背面スピーカーの“謎” 「Speaker System Z520」(1/2 ページ)

» 2009年12月22日 15時35分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 年末休暇が近くなると、なぜか自宅のPC環境を見直したくなる。ボーナスで懐が暖まり、休暇でまとまった時間がとれるからだと思われるが、懐具合は景気動向に左右されるため、今年は少し地味に“音”を改善することにした。今にして思えば、これが謎の始まりだった。

photo ロジクールの「Speaker System Z520」

 自宅には中古オフィス家具屋で購入したL字デスクを導入しているので、個人のPCデスクとしては広いほうだ。それでもCRTの時代と違って液晶ディスプレイが中心になると、スピーカーも奥行きのあるものは置けない。オーディオ用のブックシェルフをあきらめ、もちはもち屋という言葉通り、PC周辺機器として販売されているアクティブスピーカーを選ぶことにした。ロジクールの「Speaker System Z520」という製品だ。

 Z520は、サブウーファーなどは付属しないシンプルなステレオシステムで、高音域用と中低音域用の2つのドライバーユニットを搭載した2Wayタイプ。内蔵アンプは総合26ワットと、パワーは十分だ。実売価格は1万円を切っているが、定価では1万2800円になっている。

 これまでの経験からいうと、PC用スピーカーは1万円以上になると音がぐっと良くなり、それ以上は音質向上が鈍る代わりに付加価値が増す傾向にある。だから音質だけにフォーカスすると、このクラスはコストパフォーマンスが高い。ちなみに同価格帯で2.1チャンネルシステムを選択することもできるが、今回はサブウーファーの置き場所に困りそうだったので2チャンネルをチョイスした。

photophoto 電源ボタンはない。前面のつまみを右に回すとカチッと音がして電源オン。そのまま回すとボリュームが上がるという、昔ながらの操作感。ボリュームの重さもちょうどいい感じだ(左)。左右のスピーカーを接続する専用ケーブルはけっこう太い。安いスピーカーでは、つい引っ張って断線してしまうことが多いため、がっちりとしたケーブルはありがたい(右)
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 実際に設置してみると、音の変化が予想以上で驚いた。これまでも同メーカーの低価格モデルを使用していたのだが、音の解像度が上がり、1つ1つの楽器の音をしっかり描き分けてくれるようになった。サブウーファー付きのモデルに比べれば低域が細くなるのは否めないが、不足は感じない。スペック的にも70Hzまで出るという。

 一方の中高域は文句なし。最初は女性ボーカルが前に出てこない印象もあったが、イコライザーをちょっといじるとオーディオ用スピーカーに迫る印象で再生してくれるようになった。感覚的には、価格帯が1クラス上のスピーカーのようだ。

 最近では、PC用のアクティブスピーカーを薄型テレビの音を改善するために利用するケースも多いという。確かに20V型〜32V型あたりのテレビとはサイズ的にぴったり(とくに奥行き)。ローコストかつ手軽なアップグレード手段になるだろう。メーカー側も薄型テレビのような新しい用途を意識しているようで、例えばZ520では金属製のグリルを外すと光沢ブラックのキャビネットが現れる。明らかに、テレビのデザイントレンドを意識したものだ。

photophoto 光沢ブラックのキャビネット(左)。側面にはイヤフォンジャックのほかにステレオミニジャックの入力端子を装備(右)

 また、スピーカーの片側にはイヤフォンジャックのほかにステレオミニジャックの入力端子を備えていて、iPodなどのポータブルオーディオ機器を手軽に接続できる。側面のミニジャックにポータブルオーディオをつなぐと自動的に入力が切り替わる手軽さが魅力だ。もちろんドックタイプのiPodオーディオなどに比べれば機能的に劣るが、接続機器を選ばない柔軟性も捨てがたい。

 さて、おおむね満足して使用していたZ520だが、1つだけ気になっていた部分がある。

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