小さくても“SUGOいっ”Mini-ITX対応PCケース──SilverStone「SST-SG07B-W」(2/2 ページ)

» 2010年09月09日 18時10分 公開
[長畑利博(撮影:矢野渉),ITmedia]
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静音性重視の大口径18センチ角ファン

 ケース内部へのアクセスは、背面の手回しネジを外してサイドカバーを後ろにずらすだけで済む。ケース内部で注目したいのが、天面部にある大型のファンだ。18センチ角という大口径ファンは、天面パネルの半分近い面積を占めるだけでなく、Mini-ITXマザーボードよりも大きい。

 また、ファンの厚みも通常のケースファンが2.5センチなのに対し3センチであるなど、風量が大きく、かつ、静音性能が高い。

 この大型ファンは風の直進性にも優れている。一般的なケースファンでは風が台形状に広がっていくのに対し、SST-SGO7B-Wのファンはファンガード部分の形状を工夫することで、風が拡散せず進んでいく。こうした構造をとることで、マザーボード全体を効率的に冷やすことができる。

本体後側の半分を覆うほどに大きい天面搭載のファン。「Penetrator」ファンと呼ばれる風の直進性が高いモデルを採用している。口径は18センチで厚みが3センチと風量に影響する羽根面積が大きい(写真=左)。一方、底面の前面側にもファンを取り付けており、こちらはドライベイに搭載したデバイスを冷却するのに利用する

 ケース内部には、天面ファンの取り付け金具をすべて外すことでアクセスできる。天面ファンを取り外すとその下にはちょうどマザーボード全体に手が届くスペースが空いていて作業がしやすい。多くのMini-ITX対応PCケースでは、CPUクーラーユニットを取り付ける回りにも余裕があるので、取り付け作業は容易だ。

サイドパネルを外してケース内部を左側面(写真=左)と右側面(写真=右)から見る。電源ユニットを前面側に配置しているので、マザーボードを設置するエリアに広い空間が確保される

 Mini-ITX対応PCケースの中には、電源ユニットの位置関係から、リテールのCPUクーラーユニット以外は取り付けられないものもある。しかし、SST-SG07B-Wは、高さ11.7センチまでという上限を守れば、静音性能が高い代わりに体積が大きくなりがちなサードパーティー製CPUクーラーユニットの取り付けも可能だ。同様に大型ヒートシンクを着けたメモリも組み込める。

 なお、本体天面の18センチ角ファンは、CPUに吹き付ける方向で取り付けてあるため、CPUクーラーユニットもそれに応じたトップフロー型のモデルを選んでおきたい。また、ストレージなどへの配線スペースは前もって考慮しておく必要がある。

天面のファンを外して上からマザーボードを見る。奥行きに余裕があるため、マザーボード部分に電源ユニットや光学ドライブなどが干渉せず作業性が高いのが分かる(筆者撮影)

ドライブベイの数は標準的

 本体前面寄りにまとまって配置されたドライブベイの構成は、最上部に光学ドライブ用の5インチオープンベイが1基、ストレージデバイス用のシャドウベイは、3.5インチ×1と2.5インチ×2だ。シャドウベイユニットは、サイドのネジを2本外して横にスライドすることで取り外せる。最上部の光学ドライブを外さなくてもアクセスできるので作業は簡単だ。

 3.5インチベイのHDDマウンタには防振ゴムが取り付けられており、振動による共鳴を防ぐ構造になっている。2.5インチベイはSSDを想定したものでベイユニットの底面に2個並べて設置できる。

 ただ、シャドウベイとケースファンの位置関係で2.5インチベイに風が当たりにくい。そのため、発熱が少ないモデルを使うのが望ましいだろう。なお、2.5インチドライブのコネクタは、本体のサイドパネル側に飛び出す構造になっている。ドライブベイとサイドパネルの間のスペースは余裕がないため、L字型のコネクタを採用したSerial ATAケーブルを用意しておきたい。

ドライブベイユニットには、本体部に3.5インチドライブを1基、底面に2.5インチドライブを2基取り付けられる(筆者撮影)

Mini-ITX対応PCケースに600ワットの電源ユニット!

 SST-SG07B-Wは、Mini-ITX対応PCケースとしては異例の「定格出力600ワット」という大容量電源ユニットを搭載する。せっかくハイエンドグラフィックスカードが組み込めても、電源容量が足りなければ意味がない。ただの大容量モデルではなく、エネルギーロスが少なく発熱も少ない「80PLUS Bronze認証」を取得したモデルを採用しているのもコンパクトなMini-ITX対応PCケースの特殊事情を考慮した結果だ。

 吸気は本体底面、排気は本体サイドから行う構造で、電源ユニットのエアフローがほぼ独立している。このおかげで、電源ユニットで発生した熱がPCケース内部に与える影響は少ない。電源ユニットに内蔵するファンがこのクラスのケースとしては大きい12センチ角なのでファンノイズも少ない。

 SST-SG07B-Wで使える電源コネクタは、PCI Express外部電源用として6+2ピンが2組。これはハイエンドグラフィックスカードで必要になる。このほか、Serial ATA×3、ペリフェラル(4ピン)×1、FDD×1と標準的だ。CPUへの12ボルト供給は、4ピン×2でEPS12V対応マザーも使用可能だ。なお、+12ボルト出力は1系統にまとめられており、出力値は46アンペアとなる。

 実際に大型のグラフィックスカードを取り付けてみたが、苦労すると思ったPCI Express外部電源ケーブルの取り回しにおいて、グラフィックスカード側のコネクタがカード横向きに出る形状でも余裕をで取り付けが可能だった。奥行きも余裕があるため、後部にコネクタが付いたタイプでも対応可能だろう。

 なお、SST-SG07B-Wのサイドパネルには、グラフィックスカードのクーラーファンに合わせて位置を自由に選べるダクトが取り付けられる。ファンとサイドパネル部分の密閉度を高めることで、外気を効率的に取り込む工夫だ。

グラフィックスカードを取り付けて右側面から見る(写真=左。筆者撮影)。サイドパネルにはグラフィックスカードのクーラーファンの位置にあわせて場所を調整できるダクトが取り付けられる(写真=右)

ハイエンドだけどコンパクトPCを自作したいならベストな選択

 Mini-ITXフォームファクタでPCを自作するとなると、Atom系のローエンド構成という前提になりがちだが、SST-SG07B-Wならハイエンド構成が可能になる。また、このクラスのPCケースとしては静音性も優れている。コンパクトだけどハイエンドなPCを求めているユーザーには、有力なモデルといえるだろう。

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