指で触れるのが気持ちいい!! 「Bento 4 for iPad」で情報整理を快適にいろいろはかどるぞ(2/2 ページ)

» 2012年07月06日 16時00分 公開
[広田稔,ITmedia]
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入力したデータをサクサク閲覧

 データベースを閲覧するときは、画面右下の三角ボタンでページを送るか、中央下のスライダーで一気に移動する。リスト表示に変更するときは、画面左上の表形式アイコンをタップする。たったこれだけの操作を覚えれば、基本的には使えてしまう。データを入力してまとまって閲覧したいだけのシンプルな用途には、これ以上なくピタリと当てはまるはずだ。

各レコード(項目)は、画面下のスライダーか左右に向いた三角ボタンを使う(画面=左/中央)。表形式アイコンのタップで、Excelなどで見慣れたリスト表示に切り替わる(画面=右)

 もちろん必要なフィールドやオブジェクトがなければ、右上の鉛筆アイコンをタップして追加できる。使わないフィールドを消したり、ドラッグ&ドロップで広くして表示できる文字の数を増やすことも可能だ。自動で周囲のオブジェクトやフィールドと整列してくれるので、カスタマイズしてもデザインが狂いにくい。

不要なフィールドは、右上の鉛筆アイコンを押した後、タップして「削除」を選ぶと消せる(画面=左)。フィールドの追加は、左ペインから「新規フィールド」を選んで、ドラッグ&ドロップでOK。区切り線やタイトルは「オブジェクトを追加」で設定できる(画面=中央)。フィールドを指でのばして、表示サイズを直感的に変えられるのがパソコンソフトにはない快適さ(画面=右)

パスワードなどの重要データはフィールドの暗号化で対応

アドレス帳はiPadに最初からある「連絡先」アプリでも作れるが、そこに、年賀状や贈答品の履歴を付けたいとなるとBentoを使ったほうが楽。テンプレートの選択時には、「連絡先」からデータを読み込んでくれる

 また、自分に必要なテンプレートが見当たらなければ、アプリから直接「Bentoテンプレートエクスチェンジ」のサイトにアクセスしてダウンロードすることもできる。ただ、古いバージョンのテンプレートは扱えないこともあるうえ、iPad未対応のBentoのテンプレートも公開されているので注意が必要だ。現状、Bentoテンプレートエクスチェンジは、iPad専用のテンプレートで絞り込めないので、そのあたりは改良してほしい。

 フィールドで扱える情報も豊富だ。テキストや画像、動画、URLといった基本的なもののほか、住所、メールアドレス、電話番号、場所、チェックボックスも用意している。複数フィールドにまたがる数字を計算したり、レートで評価をつけたり、チェックボックスで完了を表すことも可能。入力時に複数の選択肢から選ばせるようにしたいときは、選択メニューや簡易リストを使うといい。

URLやメールアドレスのフィールドは、右端にある「▼」ボタンを押すとアプリ内でサイトを開いたりメールを送信できる(画面=左/中央)。地図ではルート検索も可能だ(画面=右)

「計算」フィールドは、複数フィールドを指定して計算できる。販売管理などで役立つはず(画面=左/中央)。細かいところでは暗号化できるフィールドが新たに加わった。ソフトのシリアルやウェブサービスのIDを一括で保存するような用途では、一部のフィールドを隠しておけるようになるのがありがたい(画面=右)

データベースを結びつけて便利に使う

 データベースどうしを結びつけたいときは、関連フィールドを利用しよう。例えば、お得意様の住所録に取引履歴のデータベースを表示する際などで役立つ。データベースが巨大になっていった場合には、閲覧用に「コレクション」を作っておくといい。iTunesのプレイリストに相当するもので、例えば、連絡帳のうち社内のものを抽出しておくといった用途に便利だ。

「関連データ」フィールドでほかのデータベースを引用できる(画面=左/中央)。「コレクション」はiTunesのプレイリストに相当する(画面=右)。

 Bento 4 for iPadはそのままで十分独立して使えるが、Mac版のBentoで作ったデータベースと同期することもできる。ただ、完全互換なわけではなく、スマートコレクションなど機能はMac版のBentoにしかない。また、Mac版で作ったデータベースのうち、アドレスブック/iCal/iPhotoと連動させたフィールドや、自動カウンタフィールドなどはiPad版で表示されないし、10Mバイト以上のファイルを登録しているフィールドも同期できないので注意。

 運用方法として、テキスト主体のデータベースなら、フィールドのカスタマイズや入力はキーボードを使えるMacにまかせて、iPadでは閲覧に徹する、という使い方ができるだろう。iPadのみでデータベースを運用して、そのバックアップとしてMacとの同期を活用するという手もある。

実はMac版より使いやすい!? iPadで最初に試したいデータベースアプリ

 惜しむらくは、クラウドサービスに非対応という点だろう。アップルが提供するクラウドサービス「iCloud」とオフィススイート「iWorks」(Pages、Numbers、Keynote)のように、昨今では作った書類をネット上に保存しておき、パソコンやタブレット、スマートフォンなど、複数の端末から扱えるアプリが多い。データをネット上にバックアップする意味も含めて、次回以降はぜひ対応してほしい。

 Mac版のBento 4で加わった、宛名ラベルや値札タグの印刷に便利な「ラベル機能」も欲しいところ。ただ、わずか850円のアプリにどこまで複雑なことを求めるのか、という部分もあるので、この辺の用途はMac版との同期でカバーしていくのがいいのかもしれない。

 というわけで、Bento 4 for iPadを見てきたが、ほとんどこれだけの説明で全体像を把握できてしまう。アプリはバージョンが進むと機能の多さで勝負しがちだが、Bento 4はそこをグッとこらえてシンプルに徹している。それだけに、PCが不得手な人でも簡単に扱えるのだ。iPadで使えるデータベースアプリとしては、まず最初に試してみるべき存在だろう。

 個人的には、Mac版よりiPad版のほうが好みだ。というのも、フィールドのカスタマイズ画面でiPad版のほうがアイコンを多用している関係で分かりやすいし、指でドラッグ&ドロップできる点も、触っていて気持ちいい。7月31日までは新バージョン特価で450円に値下げしているので、是非いまのうちにゲットしておきたい。

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