1/2 ページ)

» 2008年07月04日 12時05分 公開
[元麻布春男(撮影:矢野渉),ITmedia]

2世代目は汎用性を高めたボードPCに進化

新「HP TouchSmart PC」

 昨年、日本HPがリリースした「HP TouchSmart PC」(IQ700シリーズ)は、とても力が入ったコンセプトPCだった。自社開発のソフトウェア「HP SmartCenter」を中核に、タッチスクリーンを備えた液晶ディスプレイ一体型PCを家族のコミュニケーションツールとして活用するという考えは、ホームPCに対する1つの提案として傾聴に値するものだったと思う。

 しかし、逆に言うと、コンセプトPCはユーザーを選ぶ。ターゲットが絞り込まれているだけに、そのコンセプトに合致しないユーザーには手を出しにくくなってしまう。メーカーの力が入った割に、もう1つ話題にならなかった理由の1つは、その辺りにあるのではないか、という気がする。

 今回発表されたIQ500シリーズは、2世代目のTouchSmart PCとなる。IQ500シリーズにも自社開発のTouchSmartソフトウェアが添付されているが、キャッチフレーズが「コミュニケーションツール」から、「プレミアム・ボードPC」に変わった。用途を訴求するのではなく、PCの形状を訴求するもの(用途を特定しないもの)になったわけで、より汎用性を意識した変化と言えるだろう。

こちらは第1世代のモデル(写真=左)。基本コンセプトは、家族間のコミュニケーションツールだ(写真=中央)。第2世代と第1世代のサイズ比較(写真=右)。新モデルでは液晶ディスプレイのサイズが大型化したが、奥行きは短くなった

 発表時点でIQ500シリーズに設定されているのは3モデル(直販のHP Directplusが2モデル、店頭販売向けが1モデル)。いずれも22型ワイド光沢液晶ディスプレイを採用した一体型だが、キャッチフレーズにもあるように、ほとんどPC本体部に相当する厚みの感じられない、単体の液晶ディスプレイに近いデザインとなっている。スタンドを除く本体の厚みは約4.5〜9.5センチで、ボードPCの名前にふさわしい(ただし重量は液晶ディスプレイよりグンと重く約11.6キロもある)。利用時は背面のスタンドで立てる形となるが、標準の傾き角を10度〜40度で選べる。最小の10度ではスタンドを含めた奥行きが約22センチで、B5ノートPCなみの奥行きにおさまる。また、付属のワイヤレスキーボードを、このスペースに収納することもできる。

外観は液晶ディスプレイそのもので、拡張端子は左右の側面に配置されている。液晶ディスプレイは22型ワイドで、視野角は上下/左右とも160度だ(写真=中央)。光沢タイプゆえ画面への映り込みは目立つ。両側面はエスプレッソブラウンに着色され、左側面にはダウンライト調光ボタン、2基のUSB 2.0、マイク、ヘッドフォン端子が並ぶ(写真=左)。右側面には電源ボタン、HDDアクセスランプ、音量調整、メモリカードスロット、4ピンのIEEE1394端子がある(写真=右)

最大傾斜時(40度)では奥行きが約422ミリとなる(写真=左)。ワイヤレスのスリムキーボードとマウス、赤外線リモコンが付属する(写真=中央)。ACアダプタのサイズは85(幅)×170(奥行き)×40(高さ)ミリ、重量はケーブル込みで約1165グラムと巨大だ(写真=右)。なお、電源ケーブルは3ピンタイプ

ダウンライトを備え、すっきりとしたデザインに

キーボードを照らすダウンライトは明るさを3段階に切り替えられる

 デザイン上の特徴は、ディスプレイ部とその下に設けられたスピーカー(片チャンネル2コ、計4スピーカー)の間に段差があること。この段差にダウンライトが仕込まれており、3段階の光量で手元を照らしてくれる。リビングの照明が間接照明を主体とする米国などでは、特に好まれる仕掛けだと思う。

 ディスプレイは1680×1050ドットの22型ワイド液晶だ。いわゆる光沢液晶で、標準で輝点ゼロ保証(常時消灯ゼロ、常時点灯6コ以内)がつく。このディスプレイにはタッチセンサがつくが、IQ700シリーズ同様、指による接触を光学センサで読み取る方式であるため、デジタイザ層のおかげでディスプレイが見にくくなる(輝度やコントラストが低下する)ということはない。基本操作は、すべてこのタッチセンサで行うことが可能だが、ワイヤレスマウスも付属する。

 ディスプレイの左側面にはダウンライトの調光ボタン、USB 2.0ポート×2、ヘッドフォン、マイク端子が並ぶ。その背後にあるカバー内にはUSB 2.0ポート×3、光デジタル音声出力、ギガビット対応有線LAN端子が隠れている。ネットワーク接続は主に無線LAN(IEEE802.11b/g/n)を想定しているようだが、ちゃんと有線LANポートも用意されている。無線機能としては、ほかにBluetoothも標準搭載する。

 右側面は、最上部の電源スイッチに加え、スロットインタイプのスリムドライブ(DVDスーパーマルチ、LightScribe対応)、音量調整ボタン、5in1のメモリカードスロット、IEEE1394ポート(4ピン)が並ぶ。また、ディスプレイの頂上部には、カレンダーのイベント時刻に点灯するLEDランプが左端、中央部にWebカメラとマイクが、下部右側にはTouchSmartを呼び出すスイッチ(PCの起動も可能なタッチ式のスイッチ)も設けられている。ただ、すっきりした外観は好印象なのだが、HDDのアクセスランプが右側面にあるのは好みが分かれそうだ。

左側面のカバー内に3基のUSB 2.0、ギガビットLAN、丸形の光デジタル音声出力、ライン出力がある(写真=左)。ピアノブラック調に彩られた背面は非常にすっきりとしている(写真=中央)。電源はACアダプタで供給され、スタンド中央にケーブルを束ねる役割を果たす溝がある(写真=右)

液晶ディスプレイ上部にWebカメラとマイク、無線LANのアンテナが内蔵されている(写真=左)。カレンダーに入力したイベント時刻になると、液晶上部左側にあるLEDランプが点灯する(写真=中央)。右側面にスロットインタイプの2層DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブが用意される(写真=右)

システムのアーキテクチャはインテルベースに変更

評価機(IQ503jp)のエクスペリエンスインデックス画面。試作機のため実際の製品とは異なる可能性がある

 こういった外観以上に変わったのがその中身だ。AMDのTurion 64シリーズをベースにしていたIQ700シリーズに対し、このIQ500シリーズでは同じモバイルアーキテクチャながら、インテルのCore 2 DuoシリーズのCPUをベースにしたシステムに変更された。IQ500シリーズには、上述のように3モデルが用意されるが、直販2モデルは上位(IQ503jp)、下位(IQ501jp)ともに2.0GHz動作のCore 2 Duo T7250(Meromコア、2次キャッシュは2Mバイト)を採用する。一方、店頭モデル(IQ507jp)には2.1GHz動作のCore 2 Duo T8100(Penrynコア、2次キャッシュは3Mバイト)を搭載する。

 組み合わせられるチップセットは、上記のCPUが採用する800MHz FSBに対応したIntel GM965/PM965 Expressシリーズだ。基本はGM965チップセットの内蔵グラフィックスだが、IQ503jpのみGPUとしてNVIDIAのGeForce 9300M GSを用いる。メインメモリは全モデルで標準4Gバイトだが、モバイルアーキテクチャのチップセットであるため、これが上限だ。

 HDDはモバイル向けの2.5インチドライブではなく、デスクトップPC向けの3.5インチドライブを採用する。評価機に使われていたのはSeagateのBarracuda 7200.11で、すべての製品にこのドライブが採用されているとは限らないが、おそらくスピンドル回転数7200rpmの製品が使われていることは間違いないだろう。

 IQ501jpとIQ503jpの違いは、HDD容量(320Gバイト対750Gバイト)とグラフィックス(チップセット内蔵対GeForce 9300 GS)だけで、後はMicrosoft Office Personal 2007の有無(IQ503jpのみプリインストール)となる。この違いで6万円近い価格差はかなり微妙といわざるを得ないが、本機は同社製PCでおなじみのBTOには対応せず、外付けグラフィックスが欲しければ、IQ503jpを買うよりない。

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