米Seagate製HDDの一部でファームウェアの不具合が多発し、同社もこの問題を公表したことから、アキバのPCパーツショップは1月19日から、対象ロットを含むとされる「Barracuda 7200.11」「DaimondMax 22」「Barracuda ES.2 SATA」「SV35」シリーズの取り扱いを一時的に中止した。不具合の内容は、電源投入後にアクセス不能に陥る危険があるというもので、データの消失等の問題は確認されていない。
この状態を受けて、シーゲイト製HDDの代理店は仕入れたロットの確認を急ぎ、21日にはCFD販売が「自社で取り扱った製品に不具合が起きる該当ロットはない」と発表。ここから徐々に、取り扱いを再開するショップが現れ始めた。
TSUKUMO eX.は「我々が取引させていただいている代理店各社では不具合ロットを扱っていないと確認できました。お客さまとしたらいろいろと不安があるかと思いますが、とりあえずは安心していただける状況になったと考えています」と語る。クレバリー1号店やT-ZONE.PC DIY SHOP、BLESSS秋葉原本店なども23日までに取り扱いを再開している。
ただし、代理店の違いがあるとはいえ、各ショップの対応時期にずれがあるのも確かだ。ソフマップ秋葉原本館は「それぞれのロットのチェックに時間がかかっています。徐々に販売が復活すると思いますが、作業が遅れています。申し訳ありません」と、突然沸いた緊急事態の対応に苦労している様子だった。
また、系列店のフェイス本店が取り扱いを復活しながらも、ツートップ秋葉原本店は慎重な姿勢を残している。先週金曜日の時点では「代理店からのOKはいただきましたが、ウチとして安心していただける状況にはまだなっていないと判断しています。自分たちで確認が済み次第、徐々に復活していこうと思っています」(ツートップ秋葉原本店)とのことだった。
シーゲイト製品の取り扱いについてはほぼ復活のめどがついたといえるが、今回の傷跡は深いと考えるショップは多い。某店員氏は「シーゲイトは信頼性の高さで評価されていたので、これだけ大規模な不具合は大打撃でしょう。現在は取り扱いを復活したばかりなので仕方ないですが、これまで均等に売れていた日立GSTやウェスタンデジタルに大きく水を空けられています」と語る。
また、あるショップの店長は「百歩譲って不具合の発生は仕方ないとしても、その後の対応がよろしくない。シーゲイト本体からは“大丈夫です。問題ありません”ばかりで、迷惑をかけたユーザーへの配慮が足りないと感じるね。このままでは、今回の件が長期的に暗い影を落としそう」と話していた。
多くのショップには、シーゲイト製HDDを購入したユーザーからの問い合わせが多数寄せられているという。そのなかには「“金を返せ!この野郎!”とか言われることもあります。確認したら不具合ロットではなかったんですけどね。シーゲイト本体が無償交換に応じない限り、ウチらもできないんですよ。ちょっと気が滅入っています……」(某ショップ)といった過激なものも。現場で受けたストレスの矛先がシーゲイトに向かい、そのコメントが辛らつになるのは、ある意味仕方のないことか。
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