デジタルガジェットに見るマレー人とインド人と華人の関係山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

» 2012年03月15日 16時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

華人がマレー人とインド人に売るものは

 春節に訪れたマレーシアの首都、クアラルンプールは、中国と同じく「新年快楽」モードで全開だった。1年中暑い地域だけに、休日の昼間はショッピングセンターに人が集中する。そんな万人が集うショッピングセンターでも中国行事の春節を祝い、中国伝統芸能を演じる特設会場を設ける。2012年は辰年だけに、ショッピングセンターの広い吹き抜けを利用して飾った“天高く舞う龍”が各所で見られた。

春節で盛り上がるショッピングモールには吹き抜けを利用して龍が舞う

 春節で休むのは中国人だけでない。当然マレーシアに住む華僑も同じなわけで、春節の間は中国系商人の営む多くの店が閉めていた。PCショップも華僑が経営するものが多いのか、春節期間に閉めている店も多い。この期間に開いている店のオーナーはマレー人、インド人ばかりだ。

 そんなマレー人の店とインド人の店だけがやっているショッピングセンターで、プロバイダ各社がユーザーを増やそうとプロモーションを行っていた。それも、ADSLや3Gでなく、WiMAXサービスをアピールしている。勧誘スタッフは、マレー語に加え中国語と英語も使いこなせるのだから恐れ入る。

春節で盛り上がるクアラルンプール中心街で、インターネットプロバイダ「yes」がアピールする(写真=左)。ショッピングモールで顧客獲得に気合いを入れているyesの特設ブース(写真=右)

 春節の数日前、ショッピングモールが集中する若者に人気のスポット「ブキッ・ビンタン」には「Low Yat Plaza」と「Imbi Plaza」という電脳ビルがある。これ以外にも、ほかのショッピングセンター内にデジタル製品を扱うショップが複数ある。春節を含めた前後の期間は、いずれのショッピングモールでもノートPCやデジタルカメラを中心に販売した。

 店員は華人が多い、というか、ほとんどが華人なのに、華人の客は少なく、マレー人やインド人で賑わっていた。外地に住む華人には不人気のノンブランドAndroidタブレットデバイスもマレー人やインド人には大盛況で、外地に住む華人は手を出さないノンブランドのフィーチャーフォンもマレー人やインド人には大人気だったりする。

電脳街でマレー人とインド人に人気なのがノンブランド機こと山寨機だ

華人はゲーム! マレー人とインド人は?

 クアラルンプールでは、スマートフォンユーザーやタブレットデバイスユーザーを“ときどき”見かける。しかし、その多くは華人だ。中国本土の中国人と同じように、マレーシアの華人も次の電車を待っている間や休憩のときに、Angry BirdsやVeggie Samuraiで遊んでいる。インド人やマレー人の多くがフィーチャーフォンを使っているが、ごくまれに彼らの中にもスマートフォンユーザーやタブレットデバイスユーザーがいる。彼らはデバイスを使うほとんどの時間をFacebookに費やす。ゲームで遊ぶ華人とは対照的だ。

 華人が経営するインターネットカフェは、実質的にオンライン専門のゲームセンターだ。それを利用するのは華人(または、マレーシアを訪れた中国人)が圧倒的に多く、次いでマレー人が目立つ。インターネットカフェのPCには、中国で人気のチャットソフト「QQ」をインストールし、動画サイトの優酷(YOUKU)や百度といった中国で人気のあるWebページをブックマークしている。マレーシアの華人向け限定で中国語のオンラインショッピングWebページやニュースWebページ、そして、掲示板Webページが多数立ち上がっていて、そこでは、華人がFacebookを通じて「いいネ!」ボタンを押している。中国では利用できないFacebookゆえに、利用しないマレーシアの華人もいるが、利用している華人も少なくない。

クアラルンプールの華人向けインターネットカフェ(写真=左)。華人カップルがiPad2でVeggieSamuraiを楽しむ(写真=右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  2. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  3. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  4. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  5. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  6. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
  7. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  8. 夜間もフルカラーで鮮明に記録できる「SwitchBot 屋外パンチルトカメラ 5MP」が15%オフの7674円に (2026年06月10日)
  9. LGが4K有機EL TVの2026年モデルを発表 映像プロセッサを刷新し120Hz以上の高速表示にも対応 (2026年06月09日)
  10. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー