マザーボードに諸々の機能がオンボードで実装されるようになり、場所を取らないコンパクトなMini-ITXフォームファクタPCの人気が増している。しかし、マザーボードは機能的に納得できるモデルが多いのに、PCケースは電源容量や静音性能などの面で欲しいモデルがなかなか見つからない……と困っている自作PCユーザーに、今回紹介する「SST-SG07B-W」は特に勧めたい製品だ。
SilverStoneというと、PCゲーマー向けなどの“ごつい”PCケースで知られるメーカーだが、「SST-SG07B-W」は、そういうゲーミングPC向けモデルで蓄積したノウハウを取り入れつつ、コンパクトな方向に進化させたMini-ITX対応PCケースとなっている。そのことを示す典型的な仕様が、奥行き310ミリという大型グラフィックスカードの取り付けが可能になっている点だ。消費電力が大きいハイエンドグラフィックスカードの組み込みを想定しているだけあって、電源ユニットもこのクラスのPCケースとしては“破格の”600ワット級を搭載する。
「SST-SG07B」の型番で用意されるPCケースには2種類あり、今回取り上げるのはSST-SG07B-Wになる。外観上の違いは、本体サイド側にアクリルパネルが用いられているかどうかのみ。大型のグラフィックスカードが取り付け可能なだけあって、本体サイズは222(幅)×350(奥行き)×190(高さ)ミリと一般的なMini-ITX対応PCケースとしては奥行きがあるが、前面から見た高さや幅はMini-ITXならではのコンパクトサイズを維持している。
電源ユニットは本体前部に配置されているリア側の内部はファンもなく、広い空間が確保されている。ここでは、使っていない拡張スロットの背面スリットをふさぐブラケットに通気用の穴を備えている点と、本体天面に搭載する18センチ角大型ファンの回転数切り替えスイッチが用意されていること、そして、リセットスイッチが用意されていることに注目したい。

フロントパネルは同社製品の特徴にもなっているヘアライン加工されたアルミパネルだ。光学ドライブ用の5インチオープンドライブベイを1基備える。フロントパネルに備えるインタフェースは、2基のUSB 2.0とマイク、ヘッドフォン端子と標準的な構成(写真=左)。リアパネルには、天面に搭載した18センチ角ファンの回転数コントロールスイッチがある。Lモードにするとファンの回転数が700rpm、Hモードにすると1200rpmとなる。Hモードでファンの音が聞こえてくるが、Lモードでは無音に近い。搭載する電源ユニットが80PLUS Bronze認証をうけたモデルであることを示すロゴシールも張られている(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.