PC USER Pro

“自宅クラウド”を1万円台で実現っ──低価格NAS「LAN DISK HDL-CEシリーズ」の実力チェックPC&iPhone/iPad/Androidで使える(1/3 ページ)

» 2011年08月18日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

転送速度は50Mバイト/秒前後、ギガビットLAN/USB両対応のスタンダードNAS

photo アイ・オー・データ機器「HDL-CEシリーズ」。1Tバイトモデルが1万4600円、2Tバイトモデルが1万8900円、3Tバイトモデルが2万6400円。発売は2011年8月下旬予定

 HDDが安い。ならば、NASももっと安くなればいいのにね。アイ・オー・データ機器のNAS(ネットワーク接続型HDD)「LAN DISK HDL-CE」シリーズはそのような層に向きそうなベーシックNASの新モデルだ。

 HDL-CEシリーズは、1Tバイトモデルで1万4600円とする価格帯、家庭ユーザーでも容易に導入できる簡単設定機能、そして外出先でも本機のストレージ領域へアクセスできるスマートフォン対応リモートアクセス機能を用意し、「自宅クラウドストレージ」を手軽に実現できる。ベアHDD単価の下落とともに、上位志向のNASと比べて複数台のHDD+RAID機能などを備えず、ネットワークデータ転送速度を最大50Mバイト/秒前後とパフォーマンスをやや低く抑えた仕様により、この価格帯を実現したという。

 高性能志向のNASより速度は劣るとはいえ、前モデルの「LAN DISK HDL-C」シリーズ(14Mバイト/秒前後)よりかなり高速であり、一般的なUSB 2.0接続の外付けHDDと同等ならばどうだろう。今回は1Tバイト、2Tバイト、3Tバイトのラインアップのうち、2Tバイトモデル「HDL-CE2.0」の評価機でパフォーマンスと機能を検証する。

 本体は45(幅)×138(奥行き)×168(高さ)ミリ/重量約1.2キロで、よくある外付けHDDと変わらないサイズだ。背面にUSB 2.0(USB Mini-B)と1000BASE-T準拠の有線LAN、2種類の接続インタフェースを実装し、Windows搭載のPCではUSB接続のHDDとしても使えるハイブリッド接続対応となっている。

photophoto 3.5インチドライブを1基内蔵する仕様で、サイズはよくあるUSB外付けHDDと変わらない。背面にギガビットLANとUSB 2.0(Mini-B)、外部機器接続用のUSB 2.0(Standard-A)を実装する
photophotophoto 初回はPCとUSB接続してNAS動作のためのネットワーク設定を行う。設定は手動でもできるが「EasySetup」ツールのおまかせ設定でほぼOKだ

 導入は同社独自の「EasySetup」ツールにより、PCライトユーザーでも容易に設定できる。適当なPCとUSB接続し、あらかじめ本機内に保存されているEasySetupツールを起動するだけで家庭内のLAN環境に合わせたネットワーク設定を済ませてくれる。あとはLANケーブルでLAN内のスイッチングハブに接続すれば、NASとして使えるようになる。作業時間はほんの2、3分だ。

 評価機の2Tバイトモデルは、フォーマットがNTFS、パーティション形式はMBRで初期設定されていた。このほか、より高速なリード転送速度を実現するというXFSフォーマット(NAS動作のみ)、かつGPT形式(GUIDパーティションテーブル/2Tバイト以上のパーティションを扱う形式で、64ビット版Window XP以降、あるいは32/64ビット版Windows Vista以降で対応)にも設定できる。

photophotophoto 詳細設定はWebツールで行える。NASとしてのみ使用するなら、本格運用開始前に高速読み込みモードであるXFSフォーマットに変更してしまってよいかもしれない
photo Windowsエクスプローラでのコピペでは20Mバイト/秒前後の値

 ギガビットLAN/9kジャンボフレーム対応スイッチングハブ経由で、本機とデスクトップPC(32ビット版Windows 7/Core 2 Duo E8400/ギガビットLAN/4Gバイトメモリ)を有線LANで接続したシーケンシャルリード値は、NTFSフォーマット時で約43Mバイト/秒、XFSフォーマットの高速読込モード時で約50Mバイト/秒となった。

 こちらの値は実測40Mバイト/秒前後となる一般的なUSB 2.0接続のHDDより若干良好だ。確かに、100Mバイト/秒を超えるUSB 3.0接続のHDDや別の高性能志向なNASなどパフォーマンスに勝る製品は存在するが、ネットワークドライブとしてマウントしておけば“USB 2.0接続のHDDと速度は変わらない”という感覚で扱える。

 なお、CPUパフォーマンスの影響で推奨同時接続台数は8台とされる(接続制限はない)が、家庭内用途で8台以上のPCから大量のデータを同時に転送する機会はほとんどないと思う。ハイクラスなPCユーザーなら別だが、コストパフォーマンスや導入シーンを考えるとこちらも大きな問題ではないだろう。

photophotophoto CrystalDiskMark 3.0.1で計測したギガビット有線LAN接続でのデータ転送速度。左から標準のNTFSフォーマット、高速読み込みモードとなるXFSフォーマット。XFSでフォーマットすると確かにシーケンシャルリード速度が向上し、50Mバイト/秒を超えた。一方、本機をPCとUSB 2.0接続した転送速度はなぜかかなり不満の残る値だった。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー