指1本操作のTouchインタフェースを採用した「HP TouchSmart PC」が登場2007年PC秋冬モデル

» 2007年09月27日 11時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

大型タッチスクリーンを搭載して直感的な操作を実現

ファミリー層を強く意識した「HP TouchSmart PC」

 「HP TouchSmart PC」は、2007 International CESに出展された液晶一体型のコンセプトPCで、日本でも2007年3月の発表会で一度公開されている。米国などではすでに販売されており、ついに日本上陸を果たした格好だ。

 見ためは液晶一体型PCで、製品名もHP TouchSmart PCとあるが、同社ではPCとしてよりも「家族のコミュニケーションツール」として、ファミリー層を強く意識した製品展開を行うという。具体的には、1440×900ドット表示対応の19インチワイド光沢タッチスクリーンを搭載し、同社独自のインタフェース「HP SmartCenter」を導入することにより、指1本でさまざまな操作が行えるようになっている。

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 家族のコミュニケーションを深めるべく、手書きメモや動画メモ、音声メモを保存して家族のスケジュールを共有する「HP SmartCalendar」、直感操作で写真の整理や印刷(プリンタは別売)が行える「HP PhotoSmart Touch」といったオリジナルアプリケーションがインストールされているのも特徴だ。これらのアプリケーションは前面右下にある「HP SmartCenterボタン」を押すことでワンタッチで呼び出せる。

 なお、本機に採用されているタッチスクリーンは感圧式や電磁誘導式とは異なり、パネルの隅に内蔵されたカメラで位置情報などを読み取る。そのため、余分なパネルやフィルムが不要になり、表示品質の劣化や画面の明るさ不足を解消している。

1440×900ドット表示対応の19インチワイドタッチパネルを搭載する(写真=左)。同社独自のユーザーインタフェース「HP SmartCenter」(写真=中央)と「HP SmartCalendar」(写真=右)。いずれもWindows Media Center上で動作する

液晶ディスプレイの左上にペンが収納されている(写真=左)。液晶上部に130万画素のWebカメラとマイクを内蔵し、動画メモや音声メモを手軽に作成可能だ(写真=中央)。HP TouchSmart PCの想定利用シーン(写真=右)

ノートPC用のアーキテクチャを全面採用

SO-DIMMやスリムタイプのDVDスーパーマルチドライブなど、ノートPC向けのパーツが採用される

 ボディは液晶と台座部分に分かれており、スイベル機構は持たないものの前後のチルトや昇降機能は備えているので、液晶ディスプレイの位置調整は簡単にできる。台座の前面にLightScribe対応のスロットイン式DVDスーパーマルチドライブや8 in 1のメモリカードスロット、2基のUSB 2.0端子や4ピンのIEEE1394端子を備えて使い勝手を高めている。また、右側面には「HP Pavilion Desktop PC」シリーズでも採用されているポケット・メディア・ドライブベイがあり、オプションのドライブ(USB接続のHDD)を購入することでHDD容量のアップや大容量データのやりとりがスムーズに行える。

ボディは液晶ディスプレイ部分と台座部分に分かれており、チルトや昇降機能を備えている(写真=左と中央)。サイズは553.2(幅)×267.2〜316.2(奥行き)×379.6〜469.8(高さ)ミリ、重量は約18キロだ。右側面にポケット・メディア・ドライブベイがある(写真=右)

 ユニークなのは、背面部分に同社の小型フォトプリンタ「HP Photosmart A628」を設置できることだ。HP TouchSmart PCにはHP Photosmart A628専用ミニケーブル(PC本体から給電)が付属しており、あたかもプリンタ内蔵PCのような環境を実現可能だ。

 キーボードとマウスは2.4GHz帯の無線タイプで、台座下部にキーボード収納スペースが用意されている。赤外線リモコンも標準で添付されるほか、IEEE802.11a/g/b対応の無線LAN機能を内蔵することで、電源ケーブルをつなぐだけで利用できる手軽さも見逃せない(バッテリー駆動は非対応)。

同社の小型フォトプリンタ「HP Photosmart A628」を背面に設置できるのがユニークだ(写真=左と右)。PCに付属するケーブルを使うことで、ACアダプタを使わずに印刷が可能だ。赤外線リモコンのほか、ワイヤレスのキーボードとマウスが付属する(写真=右)。ただしキーボードとマウスの受光部はUSBアダプタで供給される

 ラインアップは3モデルで、AMDのノートPC向けアーキテクチャを全面的に採用しているのが目を引く。詳細なスペックは下記にまとめたが、CPUやオフィススイートの有無、メモリやHDD容量が違うだけで主要なパーツは3モデルとも共通だ。OSはWindows Vista Home Premium(32ビット版)を採用する。

 販路は同社直販のHP DirectplusHP Directpartnerで、9月28日から受注が開始される予定だ。また、ビックカメラ(池袋店/新宿西口店/有楽町店/京都駅前店)内の「HP Directplus Station」でも実機の展示が行われる。現時点ではBTOに対応せず、最廉価モデルの「IQ780jp」が17万8500円、中堅モデルの「IQ782jp」が19万9500円、フラッグシップの「IQ784jp」が24万9900円(いずれもHP Directplus価格)となっている。

HP TouchSmart PCのラインアップ
モデル名 IQ784jp IQ782jp IQ780jp
CPU Turion 64 X2 TL-64(2.2GHz) Turion 64 X2 TL-58(1.9GHz)
チップセット GeForce 6100
メモリ 4Gバイト(SO-DIMM) 2Gバイト(SO-DIMM)
HDD 500Gバイト(7200rpm) 320Gバイト(7200rpm) 160Gバイト(7200rpm)
光学ドライブ スロットイン式DVDスーパーマルチ(LightScribe対応)
液晶ディスプレイ 19インチ光沢ワイド(タッチスクリーン)
画面解像度 1440×900ドット
グラフィックスチップ GeForce Go 7600
通信機能 IEEE802.11a/g/b、Bluetooth
OS Windows Vista Home Premium(32ビット版)
オフィススイート Office Personal 2007
直販価格 24万9900円 19万9500円 17万8500円

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