セイコーエプソンは8月29日、個人向けインクジェットプリンタの新製品10機種14モデルを発表した。ラインアップは「カラリオ」シリーズのA4複合機が8機種(カラバリ含めて計11モデル)、「カラリオミー」シリーズの小型はがき/フォト機が2機種(カラバリ含めて計3モデル)となる。
いずれも価格はオープンで、すべて2012年9月20日に発売する。ドライバの対応OSはWindows XP/Vista/7、Mac OS X 10.5.8以降。Windows 8については、発売に合わせて対応の案内を同社Webページで公開する予定という。
カラリオシリーズのA4複合機は、染料6色インク採用の「EP-905F」「EP-905A」「EP-805A/AW/AR」「EP-775A/AW」「EP-705A」、顔料4色インク採用の「PX-435A」「PX-405A」「PX-045A」の8機種だ。
上位機種のEP-905F、EP-905A、EP-805A(AW/ARも含む)は、従来機種よりも本体サイズを大幅に小型化したのが特徴だ。EP-805Aは、従来機のEP-804Aに機能同等の自動両面印刷ユニットを装着した場合のサイズと比べて、体積を約40%小さくし、設置面積を約35%削減した(EP-905Aは約38%削減)。
基板の小型化やレイアウト変更、5種類の紙経路を共存させた小型反転ユニット、インクカートリッジのオンキャリッジ化、キャリッジ駆動距離の短縮、インクカートリッジやヘッド、スキャナユニット、トレイの薄型化など、全体的な設計を見直すことで、ここまでの小型化を実現している。
EP-805Aの本体サイズは390(幅)×341(奥行き)×141(高さ)ミリだ(突起部を除く奥行きは338ミリ、高さは138ミリ)。本体の小型化については、市場の家具やOA機器のサイズを調査し、幅400ミリ/奥行き290ミリのカラーボックスの天板、奥行き320ミリの棚にも設置でき、収納時の高さが140ミリ以下で圧迫感がないことを目指し、ここまでボディを絞り込んだ。
EP-905F、EP-905A、EP-805Aは小型化しながらも、自動両面印刷ユニットを標準搭載。また、前面2段の給紙カセットに加えて、背面に1枚のみの対応だが手差し給紙トレイ(0.6ミリ厚の紙まで対応)も新設した。印刷時に操作パネルと排紙トレイが自動で開く機能も追加している。ADFを搭載したEP-905FとEP-905Aは、自動両面ADFにも対応した。
なお、本体設計の見直しに伴い、CD/DVD/BDレーベル印刷機能は自動的にトレイが開閉する機構が省かれ、手差しでCD/DVD/BDレーベル印刷トレイを着脱する仕組みとなっている。このトレイは本体前面の下部に収納することが可能だ。
液晶ディスプレイについては、操作メニューを必要な項目だけに絞って表示する「先読みガイド」を2011年モデルから継承しつつ、タッチパネルのフリック操作が可能になった。EP-805シリーズは液晶ディスプレイのサイズが従来モデルの2.5型から3.5型に大きくなっている。
デジタルカメラからのダイレクトプリント規格「PictBridge」が無線LAN経由で利用可能になる「DPS over IP」に対応し、Wi-Fi Directもサポートすることで、無線LANルータがなくても、スマートフォンやタブレットとEP-905F、EP-905A、EP-805Aを直接接続できるようになった。スキャンした原稿データを別のプリンタ(メールプリント対応の機種)に送信してFAXのように印刷する「メールdeリモート印刷」機能も利用できる。
EP-905Fは、タッチパネル対応の3.5型液晶ディスプレイ、FAX、自動両面ADF、自動両面印刷ユニット、有線/無線LANを標準搭載したハイエンドモデルだ。給紙容量は最大で201枚(前面カセット100枚×2段+手差し1枚)で、想定実売価格は4万円台前半。EP-905AはEP-905FからFAXを省いたモデルで、想定実売価格は4万円前後となる。
主力モデルとなるEP-805Aは、FAX/ADFユニットがなく、フラットな天面を採用。フリック操作対応の3.5型液晶ディスプレイ、自動両面印刷ユニット、有線/無線LANを標準搭載する。給紙容量はEP-905Aと同じく201枚だ。3色のカラーバリエーションを用意し、実売価格は3万円台前半と予想される。
下位モデルのEP-775Aは無線LANを内蔵するが、Wi-Fi DirectやDPS over IP、赤外線印刷には対応せず、有線LANと自動両面印刷ユニットも省かれている。給紙方法は前面カセットのみで、容量は最大100枚。EP-805シリーズとほぼ同じ、390(幅)×341(奥行き)×138(高さ)ミリのコンパクトボディを採用する。また、カラーバリエーションに新しくホワイトが加わった。想定実売価格は2万円台半ば。
エントリー機のEP-704Aは、上位機に見られる前面カセットを搭載せず、給紙は後部トレイのみとなる。給紙容量は最大100枚。ボディの大きさも従来機種通りで、上位機種に比べて本体サイズが大きい。無線LANを搭載せず、無線印刷規格にも対応しない。想定実売価格は1万円台半ばとなる。
4色顔料インク機は、PX-435A、PX-405A、PX-045Aの3機種となる。新モデルではエントリーモデルのPX-045Aが加わった。3機種ともボディカラーはホワイトで、本体サイズは390(幅)×300(奥行き)×145(高さ)ミリ。1.44型液晶ディスプレイを採用するPX-435AとPX-405Aの重量は約4.2キロ、液晶ディスプレイを搭載しないPX-045Aの重量は約3.9キロとなる。
PX-435Aは無線LANを搭載しており、Epson iPrintやメールプリントに対応する。従来モデルに比べて、ノズルの数が約1.5倍の371本(黒は180本、それ以外の3色は59本)となり、文書の印刷速度が約50%速くなった。給紙容量は最大で100枚。想定実売価格は1万円台半ばとなる。PX-405Aは無線LANを省いたモデルで、想定実売価格は1万円前後だ。
PX-045Aは、以上の2機種と比べて印刷ノズルの数が少なく、印刷速度が劣るほか(PX-435A、PX-405AのL判印刷時間は75秒、PX-045AのL判印刷時間は105秒)、メディアカードスロットを搭載せず、メディアカードのダイレクトプリント機能に対応しない。給紙容量は最大で50枚だ。想定実売価格は1万円未満となっている。
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