日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)は3月7日、2011年PC春モデルの第2弾として、新機種5モデルを発表した。ラインアップは、11.6型ワイドの「HP Pavilion dm1-3000 Notebook PC」、15.6型ワイドの「HP Pavilion g6-1000」および14型ワイドの同「g4-1000」、10.1型ミニノートPC「HP Mini 110-3600」、そして同じく10.1型の「HP Mini210-2100 SpecialEdition」という構成だ。
また、個人向けデスクトップPCのフラッグシップ機「HPE」シリーズのBTOメニューに、インテルとAMDの新しい6コアCPUのCore i7-990X(3.46GHz)とPhenom II X6 1100T(3.3GHz)が追加されたほか、「p6745jp」と「s5750-jp」には第2世代Core i3-2100/2120搭載モデルもラインアップされる。
同日行われた発表会の冒頭では、日本HP取締役副社長の岡隆史氏が登壇し、直近のビジネスを振り返った。これによると、2010年11月、12月期は、出荷台数ベースで前年比40%増の伸びを見せ、順調に成長したと説明。また、企業向けPCでも国内シェアを18%まで伸ばしてトップグループに入ったという。岡氏は「特にシンクライアントやワークステーション分野ではトップに立った」と述べ、同社のビジネスが好調に推移していることをアピールした。
ただしその一方で課題もある。同氏が「我々の一番のチャレンジはコンシューマー」と語るように、日本HPが個人向けPCの国内展開を本格的に開始してから4年以上が経過しているが、世界シェア1位の“HPブランド”は、いまだ日本国内では浸透しきっていない。例えば、同社が行った街頭アンケート調査によると、HPの名前を知っているのは3割に満たなかったという。「個人向けPCのビジネスを伸ばしていくためには、ユーザーのニーズにあった新製品をどんどん投入するのは前提として、(HPを)みんなに知られるメーカー、好きになってもらえるメーカーにしていく必要がある」と述べ、製品強化とともにブランドの認知が重要だと強調した。同社が2010年秋冬モデルからAKB48を起用したキャンペーンを展開しているのもその一環だ。
同社は引き続き、春モデルのCMキャラクターにAKB48を起用し、新生活向けキャンペーンのテーマ「Debut」(デビュー)をキーワードに、“クールでおしゃれ”なHP製PCをイメージさせるプロモーションを展開していく。発表会では、CMキャラクターの小島陽菜さん、宮澤佐江さん、高城亜紀さん、横山由衣さんがスペシャルゲストとして招かれ、デビューにまつわるトークショーも行われた。
一方、今回投入される新製品については、同社PSG製品統括本部コンシューマビジネス本部長の藤井秀紀氏が紹介。初めての“自分PC”を手に入れる新生活を想定して、主にエントリーのラインアップを拡充したという。
「HP G62 Notebook PC」の後継機として投入される「HP Pavilion g6-1000」は、15.6型ワイド液晶(1366×768ドット)を搭載し、Intel HM55 Expressベースの基本システムに、CPUとしてCore i5-480M(2.66GHz/最大2.93GHz)/Core i3-390M(2.66GHz)を用意する。メモリは2Gバイト、HDDは500Gバイトまたは320Gバイトで、DVDスーパーマルチドライブを備える。シンプルなチャコールグレーのカラーリングや、天面とパームレストにおなじみ「HP Inprint」テクノロジーを採用したボディデザインが特徴だ。インタフェースは、SDメモリーカードスロット(SDXC/MMC対応)、USB 2.0×3、音声入出力、RGB出力、HDMI出力など。ネットワーク機能として、有線LANのほかIEEE802.11b/g/n対応の無線LANと、無線LAN+Bluetooth 3.0の構成を選択できる。量販店モデルの予想実売価格は6万円前後。3月25日より発売する。
14型ワイド液晶(1366×768ドット)の「HP Pavilion g4-1000 Notebook PC」は、同g6-1000とほぼ同じ基本システムを採用し、メモリは2Gバイト、HDDが320Gバイト、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを搭載する。ボディカラーはソノマレッドだ。なお、Web直販のHP Directplusモデルは、BTOメニューでPentium P6200や250GバイトHDD、Microsoft Office Personal 2010の有無も選択でき、ボディカラーはチャコールグレーになる。直販モデルは4万2000円〜で3月11日より出荷開始。量販店モデルの予想実売価格は6万円前後で3月25日に発売する。
11.6型ワイド液晶(1366×768ドット)を搭載するモバイル機「HP Pavilion dm1-3000 Notebook PC」は、基本システムにAMDのデュアルコアCPU「E-350」(1.6GHz)とAMD Radeon HD 6310を採用する。また、直販モデルではストレージに128GバイトSSDも選択でき(量販店モデルは500GバイトHDD)、厚約22ミリ(最薄部)、重量約1.52キロのモバイルPCながらメインマシンとしても利用できる高い性能を持つ。SSDモデルなら約10時間45分のバッテリー駆動が行える点も特徴だ。直販モデルは7万9800円〜で3月7日より出荷開始、量販店モデルは6万円前後で3月17日に発売される。
Atom搭載ミニノート「HP Mini 110-3600」は、CPUにデュアルコアのAtom N570(1.66GHz)を採用し、基本性能を強化。また、同じ基本システムを採用する「HP Mini 210-2100 Special Edition」は、ピンクの格子柄をあしらった新デザインが目を引く。
HP Mini 210-2100 Special Editionの価格と発売日は、直販モデルが4万9980円〜で3月下旬出荷開始、量販店モデルは5万円前後で4月7日発売。
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