“MADE IN TOKYO”のVista搭載ミニPC現る――「HP Pavilion Desktop PC s3040jp/CT」4年ぶりに帰ってきました(1/2 ページ)

» 2007年03月06日 14時00分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

ついに発売される個人向けデスクトップPC

 古参のPCユーザーは記憶にあると思うが、日本HPそして合併前のコンパックコンピュータともに、日本の個人向けPC市場を撤退したという苦い過去を持っている。しかし、昨年の6月のHP Pavilion Notebookシリーズの発売を皮切りとして、2002年の合併以降、封印されていた個人向けデスクトップPCがついに投入されることになった。

 3月6日に発売されるのはいずれも省スペースな2モデルで、同社の直販チャンネル「HP Directplus」で販売が行われる。仕様のカスタマイズに対応しており、インテル製CPUとAMD製CPUを選択できるのが特徴だ。拡張性を重視したHP Pavilion Desktop PC v7000シリーズと、よりコンパクトなHP Pavilion Desktop PC s3000シリーズのうち、ここでは後者のインテル製CPU搭載機を評価した。

容積約10リットルの小型ボディが光るHP Pavilion Desktop PC s3000シリーズ(写真=左)と、拡張性を重視したHP Pavilion Desktop PC v7000シリーズ(写真=右)

USB接続のポケット・メディア・ドライブベイを搭載

内部スペースは窮屈だが、思ったほどメンテナンス性は悪くない

 このHP Pavilion Desktop PC s3000は、海外では“Slimline”シリーズとしてラインアップされていることからも分かるように、コンパクトなボディを採用しているのが最大のポイントだ。ボディは107(幅)×340(奥行き)×276(高さ)ミリ、重量は約6.7キロ(構成により異なる)と机上に置いても違和感がないサイズに収まっている。光沢感のある前面パネルや、電源を入れると上部が青色に光るギミックなど、見た目にも配慮が行き届いている印象だ。

 奥行きがあるため容積が約10リットルとなるが、その分拡張性は確保されており、ロープロファイルながらPCI Express x16とPCIの各スロットを1基ずつ用意する(内蔵可能なカード長は18.5センチ以下)。さすがにドライブベイに空きはないが、前面下部にあるポケット・メディア・ドライブベイに注目したい。ここには、別売のHPポケット・メディア・ドライブ(容量は120Gバイト)を収納でき、大容量データを気軽に持ち運びできる。このポケット・メディア・ドライブは専用ケースに入ったUSB接続のHDDであり、ドライブには2.5インチHDDが内蔵されている。起動ドライブには指定できず、現時点で容量は120Gバイトのみとなるが、専用のキャリングケースや外付け用のUSBケーブル(60センチ)が付属する。価格はやや高め(HP Directplus価格で1万5750円)だが、今後は容量のバリエーションやほかのデバイスの拡充といったところも期待したい。

 ちなみに、前面にはCF TypeII、SDメモリーカード/MMC、メモリースティック、xDピクチャーカード/スマートメディア対応のメモリカードスロットのほか、1基のUSB 2.0とヘッドフォン端子が並ぶ。ケースカバーはネジ3本を外すと取り外せるが、内部スペースはゆとりがなく、メモリの増設もポケット・メディア・ドライブベイはHDDベイを取り除き、光学ドライブベイを前方にスライドさせる必要がある。とはいえ、前述のベイはネジ1本ずつで固定されているだけなので、メンテナンス性は思ったほど悪くない。

奥行きは34センチあるが、ロープロファイルのPCI Express x16とPCIのスロットを備え、将来的な機能拡張が行えるのは心強い。BTO時にグラフィックスカードを追加すると背面のアナログRGB出力がカバーで覆われる(取り外し可能)。その上にあるコネクタはコアキシャルのS/P DIF出力だ(写真=左)。容量160ワットの電源ユニットは上部に設置される(写真=中央)

別売のHPポケット・メディア・ドライブを挿入したところ(写真=左)。HPポケット・メディア・ドライブは容量120Gバイトの2.5インチHDDで、キャリングケースや外付け用のUSBケーブルが付属する(写真=中央と右)。直販価格は1万5750円だ

AMDとインテルの両アーキテクチャが選択可能

 冒頭で書いたように、本機はインテルとAMDの各プラットフォームが用意されている。評価機はグラフィックス統合型のIntel 945G Expressチップセットを備えていたが、BTOでAMD製CPUを選ぶとマザーボードはNVIDIA GeForce 6150 LEチップセットを採用したものになる。ちなみにAMD製CPUを選ぶと型番がs3020jpとなり、CPUはAthlon 64 X2 4600+(2.4GHz/L2キャッシュ512Kバイト×2)、Athlon 64 X2 3800+(2.0GHz/L2キャッシュ512Kバイト×2)、Sempron 3500+(2.0GHz/L2キャッシュ512Kバイト)から選べる。

 評価機のCPUはCore 2 Duo E6400(2.13GHz/L2キャッシュ2Mバイト×2)を搭載していたが、バリエーションはCore 2 Duo E4300(1.86GHz/L2キャッシュ2Mバイト×2)、Pentium 4 641(3.2GHz/L2キャッシュ2Mバイト)、Celeron D 360(3.46GHz/L2キャッシュ512Kバイト)と、AMD製CPUよりも豊富だ。そのほかのパーツはs3040jp/s3020jp共通で、メモリはPC2-5300対応のモジュールを512Mバイトから最大2Gバイトまで、Serial ATAのHDDは80/160/250/500Gバイトから選択できるようになっている。ちなみに、光学ドライブはLight Scribe機能を備えたDVD+R DL対応のDVDスーパーマルチドライブのみとなる。

評価機はCore 2 Duo E6400と2GバイトのDDR2-667メモリ(1Gバイト×2)を搭載していた(写真=左)。CPUクーラーには7センチ角のファンが取り付けられている。BTOでは有線のほか、ワイヤレスのキーボードとマウスも選択できる(写真=中央)。キーボード周囲に音量調節やDVD-Video/音楽CD操作ボタン、ワンタッチボタンが並ぶ。ワンタッチボタンの設定はコントロールパネルにある「キーボードのプロパティ」で行う(写真=右)
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