Readerアプリが“Android”の大海原へ Xperia以外でも利用可能に(2/2 ページ)

» 2012年10月11日 13時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]
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 ビューワとしての機能も磨きがかかっている。新アプリでは、「フェード」「スライド」「ページめくり」の3種類から、ページ送りのエフェクトが選べるようになった。フェードは、画面が白くフェードアウトしたのち次のページが浮かび上がるというもの。スライドは文字通り紙をスライドするようにページが切り替わる。そしてページめくりでは、指の動きに合わせて画面の表示がめくり上がる。


photo タブレット端末で「ページめくり」のエフェクトを試した様子。バーチャルな紙の本をめくっているような感覚で読書できる

 ページめくりのエフェクトに関しては、他の電子書籍アプリでも似たものがよく使われているが、実はReaderアプリでは今回が初対応だ。紙の雰囲気を重視するユーザーには、うれしい新機能ではないだろうか。

 このほか、テキストコンテンツの2段組み表示にも新たに対応。2段組で2ページ文を表示することも可能になった。

photo タブレット端末で2段組みによる2ページ表示をした様子

ネット機能を生かしたSNS連携、ページ同期機能

photo SNS連携の画面。Twitter/Facebookの双方に同時投稿したり、どちらかのみに投稿するといったことができる

 SNSとの連携機能も新アプリのトピックだ。TwitterとFacebookとの連携に対応し、それぞれのSNS対して作品の感想などを作品情報や書影とともに投稿できる。また、テキストコンテンツに関しては、文章の一部をコピーして投稿することも可能だ。アプリから投稿できるのは最大140文字まで。“心に残った一文を紹介したい”といった時に、同機能が役立つだろう。

 また、複数端末間で読んでいるページを同期できる機能も新たに加わった。この機能は同アプリをインストールした端末、または9月21日に発売された同社の“Reader”「PRS-T2」との間で利用できる。いずれかの端末で最後に読んだページを3GやWi-Fiを通じて同期するもので、例えば「家のタブレット端末で読み進めた作品の続きを、通勤中にスマートフォンで読む」といった、シーンごとに端末を変えて読むユーザーが重宝する機能となっている。


PlayStation Vita向けReaderアプリも登場

 新Androidアプリの登場で対応デバイスが広がったReader Store。加えて、同日からPlayStation Vita向けアプリ「Reader for PlayStation Vita」の配信も始まった。

 Vita向けアプリでは、Reader Storeの全作品が読めるわけではない。コミックや攻略本など一部の作品に限り、同アプリを通じて購入や閲覧ができる。ファイル形式は、「.mnh」ファイルのうちEPUB3をベースにしたものに対応。サービス開始時点では、約3300冊の作品が同アプリに対応している。すでにReader Storeで購入した作品がVitaにも対応していれば、購入履歴からダウンロードできる。


photophoto バーチャル本棚で作品を管理。同表示とは別にサムネイルのリスト表示も利用できる(写真=左)。横画面でコミックを見開き表示した様子(写真=右)

photo 縦画面にすると1ページ表示に切り替わった

 アプリはVitaの処理能力を生かした、グラフィカルかつサクサク動くUIが特長的だ。ダウンロードした作品はバーチャル本棚、あるいはサムネイルのリスト表示で管理する。読書時には、横画面で見開き表示や拡大表示、縦画面で1ページ表示に対応。ページ送りには画面のフリックに加え、「L」「R」といった物理ボタンも利用できて便利だ。

 なお、同アプリでもページ同期機能が使えるが、コンテンツによっては思い通りに動作しない場合があるだろう。例えば、過去に買ったコミックが当時.bookベースのファイルで、その後に配信ファイルがEPUB3ベースに切り替わっていたような場合は、既存の端末に残っている.bookベースのファイルとVitaでダウンロードしたEPUB3ベースのファイルとの間で同期機能は作動しないのだという。少なくても、Vitaで新しく購入した作品に関してはページ同期機能が利用できる、と考えておけばいいだろう。


 新Androidアプリの提供によるReader Storeのユーザー拡大に弾みをつけるべく、ソニーは新規ユーザーを対象にしたキャンペーンを1月15日まで実施する。新アプリをダウンロードし、「My Sony ID」の取得とアプリの機器認証を済ませたユーザーに、ソニーポイントを300ポイント(300円分)贈呈するというものだ。ポイントで作品を購入することも可能なので、気になるユーザーは同キャンペーンを活用して試しに作品を購入してみるのもいいだろう。Vita向けアプリを対象にした同種のキャンペーンも、1月10日まで実施されている。

 また、Reader Storeでは同日から、NTTカードソリューションが提供するプリペイド式電子マネー「NET CASH」に対応している。クレジットカードを持たないユーザーでも決済ができるようになり、若い世代をはじめ幅広いユーザーが手軽にコンテンツを購入できるようになっている。

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