さて、香港Hutchisonの3G対応プリペイドSIMカードはかなり使い勝手がよい。香港内で28香港ドル/日(約287円)で定額3Gデータ通信ができるのはもちろん、2012年6月に掲載した「香港のSIMカードを中国で使う編」で紹介したように、中国大陸へ数日ほど渡航する際の中国用データ定額SIMカードとしても使える。さらに、わずか18香港ドル/月──つまり185円/月ほどで香港での公衆無線LANサービスも利用できるのだ。
ターゲットとするHutchisonのプリペイドSIMカード「3G Internnational Roaming Rechargeable SIM Card」または「HSDPA Broadband Access Rechargeable SIM Card」は、通信機器に入れて通信すれば初回の開通作業は完了。公衆無線LANサービスの利用登録は、スマートフォンなど電話発信が行える機器で「503106」宛てに空SMSを送信すると完了する(空SMSが送れない機種では、本文に適当な文字列を入れておけばよい)。登録完了とパスワードが記載された返信SMSとともにプリペイドSIMカードのチャージ残高から18香港ドル分が引かれるという流れになる。
今回、改めてサービス登録をしてみたが、返信SMSが届くまで30分以上かかったのには少し注意したい。なかなか届かないので再度利用登録作業を行ったら「すでに申請されているので再登録は不要っ」というメッセージが表示されたので、登録ミスではなく単に登録に時間がかかるだけようだ。30分となると「喫茶店でふぅひと休み。さぁそろそろ出ようか」といった時間なので、店舗に入ってからではなく、時間がある時にあらかじめやっておくことを勧めたい。
Y5Zoneの公衆無線LANスポットは同社サイトでチェックしてほしい。スターバックスやマクドナルド、主なショッピングモールなどがおおむねカバーされている。
では実際に使ってみよう。PCで無線LANを検索すると、かなりたくさんのSSIDが表示されるが、そこに「Y5ZONE」というSSIDが見つかれば利用可能だ。ただし、接続するSSIDは前述の通りローミングする事業者別になっているので、Hutchison向けのものである「3HKWi-FiService」に接続する。ブラウザを起動するとHutchisonの認証・ログインページになるので、ユーザーIDに「プリペイドSIMカードの電話番号」、パスワードに「SMSで受信したもの」を入力すると利用できるようになる。
もう1つ、Y5Zoneの公衆無線LANサービスは中国移動香港のプリペイドSIMカード(の残高)でも同様に利用できる。ただ、こちらは3Gデータ通信が利用できないSIMカードなので利便性がやや低い。
メリットは入手性が良好であることか。香港のコンビニエンスストアでは、前述したHutchisonの赤パッケージも売っているが、こちらは場合によっては売り切れていることもある。一方、中国移動香港のそれ(プリペイドSIMにはブランド名である「Peoples」と記載されている)はいくつか種類もあるためか、売り切れていることはほとんどない。
なお、コンビニエンスストアには中国本土の通信事業者である「中国移動」のプリペイドSIMカードもまれに売っているのでちょっと注意。ともあれ、購入時は「Peoples」の名称が記載されたものであることを確認すると安心だ。
中国移動香港プリペイドSIMカードの無線LANサービス利用登録は、通話して初期開通、データ通信の利用開始コマンド「*10601#」を電話発信、利用可能になった旨のSMSが返信されたら、無線LANサービス利用開始コマンド「*103#」→料金プラン選択コマンド「1」か「2」か「3」を入力する。
料金プランは、
だ。
次にパスワードの登録を行う。「*124*[パスワードのための6ケタの任意の数字]#」を電話発信する(パスワードを123456にしたい場合は「*124*123456#」となる)。これで事前準備は完了だ。
あとはY5Zoneの公衆無線LANスポットで利用するだけ。SSIDは「CMHK」、接続後にブラウザで開くログインページのPrepaid Plan Customers枠に「プリペイドSIMの電話番号」と「(先ほど自分で設定した)パスワード」を入力すると利用できるようになる。
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