通話もおサイフも使える、DTCP-IP対応でツウ好みなサイズ感──「MEDIAS TAB N-06D」の買いどころをチェックもうすぐICS化も、ということで(3/4 ページ)

» 2012年07月25日 11時00分 公開
[坪山博貴(撮影:矢野渉),ITmedia]
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縦でも横でも「両手親指打ち」が快適なソフトウェアキーと入力環境

photo 縦位置でのQWERTYキーは、7型タブレットにおける両手親指打ちに手頃なサイズ感になる。この点もは、縦位置でも幅がやや広くなる10型タブレットにはない、7型タブレットのメリットの1つだ

 7型サイズのタブレットにおいて、文字入力は微妙な位置付けにある。5型以下のスマートフォンであればダイヤルキーUIを利用したフリック入力や携帯電話と同じトグル入力など、10型クラスタブレットでは横位置のQWERTYYキーUIで両手での文字入力を行うことが多いが、モバイル環境においても縦でも横でも持てる7型サイズは、意外と上記のどちらも最適とは言えないためだ。一応、縦位置であれば、QWERTYキーUIでの両手親指打ちがしっくり来ると思うが、問題は横位置だ。横位置の幅になると中央付近のキーに親指が届かず、とたんにつかいにくくなる。

 さて、本機の日本語入力環境には“N”ケータイで利用していた人も多いであろうT9入力にも対応する、ATOKベースの独自機能を採用する。そして上記でテーマにした横位置でのQWERTY両手打ち用に「中央分割型のQWERTY配列」を用意するのが便利だ。分割“度合い”を手のサイズや指の長さに合わせて調整できるので、両手で構えて行う文字入力(こちら、モバイル時はもちろん、机上でも行うスタイルだろう)がかなり使いやすい。QWERTYYキーが画面を占める面積を考慮すると、縦位置に持ち替える手段もあるが、このクラスになると重量バランス的に横位置で持つ方が楽なのだ。


photophoto 横位置では、寝かせても両手で持っても、7型サイズの標準QWERTYキーはちょっと使いにくい。そこでQWERTYキーのUIを中央で2分割する機能により、両手での親指打ちがほどよく快適にできるよう工夫した。分割サイズも細かく調整できるようになっている

NOTTV以外に、強力な動画プレーヤーとしても魅力

photo DTCP-IP対応Blu-rayレコーダーなどで録画した番組のネットワーク再生も行える

 本機はNOTTV対応やワンセグ搭載が特長の1つだが、ワンセグ放送の予約録画も可能な機能性に加え、別途DTCP-IP対応レコーダーなどで録画した番組をネットワーク再生できる「DiXiM Media Player」も搭載し、ついでにレコーダーから外部メモリカードに番組をコピーする“番組持ち出し機能”を利用した番組の再生にも対応する。

 NECは別途家庭用テレビやレコーダーなどのAV機器をリリースしていないので、家庭用AV機器との密接な専用連携機能はないのだが、その分“同じメーカーでないとDLNA機能がなぜかうまく使えない”といった縛りがない。ともあれ、VALUESTAR W/NシリーズなどNECのテレビチューナー搭載PCとのネットワーク連携はもちろん、他機種においてもDTCP-IPを使用したDLNA連携機能がバッチリ利用できる。

 前述したが、「DiXiM Player」でLAN内にあるDLNAサーバ搭載機器(あるいはサーバソフトウェアをインストールしたPCなど)の動画、静止画、音楽の再生も行える。本機はDTCP-IPに対応しており、コピーコントロールされたデジタル放送の録画番組もネットワーク再生が可能だ。サーバ側のフォルダ管理にも対応しているので、すべてのコンテンツが1つの一覧にまとめられてしまい、見たい番組を探すのが大変──ということはないし、番組一覧は表示もスクロールもきわめて高速で快適に操作できる。無線LANの通信速度が十分に確保されていれば、録画したハイビジョン放送のネットワーク再生もコマ落ちを感じることはほぼなかった。


photophoto 「DiXiM Player」は現状組み込み専用のDLNAアプリだが、特定端末向けではないこともあり画面・UIなどはシンプルだ。動作は軽快で、録画日時やチャンネルといった情報もしっかり表示される。7型ディスプレイなら机上はもちろん、寝ながら使うのにも苦にならない画面サイズで、画面サイズに余裕があるので、スマートフォンのように手に持って食い入るように見る必要もない

 DTCP-IPを使用したDLNA機能は、今回筆者が確認した範囲ではパナソニック「DMR-BZT720」、ソニー「BDZ-AT950W」東芝「DBR-M180」「RD-BZ710」(以上、Blu-ray Discレコーダー)、アイ・オー・データ機器「RECBOX HVL-AV1.5」(以上、NAS)からの録画番組のネットワーク再生を普通に利用できた。なお、最新ファームウェアを適用したDBR-M180ではタイムシフト中の録画話組もそのまま再生でき、BZT-AT950Wではジャンル別一覧、RD-BZ710ではフォルダ別一覧の表示も可能だった。RD-BZ710はDR録画された番組を再生できなかったのだが、これはRD-BZ710が通信機器間のネットワーク通信速度に合わせてトランスコードを行う機能を持たないためと想われる。もちろん例外はあると思うが、このようにDLNAサーバ機能を持つ最近のBlu-ray Discレコーダーを所持しているなら、本機でDLNAを利用した録画番組のネットワーク再生が楽しめるはずだ。

 NOTTVは、宣伝文句としてうたう「ワンセグの10倍高画質」はともかく、少なくともワンセグ放送より高い画質で番組を視聴できる。NOTTVの解像度じたいはSD解像度(720×480ドット)なので、本機のディスプレイ(1280×800ドット)でドットバイドット表示できるわけではないが、7型サイズのディスプレイでフルスクリーン表示してもかなりくっきりはっきりした鮮明な画質だ。こちら、地デジ放送をサイマルキャストするワンセグとは違い、テロップ文字なども最適化して制作されていることもあると思うが、その文字情報などもしっかり視認できる。

 また、本機のディスプレイサイズであれば縦表示にしても放送画面が小さすぎるまでにはいかないので、出先でちょっと楽しむといった使い方において、縦表示での片手保持も楽なのだ。こちら、スマートフォンタイプのNOTTV対応機機より使いやすい部分だ。

photophoto NOTTVは縦位置/横位置それぞれ最適化されたレイアウトで表示される。もちろんフルスクリーン表示も可能。ワンセグ放送と比べると、やはりかなりキレイな画質だ
photophotophoto 電子番組表も7型画面の本機なら無理なく半日(12時間)分を一覧できる。ジャンル別一覧なども一覧性が高い。リアルタイム放送以外に蓄積型の番組もあり、予約して受信しておけば、どこでも視聴が可能になる。なお、録画(蓄積)できるのは蓄積型の番組のみで、リアルタイムで放送される番組は録画できない点には注意だ

 もう1つ、動画プレーヤーとしての機能においては、当然、NTTドコモが提供する「ドコモ動画」、さらには「Hulu」や「YouTube」なども楽しめる。ただ、唯一残念なのはYouTube。OSがAndroid 2.3であるため、アプリではHD解像度の動画がサポートされない。Android 4.xへのアップデートによりサポートされると予想されるので、こちらについては気長に待ちたいところだ。

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