フットスイッチの活用でまず真っ先に思いつくのが、よく使うアプリケーションのショートカットキーを設定することだろう。Windows Media PlayerやiTunesなどのメディアプレーヤーでは、再生/一時停止、前後のトラック移動、ミュートなどが考えられる。録音した音声の原稿起こしではキーボードから手を離さずに再生/一時停止/巻き戻しなどができるため、特に重宝するのではないだろうか。また、PCのキーボード自体を使わなくても、楽器の耳コピを行う場合やノートに転記する場合などにも有効だ。
また、FPSに代表されるゲームタイトルやレタッチソフトなどのアプリケーションの中には、とにかく利用キー数が多いものもある。さらに大体においてマウスを併用する場合が多く、効率化や素早い反応のためには使えるものならば足でも使いたい、というユーザーもいるはずだ。右手はマウス上をホームポジションとし、左手で押しにくいキーをフットスイッチに割り当てるという方法は検討に値する。
そのほか、いわゆる常駐ソフトと呼ばれるアプリケーションにも利用できる。常駐ソフトにはシステムトレイにアイコン表示され、アクティブな状態でなくても操作を行うことができるものが多いが、ほかのアプリケーションの操作を妨げないよう、3キー同時押しなどのホットキーが割り当てられていることが多い。だが、Ctrl+ALT+F10などはタッチタイピングでさっと押すのは難しい。フットスイッチ一発でのキャプチャはなかなか心地よい操作感だ。
インターネットブラウザでも利用できる局面はある。WEBコミックビューワーではカーソル左で次のページ、カーソル右で前のページが表示されるものが多い。そこで、カーソル左右とALT+F4を割り当てればページめくり、ページ戻し、読了後のウィンドウを閉じるまで足だけで操作可能だ。
前述した活用術1の欠点は、ターゲットとしたアプリ以外を使用する場合にはまったくと言っていいほど役に立たなくなる点だ。そこで今度は幅広く利用可能な方法について考えてみよう。まずはWindowsがサポートするショートカットキーの活用だ。
Windowsのショートカットキーは特定のウィンドウがアクティブになっていなくても常に有効になっているものや、さまざまなアプリケーションで同じショートカットキーが使えるものも多い。特にWindowsキーを併用するものは利用価値が高いが、Windowsキーのないキーボードを使っていても、フットスイッチに割り当てることで代用できる。
例えば、Windows+Lによる画面のロックは離席時のセキュリティ対策としても効果が高いし、101英語キーボード愛用者にとってはWindows+Rによる「ファイル名を指定して実行」がマウス操作なしでできるのはうれしい。そのほか、Windows+Dの「デスクトップを表示」をボスキー(パニックキー)として割り当てておくのも「隠したという事実がばれても何を隠したかが分かるよりはまし」という状況での緊急待避としては有効かもしれない。なお、とっさのときに頭で判断するのは難しいので、老婆心ながら“日ごろの訓練”が重要だと申し添えておく。
さらに汎用的な利用例としてはスペース、タブ、エンターキーを割り当てるのも挙げられる。ウェブブラウジング時にはスペースで1画面分スクロール、タブでリンク選択、エンターキーでジャンプができる。
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