Google参入「ウェルカム」──「一太郎+ATOK 2010」の“日本語表現力”はどこにも負けない今後、iPhone版/Android版も(2/3 ページ)

» 2009年12月08日 21時12分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

「ただしイケメンに限る」の意味、外部Web連携で表示

 このほか、

  • 変換辞書の新語・用例の拡充
  • カタカナ語の誤入力を修正する支援機能
  • 重ね言葉を指摘する校正支援機能
  • 英語推測入力の精度を向上させた英語入力支援機能
  • 電子辞書プラグインの利便性向上
  • 日本語文章を全8カ国語に翻訳できる「8カ国語Web翻訳変換」(プレミアム版に同梱)

 などの機能を刷新した。変換辞書は「歴女」や「タジン鍋」といった新語やトレンド用語のほか、基本的な語彙能力の底上げを目的に、高校教科書レベルの語彙や情報処理関連の語彙や用例の拡充にも注力した。

photophotophoto 新語や流行語の語彙拡充はもちろん、外部サイトと連携した単語検索もよりスムーズに行える。ATOK 2010プレミアム版(1万2000円)にはWeb連携型(クロスランゲージの翻訳サーバを利用)の外国語翻訳(英語、中国語、韓国後、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語)機能を追加する「8カ国語Web翻訳変換」のほか、四季報、国語・英和・和英辞典、英英辞典の各種辞書機能も付属する
photo 今後、iPhoneやAndroid、Google Chrome対応版ATOKを投入予定。さらに、あらゆるプラットフォーム上でローカル/Webに関係なく利用できる「いつでもどこでもATOK」の具現化を推進する。投入時期は2009年12月現在、未定。「みなさまが想像されるより早い段階で紹介できると思う」(ジャストシステム)

 なお、2009年12月に公開されたGoogleの無料日本語入力システム「Google日本語入力(ベータ)」について同社は、心のうちはかなりの脅威と認識していると思われるが、歓迎の姿勢を示す。

 「参入はウェルカム。ATOKが現時点で競争相手にしているのは、マイクロソフトやアップルのOSに標準で備える無償ソフト。Googleも無償ということで、商的には同じと考えている。逆にGoogleのような新たな取り組みを展開する会社が日本語入力の分野に参入することは、それだけ注目が集まることを示す。開発陣も今後、熱意を持って(これ以上のものを──、よりよいものを──と)取り組むことができると思う」(ジャストシステム コンシューマ事業部の佐藤洋之氏)

 このことがあったためか、今回の発表会では配布資料に用意されなかった「ATOKの今後の方向性」を示す説明も行われた。まず近いうちに、

  • iPhone対応「ATOK for iPhone」
  • Android対応「ATOK for Android」
  • Chrome OS対応「ATOK for Google Chrome」
  • 業務向けの用語統制を軸にした法人向け「ATOK for Enterprise」

 の開発、投入を行う。

 そして、クラウドをベースとしたさらなる高度な入力ソリューションやさらにリッチなインターネットアプリケーションとしての「Web利用を前提/Webだけで完結するATOK」を経て、携帯電話や携帯ゲーム機なども含めたあらゆるプラットフォーム上でローカル/Webに関係なく利用する「いつでもどこでもATOK」を目指す。

 iPhone版、Android版などの投入時期は2009年12月現在は未定だが「みなさまが想像されるより早い段階で発表できると思う」(佐藤氏)という。iPhoneは例えば、アドレス帳に登録した文字列を入力時の学習単語として活用する例もあるが「展開方法や仕組みは残念ながらまだ言えない。ただ、アプリとするならばよくある有料iPhoneアプリの範囲内に収まる程度の価格でなければとは考えており、標準のものより“さすがATOK”と思ってもらえるの変換精度や使い勝手も必要。期待してほしい」(ジャストシステム)。

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