CPUとマザーボードの大きな動きは4月に集中した。圧倒的なシェアを誇るCPU「Sandy Bridge」の後継として、インテルが「Ivy Bridge」と新世代チップセット「Intel Z77/H77/B75 Express」を投入。5月の大型連休を過ぎたころには、主力製品としてすっかり代替わりを果たした。
最初に発売されたのはマザーボードだ。販売解禁の4月8日0時1分には、ツートップ秋葉原本店が単独の深夜販売を決行。日が昇って各店で通常営業が始まると、アキバのパーツショップ全体で売られるようになった。
Z77/H77/B75マザーはUSB 3.0をネイティブサポートするなど、前世代のZ68やH67などにはない新機能を備えているが、Sandy Bridgeにも対応する。それでも、Ivy Bridge発売前までは様子見するユーザーが多かったようだ。当時、TSUKUMO eX.は「各社のマザーをじっくり調べている人ばかりです。まあ、CPUよりもマザーボードのほうが選択肢が広いのは確かなので」と話していた。
Ivy Bridgeが売り出されたのは4月29日0時1分。マザーボードのときと違い、ツートップ秋葉原本店とドスパラ パーツ館、PC DIY SHOP FreeT、クレバリー秋葉原店の4店舗が深夜販売イベントに乗りだし、街全体で約400人のユーザーを集めた。
初回のラインアップはCore i7/i5で、特に人気を集めたのは最上位の「Core i7-3770K」。3万円台前半で登場し、夏場まで供給が十分に追いつかないほどの反響があった。パソコンショップ・アークは「Sandy Bridgeに比べて省エネ性が高く、内蔵GPUの性能も上がっているというのがIvy Bridgeのおおまかな強みです。このため、省エネ性の高いCore i7-3770Sなども売れますが、やはり中心は最上位の3770Kになります」と語る。
全体的な売れ行きも上々だったが、一部のユーザーの間ではCPU内部の冷却性能に疑問を持つ声も挙がった。PC DIY SHOP FreeTは「Ivy Bridgeはヒートスプレッダとコアの間に、そんなに熱伝導率の高くないグリスを挟んでいるんですよ。これをもっと冷える素材に取り替えるべく、自己責任でヒートスプレッダを開ける(カラ割りする)人もいます」。そして同店でもカラ割りしたIvy Bridgeを限定数売り出し、大いに話題を集めていた。
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