1月10日、AMDの新型CPU「Phenom II X4」が登場した。4コア共有のL3キャッシュを6Mバイト搭載しており、DDR2/DDR3のメモリコントローラを内蔵している。ただし、初回に登場した「X4 940 Black Edition」と1週間後に店頭に並んだ「X4 920」は、ともにSocket AM2+タイプでDDR2メモリのみに対応する。それぞれの価格は3万円前後と2万5000円前後で、比較的潤沢な数量の入荷があったが、発売後1週間以内に売り切れるショップが続出するなど、好調なスタートを切った。
対するインテルは、1月第3週に主力のクアッドコアCPU「Core 2 Quad」の価格改定を実施。最上位の「Q9650」が直前の5万円強から4万円以下になるなど全体的に大幅な値下げが行われ、各ショップの売れ筋CPUランキングの上位を占めるほどの支持を集めている。ちなみに、1月中旬に複数のPCパーツショップで調査したクアッドコアCPUの人気分布は、Core 2 QuadとCore i7とPhenom IIで、5.5対1対3.5という回答が平均だった。
この値下げに対抗してか、AMDは登場したばかりのPhenom II両モデルの価格改定を実施。X4 940 Black Editionが2万4000円前後、X4 920が2万円前後となった。登場から2週間(X920は1週間)での価格改定には、「初回に購入したユーザーがかわいそう」(TSUKUMO eX.)との声が多く上がったが、AMDは1月23日以前にPhenom IIを購入したユーザーを対象に非売のAMD特製ケースを抽選でプレゼントするキャンペーンを実施してフォローしている。
なお、2月以降の新製品情報も各方面から流れてきている。ASUSTeKは1月末に投入したAMD系マザー「M4A79 Deluxe」「M4A78 PRO」で、Socket AM3型CPUへの対応をうたっている。対象リストにはAM3版Phenom IIに加え、未発表の「Athlon X4/X3/X2」の名称も見られた。インテル系では、Core 2 Quadの価格改定自体が新モデル投入の布石を推測するショップが多い。某ショップは「本来は価格改定と同時に新モデルを投入する予定だったようです。しかし、生産が遅れたので既存モデルの値下げだけ先行させたのでしょう。新モデルは2月の早い時期に登場すると予想されています」と語っていた。
1月9日、NVIDIAの最上位グラフィックスチップ「GeForce GTX 295」を搭載したカードが複数のメーカーから登場した。しかし、入荷数が少ないこともあって、発売当日から売り切るショップが多かった。価格は5万円弱から6万円前後。
GeForce GTX 295は、コアクロック576MHzのGPUを2個組み合わせたモデルで、メモリはGDDR3を896Mバイト×2個搭載する。同カードを2枚組み合わせるとQuad SLIが構築できる。初日に入荷分を売り切ったパソコンショップ・アークは「最上位GPUを狙うユーザーが朝イチで買っていきました。その後は落ち着くと思いましたが、1月末でも入荷したら即売り切れるという状況が続いていますね」と語る。数度の再入荷を経た1月末時点でも入手困難な状況が続いているのだ。
GTX 295発売から一週間後、シングルコアで最強の性能を持つ「GeForce GTX 285」を搭載したグラフィックスカードも一斉発売となった。こちらは初回から潤沢な数量が入荷している。価格は4万円弱から5万円前後。コアクロックは648MHzで、1GバイトのGDDR3メモリは2.484GHzで動作する。最大で3枚挿しによる3way SLIが構築可能だ。
ただし、GTX 295に比べると出足はいまひとつの様子。T-ZONE.PC DIY SHOPは「グラフィックスカードは、これまでシングルGPUで最強のモデルが持ち上げられる風潮がありましたが、今回はGTX 295が“最強”として認識されているみたいです。発熱が相当高いですが、性能は確かです」と語る。
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