キーボードは、このクラスのミニノートPCとしてはかなりしっかりした作りとなっており、主要キーのサイズも実測で15(横)×13(縦)ミリと大きめに確保されている。一方、右端付近ではかなり多くのキーが11(横)ミリと小さくなっており、「*」キーなどの位置も変則的だ。そのため、ホームポジションの位置も右(ボディ中央付近)にずれており、慣れるまでは少々違和感がある。ストロークは深めでしっかりしたタッチ感だが、強めにタイプすると若干ながらキーボードユニット全体がたわむ感触がある。
ボディは横幅があるため、両手で本体を抱えて左右の親指でキー入力する場合、中央付近のキーに指が届きにくいが、一般的な成人男性の手ならば、このスタイルでの利用も可能だろう。なお、付属ユーティリティソフトの「Viliv Manager」では、CtrlキーとFnキーの位置を入れ替えることができる。このあたりの芸の細かさは、過去に完成度の高いミニPCを投入してきたVilivシリーズらしく、さすがだ。
ポインティングデバイスは、2ボタン式のタッチパッドをキーボードの右奥に搭載している。これにより、ボディサイズを小型化しつつ、本体を両手で持つ場合に、タッチパッドを右手だけで無理なく操作できるようにしている。
タッチパッドはシナプティクスの多機能ドライバが導入済みで、パッドの右辺/左辺を使った上下/左右スクロールが標準で行える。変則的な配置のため、慣れるまでには時間がかかりそうだが、タッチパッドのサイズは実測で41(横)×18.5(縦)ミリながらも滑りのよい素材が使われており、操作性はそれほど悪くない。
ただし、タッチパッドの左右に配置されたボタンは固く、ストロークも浅いため、クリック感はあまりよくない。カチカチと少々大きめな音がするのも気になった。基本的にはキーボードショートカットをマスターし、机上ではキーボードでほとんどの操作をまかなうのがViliv S7のスマートな使い方といえそうだ。もしくは、モバイルマウスを使うのもいいかもしれない。
液晶ディスプレイは中央のヒンジ部分で180度回転でき、反転させて折りたためばピュアタブレットスタイルとなる。液晶のサイズは7型ワイド、画面解像度は1024×600ドットだ。これはViliv X70と共通であり、視認性は良好だ。表面は光沢仕上げのため、それなりの映り込みはある。輝度は十分な明るさがある一方、視野角はかなり狭い印象だ。
表面はタッチスクリーンとなっており、指やペンなどで直接画面に触れて操作できるが、Viliv S7専用のスタイラスペンなどは付属しないので、自分で用意する必要がある。アイコンやボタンのサイズは標準で大きめにカスタマイズされており、指で操作する場合もそれほど困ることはないが、オプションとしても用意されず、ボディにスタイラスペンを収納できるような構造にもなっていないのは少々残念だ。
また、Viliv S5/X70と同様にソフトウェアキーボードも装備する。S5やX70と違ってバイブレーション機能は搭載していないが、キーサイズは実測で9(横)×8(縦)ミリとX70よりも大きく、タッチ操作でも打ちやすくなっている。また、液晶ベゼルの右側には、スタートメニューを起動する「MENU」ボタンと、押すたびに画面を90度回転させる「PIVOT」ボタンが用意されている。これにより、縦位置での利用も容易だ。
なお、起動時には「Shuffle UI」というグラフィカルな独自ランチャーが立ち上がるが、通常のノートPCのスタイルで利用できるViliv S7では、見た目以外に特にアドバンテージが感じられない。ピュアタブレットのスタイルで利用する場合には使ってみてもいいだろう。
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