本機は連続10時間動作するバッテリーを搭載し、これをさらに有効活用できる「クイックスタートモード」も備える。こちらはPCでいうスタンバイと同じで、内部回路にわずかに電流を流しておくことで電源オンからの起動時間、正確にば無線LANでのインターネット接続が可能になるまでの時間を短縮する機能。約15秒と、かなり高速に起動できる。
WiMAXルータの起動時間について、従来機種は使い始めまで1分ほどかかるものが多かった(本機も、通常の電源オンは約55秒かかる)。この約1分という時間は、すぐ使いたいスマートフォンユーザーはかなり長い待ち時間になるだろうし、昨今はノートPCの起動時間よりも遅い値と思うとやはり長すぎる。また、地下鉄や地下街など、WiMAXがエリア圏外と分かっている場所でこまめにオフにするバッテリー消費を抑える工夫も、“すぐ起動する”ならば気兼ねなく実践できる。この機能はぜひ積極的に使いたい。
クイックスタートモードは約150時間のバッテリー待機時間を実現する。こちらは1日クイックスタートモードで放っておいても約16%しかバッテリーが減らない計算であり、スマートフォンなどとともに毎日使う人ならほぼ無視できるものといえる(もちろん毎日使わないなら無効にすることもできる)。クイックスタートモードは電源ボタンの2秒押しで移行する。それ以上長く押す(6秒)押すと完全な電源オフとなる。シーンに応じて手軽に電源モードを使い分けられるのもかなりよいポイントだ。
日常生活でのバッテリー動作時間参考値 | 1日目 | 2日目 |
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無線LAN電波出力設定:弱 | 12時間40分 | 13時間10分 |
無線LAN電波出力設定:強 | 12時間10分 | 11時間50分 |
※本機の電源は入れっぱなしで運用 | ||
では、肝心の約10時間とあるバッテリー動作時間はどうだろうか。
初期設定では無線LANの電波出力が「弱」に設定されている。今回は、この「弱」のままで2日間、さらに「強」に設定して2日間、筆者が日常普段通りに3台まとめてガンガン使うスマートフォン(iPhone 4、IS05、MEDIAS N-04C)を接続しっぱなしで過ごし、さらに1〜2時間ほど意図的にPCでのインターネット利用も含めて実動作時間がいかほどだったかを測定した。
結果は右記のようになり、10時間どころか最長では13時間を越え、より多く電力を消費すると思われる無線LAN電波i出力:強にしても約11時間50分動作したのには驚かされた。4日とも午前10時には自宅を出てあれこれ行動し、午後11時頃に帰宅したのだが、帰宅してもまだ動作していたためにそのまま寝られず困ったくらいだ。
データ通信量やアクセス頻度の多いPCでの利用時間が長いならばもう少し動作時間は減ると思うが、1日の活動時間まるごと電源入れっぱなしでOK。これはかなりの安心感と利便性をもたらす。さらにクイックスタートモードもある。2、3時間しか持たないので、USBモバイルバッテリーや予備バッテリーを複数携帯して使っていた2010年ごろが、もう遠い過去のようだ。
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