Eee PCのCドライブの空き容量を増やすツールやテクニックに関しては本稿の趣旨とは異なるため、ここでは安全性の高い一般的なものだけを紹介しよう。
Javaランタイム環境は現在Update 7までリリースされている。これは累積的なパッチになっているので、最新のUpdateさえ当てておけば過去にさかのぼって適用する必要はない。Java 6 Updateが複数登録されてる場合は、Update 7以外を削除してしまってかまわない。
環境変数TMP、TEMPで参照されるテンポラリフォルダは、自己解凍形式のインストーラが一時的に展開したファイルを置いたり、作業用のファイルを作成したりするときに利用される。これがCドライブにあると本来必要とされる容量の2倍の空き容量が必要となってしまう場合もある。今回のテストでは、一時ファイルがインストール時の障害となった場合にテンポラリフォルダを「D:\tmp」に変更した。
インターネット一時ファイルはウェブブラウザのキャッシュとして働くものだが、一時的なものとはいえ、デフォルトではCドライブを圧迫する存在だ。これもテンポラリフォルダ同様、Dドライブに移動してしまうことができる。
以上の対処を必要に応じて行いつつ、インストールを試みた。一般的にプログラムは以下のようなフォルダにインストールされる。
「%CommonProgramFiles%」(デフォルトではC:\Program Files\Common Files)以下にインストールされるもの。同一ベンダーの製品やモジュール化されているスイート製品などで共有されるプログラムなどがコピーされる。「%CommonProgramFiles%」をほかのドライブに割り当てることもできなくはないが、すでにインストール済みのアプリケーションに不具合が発生する可能性があるため、変更しないほうが無難だろう。ここにインストールされるファイルは「Cドライブから移動できないファイル」ということになる。
「%ProgramFiles%」(デフォルトではC:\Program Files)以下にインストールされる。すでに稼働しているシステムの「%ProgramFiles%」を変更するのは危険だが、インストーラが許可していれば個別にインストール先をほかのドライブに変更することが可能な場合が多い。つまり、一般的には「Cドライブから移動できる可能性の高いファイル」と言える。今回のテストではインストール先にDドライブを選択した場合の結果から「移動できるファイル」と「移動できないファイル」の2つに分類した。
「%ALLUSERSPROFILE%」(デフォルトではC:\Documents and Settings\All Users)以下のApplication Dataフォルダ下にインストールされる。全ユーザーで共通して利用されるアプリケーションデータフォルダであり、レジストリを変更し、既存のファイルをすべて新しいフォルダに移動させることでCドライブからDドライブに移動させることは可能だが、やはりシステム全体に影響が及ぶため、今回のテストでは「移動できないファイル」として扱った。
「%SystemRoot%」(デフォルトではC:\WINDOWS)下のsystem32\driversにインストールされる。ほとんどの場合、数百Kバイト以下のドライバが数ファイル、という構成であり、ディスク容量にはさほど影響しない。容量が小さく、パターンファイルのアップデートなどによる変動に吸収されてしまうため、今回のテストでは無視している。
それでは実際のインストールの状況を各製品ごとに見ていこう。なお、インストール時に要求される空き容量は一時ファイルの利用などによってインストール完了時の利用容量と異なる場合がある。ダウンロード版とパッケージ版でも異なることが予想されるので、あくまで目安として読んでいただきたい。
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