見た目も中身も“F1”級――「Endeavor NJ5200Pro」を試すC2D T9600+GF88M GTX(1/2 ページ)

» 2008年08月06日 18時00分 公開
[兼子忍,ITmedia]
Endeavor NJ5200Pro

 7月16日にインテルのモバイルノートPC向け最新プラットフォーム「Centrino 2」が発表され、PCメーカー各社から続々とCentrino 2搭載ノートPCが登場している。エプソンダイレクトも同様に、従来のフラッグシップノートPC「Endeavor NJ5100Pro」の上位に「Endeavor NJ5200Pro」を投入、Centrino 2搭載モデルをラインアップに追加してきた。

 Endeavor NJ5200Proは、15.4型のワイド液晶を搭載した据え置き型ノートPCで、同社のノートPCとしては唯一、Centrino 2に準拠した構成を選択できるハイパフォーマンスモデルだ。CPUはFSBクロック1066MHzに対応した45ナノプロセスのCore 2 Duoを搭載し、BTOメニューにCore 2 Duo P8400(2.26GHz)/P8600(2.4GHz)/T9400(2.53GHz)、T9600(2.8GHz)の4種類を用意している。チップセットには、グラフィックス機能を内蔵しないIntel PM45 Expressを採用しており、グラフィックスチップはGeForce 9600M GS(256MB)とGeForce 8800M GTX(512MB)からの選択となる。

評価機には2GバイトのIntel Turbo Memoryが搭載されており、初期状態でWindows ReadyBoost、Windows ReadyDriveともに有効な状態に設定されていた。メモリスワップが発生する状況でのパフォーマンスの低下を抑えられるほか、使用頻度の高いアプリケーションの起動速度の向上、ハイバネーションからの高速復帰といった効果が期待できる

 メインメモリにはPC3-8500 DDR3 SDRAMを採用し、容量は512Mバイトから最大4Gバイトまで搭載できる。ただし、本機のOSは32ビット版Windows Vistaの各エディション(Service Pack 1適用済み)と、Windows XP Professional(Windows Vista Businessダウングレード)からの選択となるため、4Gバイトのメモリを搭載しても実際に利用できるのは最大で3Gバイトまでになる。なお、1Gバイトおよび2Gバイトを搭載する際は、実装方法をシングルチャネルとデュアルチャネルから選択可能だ。さらに、OSやアプリケーションの起動を高速化できるIntel Turbo Memory(2Gバイト)のオプションも用意されている。

 HDD容量は最小で80Gバイト、最大で320Gバイトと幅広い選択肢を用意する。このうち、120Gバイトのドライブは回転数を5400rpmと7200rpmを選び分けられるほか、200Gバイトのドライブを選ぶと7200rpmで固定になる。容量よりも性能を重視する向きにはうれしいところだろう。一方、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブとコンボドライブの2択で、Blu-rayディスクドライブは選べない。フラッグシップモデルとしてはやや残念だ。

 液晶ディスプレイは、パネル解像度をWXGA+(1440×900ドット)とWUXGA(1920×1200ドット)の2つから選択できる。また、セキュリティ機能として指紋認証センサとTPM v1.2準拠のセキュリティチップを標準搭載するので、個人利用だけでなく顧客の個人情報などを扱うビジネス用としても安心して利用可能だ。

 なお、今回試用した評価機は、Core 2 Duo T9600(2.80GHz)と2Gバイトのメインメモリ、200GバイトのHDD、GeForce 8800M GTXを採用し、Intel Turbo Memoryのほか、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANや、WUXGA表示の高解像度液晶を搭載したハイパフォーマンス構成となっていた。

ドライカーボン製の天面と汚れを簡単に落とせるパームレスト塗装

外装に剛性の高いドライカーボンを採用。網目模様のデザインが目を引く

 ボディカラーは、ブラックとメタリックグレーの2色からなるシンプルなデザインながら、天面にドライカーボンを採用し、カーボン特有の網目模様をデザインとして生かすなど、フラッグシップモデルにふさわしい風格を感じさせる。ドライカーボンは、F1カーや航空機にも採用されており、その剛性は折り紙付きだ。

 またキーボードの周辺とパームレストに、汚れがつきづらい「パピレスコーティング」を採用するのもポイントだ。パピレスコーティングには撥水(はっ水)/撥油(はつ油)性があるため、油性インクのような通常なら落としにくい汚れも、布でふき取ったり消しゴムでこするだけで簡単に消すことができる。また、しっとりとした独特な肌触りを持ちつつ、パームレストに手を乗せても肌が張り付くような不快感がないのも好印象だ。

 端子類は、右側面の手前にSDメモリーカード/メモリースティック対応メモリカードスロットとExpressカードスロットを備え、中央に2基のUSB 2.0を搭載するほか、サウンド関連端子とIEEE1394(4ピン)を正面に置くなど、着脱頻度の高い端子類に簡単にアクセスできるレイアウトだ。

 また、背面には2基のUSB 2.0のほか、DVI-I端子とHDMI端子を用意し、PC用のデジタル/アナログディスプレイやリビングルームのデジタルTVを外部ディスプレイとして利用することも可能だ。ギガビット対応のLANとモデムは右側面に置かれるが、最も奥まった位置に搭載されるため、ケーブルを常時接続しても操作のじゃまになることはないだろう。

本体前面/背面/左側面/右側面

 底面は7本のネジで固定された大型のカバーが用意され、これを取り外せば2基のメモリスロットやHDDのほか、CPUクーラーや無線LANカード、Intel Turbo Memoryモジュールなど、主要なパーツのほぼすべてにアクセスできる。多数のネジを外す手間はかかるが、作業スペースが広く取れるため、ユーザーによるメンテナンスも容易に行える。

 なお、試用時は本体背面の右よりにある排気口から冷却ファンの動作音が聞こえるほか、CPUやグラフィックス機能に負荷がかかると、早い段階からファンが高速回転を始めるため、静音性は良好とは言いがたい。一方、発熱については長時間起動していると右パームレストがやや暖かくなったが、塗装の効果もあって、長時間触れていても強い不快感を感じることはなかった。

本体底面のカバーを外せば主要なパーツにアクセスできる(写真=左)。14.8ボルト/4400mAhのバッテリーを搭載。バッテリー駆動の公称値は、Windows Vistaで約3.4時間、Windows XPで約4時間となっている(写真=右)

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