オンキヨーから、コンパクトなNetbookに地上デジタルテレビチューナー、またはFM/AMラジオチューナーを内蔵した「ONKYO C4シリーズ」が登場した。インターネット“プラスアルファ”の機能をまとめて入手したいと思う比較的ライトなユーザー層に訴求する製品として展開する。
Netbookというと、必要最小限のスペックに持ち運びやすい軽量ボディを備え、いつでもどこでもPCを取り出して作業したい層、あるいはできるだけ安価にPCを導入したいと考える人にニーズのあるカテゴリだ。仕様がやや限られる分、Webサイトやメール、Twitter、SNSやブログといった、情報収集やコミュニケーション系機能のために用いるシーンが向いている。
C4シリーズは「C411A5」「C411A6」の2モデルがあり、末尾が「6」のモデルは地上デジタルテレビチューナーを、同じく「5」のモデルはFM/AMラジオチューナーを“内蔵”する。今回はこの2モデルを同時に検証していこう。
ボディは薄く小さく、ほどほど軽量だ。どちらのモデルも外観デザインはまったく一緒で、ボディサイズは258(幅)×186(奥行き)×23(高さ)ミリ、重量は約1.1キロとなる。光沢感のある上質なホワイトの天面に加え、デザインは全体的にシンプルかつプレーンな印象。過度に主張する部分がないため、誰が所有しても違和感はなさそうだ。
PCとしての仕様は、1024×600ドット表示に対応する10.1型ワイドの液晶ディスプレイ(表面は光沢仕上げ)を備え、Intel NM10 ExpressチップセットとAtom N450(1.66GHz/2次キャッシュ512Kバイト、TDP 5.5ワット)の組み合わせに、1Gバイトのメインメモリ(DDR2-667)、250GバイトのHDD、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、100BASE-TX対応の有線LAN、マルチメモリカードスロットなどを内蔵する。プリインストールOSは32ビット版Windows 7 Starterとなる。
ベンチマークテスト | ONKYO C4 C411A5/C411A6 | |
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Windowsエクスペリエンスインデックス | プロセッサ | 2.4 |
メモリ | 4.5 | |
グラフィックス | 3.0 | |
ゲーム用グラフィックス | 3.0 | |
プライマリハードディスク | 5.8 | |
PCMark05 | PC Mark | 1381 |
CPU | 1492 | |
Memory | 2521 | |
Graphics | 434 | |
HDD | 4285 | |
3DMark06 (1280×1024ドット) |
3DMarks | 148 |
SM2.0 | 68 | |
HDR/SM3.0 | - | |
CPU Score | 492 | |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 |
Low | 1134 |
High | 838 | |
PCMark Vantage | PCMarks | 1147 |
Memories Suite | 431 | |
TV and Movies Suites | - | |
Gaming Suites | 578 | |
Music Suites | 1646 | |
Communication Suites | 1060 | |
Productivity Suites | 1026 | |
HDD Test Suites | 2618 | |
バッテリー動作時間 |
省電力モード(95%まで) | 約221分(約3時間41分) |
ハイパフォーマンスモード | 約177分(約2時間57分) | |
地デジ録画番組再生+液晶輝度最大 | 約113分(約1時間53分) | |
さて、仕様としてもベンチマークテストの結果を見ても特に目新しい部分はなく、いわゆるNetbookのそれに準じているといえる。グラフィックス機能はAtom N450に内蔵するIntel GMA 3150を利用し、パフォーマンスもAtom N450採用の他社Netbookと大きく変わらない。
バッテリー動作時間(BBench 1.01/海人氏作 IEEE802.11g接続+60秒間隔で10サイトのWeb巡回+10秒間隔でのキーストロークで計測)は、省電力モード時で約3時間41分、ハイパフォーマンスモード時で3時間弱となり、(C411A6の場合)録画した地デジ番組は連続2時間弱再生できた。Webサイトの閲覧やメールの利用、TwitterやブログといったWebサービスの利用から、録画した番組を通勤/通学中に再生するといった用途が中心ならまずまずという結果だろうか。
一方、Webベースのカジュアルゲームも含めて、“それ以上の用途”で利用するとなると、ユーザーによっては動作の鈍さや画面の狭さを感じることが増えるかもしれない。画面解像度についてはアナログRGB出力端子を用いて別途高解像度の外部ディスプレイを使用する手段もあるが、処理能力を要する3Dゲームや動画編集、エンコードなどの用途にはやはり適していない。また、プリインストールOSがWindows 7 Starterのため、Aeroの半透明表示やWindows Media Center、標準では壁紙が変更できない、デュアルディスプレイでのスパン表示に対応しないといった若干の機能制限があることも注意したい。
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