アイ・オー・データ機器は6月2日、業界初(2010年5月現在、同社調べ)とするフルHD/15倍録画対応のデジタルTVキャプチャーカード2モデルを発表。2010年6月中旬に発売する。
ラインアップはデジタル3波(地上・BS・110度CS)チューナーとハードウェアトランスコードチップを2つ搭載する上位モデル「GV-MVP/XSW」とシングルチューナー/チップ仕様の「GV-MVP/XS」の2つ。価格はGV-MVP/XSWが2万1000円、GV-MVP/XSが1万5700円となる。
大きな特徴は、リアルタイムにMPEG-4 AVC/H.264形式で録画するハードウェアトランスコードチップを搭載し、デジタル放送の解像度をそのままに最大15倍まで圧縮して保存できる点だ。既存のPC向けデジタルTVチューナー製品の一部に備わる、“解像度をハーフD1ほどのサイズに縮小”して長時間録画とする機能と比べ、一目で画質の差が分かるほどのクオリティを実現するという。トランスコードチップには、富士通セミコンダクタ「MB86H58」を採用した。

3波対応Wチューナー+Wトランスコード対応の「GV-MVP/XSW」。カード上にハードウェアトランスコードチップ「MB86H58」を2つ実装し、B-CASカードスロットはカードの内側。アンテナ入力端子はBS・110度CSアンテナ電源供給対応端子を含めて2つ搭載する
3波対応シングルチューナー+シングルトランスコード対応の「GV-MVP/XS」。GV-MVP/XSWと比べ、カードの奥行きは半分ほどとなる。こちらは願わくば、スリムケース仕様のメーカー製PC利用者などにも導入できるよう、ロープロファイル仕様としてほしかった(mini B-CASカード仕様とすると、現時点では地上デジタル放送しか対応できないジレンマもあるが)録画モードは、標準(放送波をそのまま記録する)「DRモード(MPEG-2 TS)」から、2倍(MPEG-4 AVC/H.264)、3倍、5倍、10倍、12倍、15倍(HR15)まで、全15種類。解像度を縮小し、Netbookなどでも容易に再生できるようにする低負荷SD録画モードも備える(SD録画モードは最大24倍録画)。
| 録画モード | 解像度 | フォーマット | ビットレート | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| DR | 1920×1080 1440×1080 1280×720 720×480 ※放送解像度に依存 |
MPEG-2 TS | 24Mbps(BSデジタルなど)/17Mbps(地上デジタル) | 一般放送画質 |
| HR2 | MPEG-4 AVC/H.264 | 12Mbps | 2倍録画 | |
| HR3 | 8Mbps | 3倍録画 | ||
| HR5 | 4.8Mbps | 5倍録画 | ||
| HR7 | 3.4Mbps | 7倍録画 | ||
| HR10 | 2.4Mbps | 10倍録画 | ||
| HR12 | 2Mbps | 12倍録画 | ||
| HR15 | 1.6Mbps | 15倍録画 | ||
| SR4 | 720×480 | 6Mbps | SD4倍録画 | |
| SR8 | 3Mbps | SD8倍録画 | ||
| SR16 | 1.5Mbps | SD16倍録画 | ||
| SR24 | 1Mbps | SD24倍録画 | ||
| XP | MPEG-2 TS | 9.8Mbps | 高画質モード | |
| SP | 5.2Mbps | 標準モード | ||
| LP | 2.8Mbps | 長時間モード | ||
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.