自作街にも少なからず変化があった。なかでもインパクトが大きかったのは、クレバリーだろう。
2月末、それまで1号店と2号店、インターネット館の3店舗構成だったクレバリー各店が一斉に閉店。その直後の3月3日に、インターネット館を作り替えた3店舗統合の「クレバリー秋葉原店」がオープンした。常連客や周囲のショップからは、店舗数が減ることを寂しがる声が多数あがったが、それでもクレバリー自体の存続は決まっていたため、肯定的に捉える向きも少なくなかった。
再出発後もIvy Bridgeの深夜販売を決行するなど積極的な営業を続けていたが、5月30日に突然幕が降りる。株式会社クレバリーが3億3200万円の負債を抱え、東京地裁に自己破産を申請。同時に秋葉原店も閉店となった。
シャッターが下ろされた店舗前に残ったパーツ価格表が、店舗スタッフにとっても寝耳に水だったことを伺わせる。周辺ショップからは「経営が厳しいというウワサは聞いていましたが、このタイミングとは思いませんでした。悲しいですね」「在庫が薄いのは前から気になっていましたが……」など、残念がる声が多数聞こえた。
一方で、クレバリー1号店の跡地には、中古ケータイなどを扱う「Rmobile 秋葉原店」が、2号店跡地には末広ビル1階から移転したPC DIY SHOP FreeTがまもなく入店。4月も後半に差し掛かるころ、パーツ通りの賑わいはすっかり回復していた。
再オープンに際して、PC DIY SHOP FreeTは「フロアの面積は以前より狭くなりましたが、(T-ZONE.PC DIY SHOPのころから)ようやくパーツ通りに戻ってこれたという喜びのほうが断然大きいです。何しろ、人通りは10倍くらい違いますから」と意欲的に語っている。その言葉どおりにIvy Bridgeの深夜販売イベントでは、ドスパラ秋葉原本店と同店が向かい合うエリアが街一番のホットスポットになっていた。
以降も年末までこの場所の熱気は下がっていないが、もちろん変化もゼロではない。続きは後編で振り返っていこう。
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