Appleは3月6日、デスクトップPC「Mac Studio」の注文オプションを更新し、最上位構成であった512GBユニファイドメモリの提供を終了した。これにより、同製品で選択できるメモリ容量の上限は256GBに引き下げられた。
今回の変更は、96GB/256GB/512GBのメモリを搭載できた「M3 Ultra」チップ搭載モデルを対象としたものだ。これまで同モデルでは54万円の追加費用でメモリを512GBまで拡張できたが、現在はカスタマイズ画面からこの選択肢が削除されている。
メモリ容量の制限に加え、既存のアップグレード価格も改定された。例えば、標準の96GBから256GBへ変更する際の費用は、従来の18万円から30万円に引き上げられた。また、256GB構成を選択した場合の配送予定日は2026年5月まで延びており、供給が極めて不安定な状況にあることがうかがえる。
構成変更の背景には、世界的なDRAM(メモリ)不足が関係しているとみられる。AIデータセンター向けに需要が爆増している「HBM」(高帯域幅メモリ)の生産が優先され、PC向けの通常DRAMの生産能力が圧迫されているためだ。主要メモリメーカー各社はAI向け製品へリソースを集中させており、PC市場全体でメモリの契約価格が急騰している。
Mac Studioは、CPUとGPUでメモリを共有するユニファイドメモリアーキテクチャを採用しており、大容量メモリを搭載したモデルはローカル環境で大規模言語モデル(LLM)を動かす開発者や研究者から高い支持を得ていた。
特に512GB構成は、巨大なAIモデルを単体で処理できる選択肢であったため、今回の廃止はAIワークフローを重視するユーザーにとって大きな痛手となる可能性がある。
Appleは2026年後半に次世代の「M5」シリーズを搭載した新型Mac Studioを投入すると予測されているが、メモリ市場の構造的な供給不足は2027年まで続くとの見方もあり、大容量構成の復活時期については不透明な状況が続いている。
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