日本であればレストランでクーポンの割引が利用できる「ぐるなび」や公共交通機関を使いこなす「駅すぱあと」「乗換案内」のように、生活密着型のオンラインサービスが存在するが、北京でも、この数年で同じようなサービスを提供するWebサイトがそろってきた。今回は、北京滞在のコンシェルジュとなってくれる(かもしれない)オンラインサービスとその使い方を紹介する。
旅行者がまずチェックしておきたいのがオンラインマップサービスだ。「ええええ、Google Mapで十分じゃない」という声が聞こえそうだが、確かに、世界的なGoogleマップの中国版は、OSが日本語環境であれば日本語で利用できるので便利だ。ただ、せっかく中国を訪れたのだから、「Mapabc」や、「百度地図」で採用されている「Mapbar」をぜひ試してほしい。
視覚的に面白いサービスとしては都市作成ゲームの画面を思わせるような、ふかん視点の「e都市」や「都市圏」が挙げられる。両サイトとも北京の建物が手作業で細かく描かれている。手間がかかる作業が影響してか、地図がカバーする地域も大都市の中心部に限られるのが難点かもしれない。いま、e都市と都市圏は地図記載の範囲で競っている。北京市内に限ってみると、e都市が優勢といったところだろうか。すでに、日本でも過去に紹介されているサービスだが、着々とアップデートを重ねていて、いまでは“鳥の巣”や“水立方”などを見ることができる(その周囲が工事中だったりするのがなんともはや)。
現在、Mapberのサイトでは、「オリンピック特設地図サイト」を開設している。このサービスでは、各競技開催地へバスでアクセスする方法なども紹介されていて、MapbarとMapabcでは路線バスに限って路線検索も可能だ。ただ、地下鉄と異なってバスは渋滞したらすごいことになるので、到着する時間は読めないと考えたほうがいい(例え専用レーンが設けられたとしても)。そもそも、地元に密着した公共交通機関である路線バスを乗りこなすことが難しい(ほとんどの運転手は英語ができない)ので、短い北京滞在で路線バスを利用するのはお勧めできない。
なお、実用性が低いので参考程度になるが、北京の商業地域の幹線道路沿いには「数字北京信息亭」という、タッチパネルを操作して北京の情報が得られる電話ボックスのような施設がある。だが、エアコンがないこのボックスの中は異常なまでに暑い。そして、現在地が地図で表示できるとはいえ、端末の反応はのんびりとして、さらに、メニューに用意されているコンテンツの一部は「お探しのコンテンツはありません」という状況では、「利用してみてはいかがかな」とは、とてもいえない。
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