OSの各種動作時間 | タイプVS | タイプVC | |
---|---|---|---|
Windows XP | 起動 (ようこそ画面まで) |
26.5秒 | 21.4秒 |
起動 (タスクトレイが表示され、 砂時計ポインタから 通常のポインタになるまで) |
33.2秒 | 30.8秒 | |
休止状態への移行 | 19.2秒 | 16.7秒 | |
休止状態からの復帰 | 19.5秒 | 17.6秒 | |
スタンバイへ移行 | 4.3秒 | 3.5秒 | |
スタンバイからの復帰 | 4.5秒 | 4.8秒 | |
シャットダウン | 10.9秒 | 22.7秒 | |
Windows Vista | 起動 (ようこそ画面まで) |
42.5秒 | 42.4秒 |
起動 (タスクトレイが表示され、 砂時計ポインタから 通常のポインタになるまで) |
51.3秒 | 47.9秒 | |
休止状態への移行 | 32.3秒 | 27.9秒 | |
休止状態からの復帰 | 30.1秒 | 32.6秒 | |
スタンバイへ移行 | 3.1秒 | 4.3秒 | |
スタンバイからの復帰 | 2.6秒 | 2.5秒 | |
シャットダウン | 13.7秒 | 8.9秒 | |
実作業においては、Core 2 Duo SU9400を搭載し、メインメモリ容量も余裕がある(オンボード実装の1Gバイトメモリに加え、SO-DIMMスロットを1基搭載。最大3GバイトのDDR3 SDRAMを搭載できる)タイプVCの方がアプリケーションの起動や大きめのサイズのファイルを開く場合なども含めて、おおむね快適だ。タイプVCはWindows Vistaで使用する場合もインターネットやオフィスアプリケーションの利用以外に、資料作成などに用いる適度な画像加工なども処理待ちで不満を感じることは少ない。また、外部ディスプレイ出力(アナログRGB)端子を備えるので、プロジェクターに接続して会議を行うシーンにも適用する。
一方、タイプVSはAtomプラットフォームでメインメモリも1Gバイト固定のため、パフォーマンスはAtom Z系CPUを採用するNetbookやミニノートPCと似た傾向となる。Windows XP使用時はインターネットやオフィスアプリケーションの利用はほどよく普通にこなすが、大量かつ高解像度の写真データや動画データの取り扱いといった、負荷のかかる処理が求められる作業はやはり少々不向きであり、かつWindows Vistaで使用するとそれ以外でも多少のもたつきを感じる場合が増える。また、外部ディスプレイ端子を備えないので、外部ディスプレイに接続して画面を広く使いたい場合や、会議などでプロジェクターに接続してプレゼンテーションするシーンにはあまり向かない。これを実現するには、USB接続のディスプレイアダプタなどが別途必要となる。
とはいえ、タイプVSのディスプレイ解像度は1280×800ドットとタイプVCと同じであり、単体で使用する場合においてはNetbookで感じる画面の窮屈さはない。解像度が低いためNetbookの導入をとどまる個人ユーザーにとっても、この点は大きなポイントになるだろう。ただ、グレアパネルなので、自分の顔や天井の蛍光灯などは写り込む。こちらを好ましく思わないユーザーも存在しそうだ。
キーボードやポインティングデバイスの操作性は、両者ともそれなりだ。それぞれ85キーのJIS配列で、主要キーの左右キーピッチはタイプVSが17ミリ、タイプVCは17.5ミリを確保する。タイプVSは「け」「む」「め」「ろ」といった端にあるキーも短縮されず、ほかのキーより一段下げられたカーソルキーや4つずつ区切られたファンクションキー、ちょうど中央に配置する幅50ミリのスペースキーとともに、小型PCのキーボードにまれにあるような特別配置にはなっていない。キーボードの中央が浮き上がらない工夫とともに、“パチパチ”と小気味よく入力できる。19ミリ標準ピッチのキーボードを使用するユーザーが使うと当初は小さいと感じると思うが、こちらはすぐ慣れるであろう範囲にとどまっている。
ベンチマークテスト | タイプVS(XP/Vista) | タイプVC(XP/Vista) | |
---|---|---|---|
PCMark05 | PC Mark | 1823/1734 | 3707/3678 |
CPU | 1699/1609 | 3769/3613 | |
Memory | 2476/2469 | 3590/3335 | |
Graphics | 319/280 | 1145/1372 | |
HDD | 16172/17042 | 9951/9172 | |
CrystalMark 2004R3 (Windows XP) |
Mark | 40190 | 57281 |
ALU | 6807 | 13900 | |
FPU | 5451 | 14832 | |
MEM | 4052 | 9808 | |
HDD | 20114 | 11320 | |
GDI | 2515 | 3724 | |
D2D | 886 | 2590 | |
OGL | 365 | 1107 | |
タイプVSのインプットデバイスは3ボタン型のスティックポインタだ。中央のボタンは押すとスクロール操作モードになる(押しながらスティックを操作する)、レノボジャパン「ThinkPad」シリーズのトラックポイントやソニー「VAIO type P」に備わるスティック型ポインタと似たものだ。スティックポインタかトラックポインタ、好みはそれぞれ分かれるとも思うが、一般的なトラックパッドを備えるタイプVSの操作性と比べても、カーソルやスクロール操作において困ることはほぼない。逆に、スティックポインタは立ったまま、あるいはPCをヒザに置いて使用する場合も、大きな腕の動作なしに指先だけで扱えるメリットがある。
通信機能は、両者とも有線LAN(1000BASE-T)と無線LAN(タイプVCはオプション設定)を備える。タイプVCの無線LANはIEEE80211a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠/プラス2000円)に対応するのに対し、タイプVSはIEEE80211b/gのみとなり、オプション設定も用意されない。もっとも、屋外の公衆無線LANによる利用シーンを想定すると現状はIEEE80211b/gのみでほぼ十分といえ、3GないしPHS、モバイルWiMAXなどのモバイルデータ通信サービスを利用するならUSBポートがあればこと足りる(別途、3G/モバイルWiMAXモジュール内蔵モデルの登場も期待したい)。ただし、タイプVCはPCカードスロットも備えるので、例えば“会社で支給されるデータ通信端末がPCカードないしCF型端末である”ユーザーは悩ましい選択になるかもしれない。
タイプVSのベンチマークテストは、SSD搭載によりストレージ系のスコアがやはり高く、総合スコアそのものはAtom Z540とSSDを内蔵するVAIO type P/VGN-P90HSと似た傾向を示した。
特にSSDの転送速度は連続リードが106Mバイト/秒、連続ライトが117.8Mバイト/秒(CrystalDiskMark 2.2で計測)と、なかなか優れた値だ。起動時間やスタンバイへの移行時間の実測値はタイプVCと大きく変わらず、SSDにより「劇的に高速だ」と実感できるシーンはそれほどないかもしれないが、対振動や対衝撃性、低発熱、静音性、軽量であるところは大きなポイントになろう。移動中の使用やディスプレイを閉じてすぐ移動するようなシーンでもHDDより問題が生じにくいメリットは、モバイルでの利用を主に想定するユーザーは特に喜ばしいと思われる。
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