レノボ・大和事業所エンジニアが説く、WiMAX内蔵ThinkPadの可能性普及のカギは“PC内蔵”(2/3 ページ)

» 2009年07月29日 14時46分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

外付けより「内蔵」、アンテナ性能を高めるメーカー独自の工夫

 レノボ・ジャパンのモバイルWiMAX内蔵“1号機”となる「ThinkPad T400s WiMAX内蔵モデル」は、インテルのモバイルWiMAX+無線LANコンボモジュール「WiMAX/WiFi Link 5010」(Half Mini Card型)を内蔵し、アンテナ性能を高めるためのボディ素材や機構、煩雑な設定なしにネットワークにアクセスできる機能を盛り込んだ。6種類のワイヤレス通信規格(無線LAN、モバイルWiMAX、Bluetooth、UWB、ワイヤレスWAN/3G、GPS)をサポートするため、7つのアンテナをボディに内蔵する。

photophoto 6種類のワイヤレス通信規格をサポートし、計7つのアンテナを内蔵する(3G内蔵モデルは国内では未発売)

 もう1つの「カギ」は、通信に特化したこの設計にある。

 アンテナを内蔵する天板(ディスプレイカバー)は、軽く薄く、強度のある炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とアンテナ特性に影響を及ぼさない非伝導性のガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を使用したハイブリッド構造を採用した。

 さらに、ディスプレイ上部に2つのアンテナ(メイン/aux)を内蔵し、混合することで、無線信号の放射時に電界強度の強い部分がきれいに分布し、結果としてアンテナゲインが強くなるよう設計されている。既存のUSB接続型モバイルWiMAX端末と比較し、グローバルゲインの値は3.5dbほど良好となるという。

photophotophoto 天板は軽く薄いCFRPと非伝導性のGFRPのハイブリッド構造。アンテナ部分に用いるGFRPは、アンテナ特性に影響を及ぼさない(左)。ThinkPad T400sのWiMAXアンテナ電界強度分布(中)と2つ(メイン、aux)のアンテナによる3Dミックスゲインパターン(右)。分布が赤色に近く(ゲインが強く)、球状であることがよい特性であることを示す

 「片側のアンテナゲインを見ると、ディスプレイの外側方向は良好だが、内側方向は液晶ディスプレイが悪い影響を及ぼし、ゲインが若干落ちている。そこで、2つのアンテナを同時に使い、混合することで、ゲイン放射パターンが良好となるよう調整した。WiMAX内蔵モデルは外付け機器と比べて、外的要因による破損の心配が少なく、利便性がよいメリット以外に、アンテナ特性に関しても大きな優位性があると考えている」(藤井氏)

 なお、2009年7月現在、UQ WiMAXの公開サービスエリアではぎりぎり“圏外”の位置にあるという同社大和研究所で圏外表示されたUSB接続型端末に対し、ThinkPad T400sのWiMAX内蔵モデルは正常に基地局へ接続でき、1.5M〜2.1Mbpsの実測値を示したという。このように、アンテナ性能の高さは、サービスエリアの拡充期であり、サービスエリアがまだ一部に限られる2009年現在のモバイルWiMAXにおいては「利用できるか否か」の範囲も広げられる可能性もあるようだ。

photophotophoto USB接続型は、アンテナの周りにきれいに電界強度の高い部分が分布し、正面方向は強い放射パターンを示すが、背面(後方)は液晶ディスプレイの影響でゲインがかなり落ちてしまうという。サービスエリアぎりぎりの場所では、「そもそも接続できるか否か」の差も出るという

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