「UL20FT」を徹底検証する――5万円台の“即戦力”モバイルノートPC新旧モデルをじっくり比較(2/4 ページ)

» 2010年08月18日 10時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

テレビとの接続に便利なHDMI出力を新たに装備

 通信機能もUL20Aと共通で、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを備える一方、有線LANはギガビットLAN(1000BASE-T)ではなく、100BASE-TXまでのサポートとなる。本体装備の端子類の内容、配置もほぼUL20Aと同じだが、HDMI出力が新たに加わっているのは大きい。これにより、写真や動画などをリビングの大画面テレビやHDMI付きのフルHD液晶ディスプレイなどに出力して楽しむという使い方も可能になった。

 3基のUSB 2.0をボディの左右に分けて配置し、アクセスする回数が多くなりがちなメモリカードスロット(SDHCメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード対応)を右側面の前方に、電源や有線LANなど長時間接続にしたままの状態が多いと想定される端子は右側面の後方にまとめるなど、使いやすいレイアウトだ。

前面に端子類はなく、底面にステレオスピーカーを内蔵する
背面はリチウムイオンバッテリーで占有され、端子類はない

左側面にHDMI出力、USB 2.0、ヘッドフォン、マイクの端子、排気口を備えている
右側面にはカードスロット(ダミーカード装着済み)、2基のUSB 2.0、アナログRGB出力、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ

 プリインストールOSには、64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用する。付属ソフトに関しては冒頭で述べた通り、Office Personal 2010の有無で2モデルが用意されているが、そのほかの内容は変わらない。オフィススイート以外では、ASUS独自のユーティリティソフト群などが付属する。

アルミニウム天板を採用したシンプルなボディ

 ボディのサイズは、296(幅)×210(奥行き)×25.1〜30.9(高さ)ミリ、重量は約1.56キロとなっている。実測での重量は1.532キロと公称の重量以下だった。先代のUL20Aのスペックを見ると、重量は同じ約1.56キロだが、サイズは296(幅)×210(奥行き)×12.1〜25.9(高さ)ミリとある。

 数値上では重量が同じなのに、ずいぶんと厚みの値が増しているが、実際のサイズは変わっていない。これはサイズの計測方法が変わったためだ。もともとUL20Aの厚さ12.1ミリというのは、ボディの端のみでしかなかった。このUL20FTも一番細い部分だけの厚みを計測するとやはり約12ミリだが、机の上などに置いた状態で接地面から浮いており、この厚さに実質的な意味はない。より実質的な計測の仕方になったというわけだ。

 デザインのイメージは従来のUL20Aと共通で、天面にはヘアライン加工したアルミニウムを採用し、スッキリと仕上げている。パームレスト部分にさりげなく細かなデザインパターンをあしらっているのも同様だが、光沢仕上げではなく、サラッとした感触の表面仕上げとなっている。手の脂や指紋が付着しにくく、ベトついた感触がないのは好印象だ。なかなかカッチリと組まれており、ボディの剛性感も問題ない。

 背面に搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は47ワットアワー(10.8ボルト 4400mAh)でUL20Aと変わらないが、バッテリーの駆動時間は約7.4時間から約6.1時間へと減っている(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。また、ACアダプタも実測サイズが44(幅)×107(奥行き)×30(高さ)ミリ、ケーブル込みの実測重量が278グラムと、ひと回り大きなものとなった。この辺りはプラットフォーム変更の影響が見られる。

細かなヘアライン加工が施されたアルミニウム製の天面は、低価格機とは思えない質感がある
パームレストには、遠くから見ると無地のような細かいデザインパターンが施されている
背面にリチウムイオンバッテリーを装着。付属のACアダプタは少し大型化した

1366×768ドット表示に対応した12.1型液晶を搭載

 液晶ディスプレイの仕様もUL20Aと共通だ。サイズは12.1型ワイド、画面の表示解像度は1366×768ドットに対応し、省電力で長寿命、かつ薄型化にも有利なLEDバックライトを採用している。購入日より30日間のZBDサービス保証(常時点灯ドットが存在した場合、無償でディスプレイを交換)が付いているのはうれしい。

 パネルの表面は光沢仕上げされており、発色がクッキリと鮮やかな一方で照明や太陽光は映り込みやすい。輝度は十分な高さがあるが、視野角は上下方向が狭い。このクラスのノートPCとしては、標準的な表示品質といえる。ヒンジの開く角度は約135度で、これもUL20Aと変わらず、ヒザの上など低い位置で使う場合も大きな問題はないだろう。液晶フレームの上部には30万画素のWebカメラとデジタルマイクを搭載する。

 底面の前面側にはAltec Lansing Technologiesのステレオスピーカーを内蔵している。高音質化技術の「SRS Premium Sound」に対応しており、これを有効にするとグッとサウンドの印象がよくなる。人の声の周波数帯を強調したり、空間音響情報を再現したり、重低音を感じさせる処理などを施しており、ムービーやドラマなどでは俳優のセリフが明瞭(めいりょう)に、車や電車の音なども臨場感豊かに再現される。

 SRS Premium Soundのユーティリティでは出力デバイス(ヘッドフォン、単体スピーカー、ノートPCスピーカー)とコンテンツ(音楽、映画、ゲーム)の種類が選択でき、カスタマイズも行なえる。エンターテインメントコンテンツを楽しみたいユーザーにとって、SRS Premium Soundへの対応はアドバンテージといっていいだろう。

1366×768ドット表示の12.1型ワイド液晶を搭載。映像視聴用などに、メリハリが効いた画質に設定できる「ASUS Splendid」機能も備える
液晶ディスプレイ部はLEDバックライトを採用していることもあり薄型だが、剛性は保たれている。ヒンジは135度程度まで開く
「SRS Premium Sound」のユーティリティ。同機能を有効にすると、コンテンツ再生時の臨場感がグッと向上する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー