インテルの第3世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーの発売から2週間が過ぎた。この新しいCPUでは、22ナノメートルプロセスルールと 3Dトライゲートトランジスタ技術の採用により、省電力性は向上したが、CPUそのもののアーキテクチャは従来の第2世代Coreプロセッサー・ファミリーから大きく変わっていないこともあり、CPUの処理能力を測定するベンチマークテストではCPU関連のスコアに大きな変化は見られない。
しかし、その一方で、“Tick+”とインテルが訴求するゆえんともいえる、大きく進化したグラフィックス機能は、PCゲームはもとより、多くのユーザーが利用するようになってきた“動画編集”“フルHDの動画をタブレットデバイスやスマートフォンで使えるように形式変更”といった処理におけるパフォーマンスにも好影響をもたらしてくれている。今回は、その進化した「Quick Sync Video 2.0」について検証してみよう。
Quick Sync Video 2.0では、実際のところ、そのパフォーマンスや省電力性能はどうなっているのだろうか? 第3世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーの最上位モデルとなるCore i7 3770K(3.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz)と、第2世代Coreプロセッサー・ファミリーのCore i7 2600K(3.4GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.8GHz)で、そのパフォーマンスを比較してみた。
なお、評価用システムの主な環境は、下記の通りだ。
評価用システムの構成 | |
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マザーボード | DZ77GA-70K |
チップセット | Intel Z77 Express |
メモリ | DDR3-1600 4Gバイト×2 |
HDD | Western Disigal Caviar Blue 500GB (Serial ATA 6Gbps,、7200rpm) |
OS | 64ビット版 Windows 7 Ultimate Servics Pack 1 |
まず、そのビデオ変換性能を、FuturemarkのPCMark 7で検証した結果が、以下のグラフだ。この結果からも分かるとおり、小さな画像フォーマットへの変換や高画質ビデオ変換ともに、Core i7 3770Kに統合したIntel HD Graphics 4000がすぐれた帯域を示していることが分かる。
では、Quick Sync Video 2.0に最適化しているCyberLinkの「Media Espresso 6.5」(なお、一般公開版ではなく開発中の評価用非公開版を用いた)で、実際にビデオ変換(トランスコード処理)を行なうと、どのような性能が示されるのだろうか。今回はアプリケーション側の最適化有無も比較するために、「Media Espresso 6.0」に6.5バージョンアップパッチをあっててQuick Sync Video 1.0対応とした状態でもパフォーマンスを検証した。なお、サンプルビデオには、9分58秒の1.1GB MPEG-2ファイルを使用し、これをiPhone 4用に変換している。
「Media Espresso 6.5」(開発途上版)では、Quick Sync Video 2.0に最適化したことで、新たに「高速変換」と「高画質」という2種類のプロファイルを用意して、より高品位なビデオ変換ができるようになった。このため、従来の「Media Espress 6.5」と単純な比較はできないが、どの変換方式においても、Core i7-3770Kが優れたスコアを示している。Core i7 2600Kにおいても、Quick Sync Video 2.0対応となった状態のMedia Espresso 6.5(開発途上版)で大幅な性能向上を示している点も見逃せない。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年6月30日