アメリカでは2013年現在、すでに高速な4G(3.9G)データ通信環境──LTEやWiMAXのプリペイドサービスが提供されている。これまでにもClearwireのWiMAXをラスベガスで、VerizonのLTEをサンフランシスコで購入し、その買い方や使い方をリポートした。
だが、(詳細はバックナンバーを参照願いたいが)ラスベガスのClearはオンラインでしか料金チャージができず、日本のクレジットカードが使えないというデメリットがあった(なお、2013年のラスベガス・2013 CES期間中は、ClearのWiMAXがUQコミュニケーションズの海外ローミングで使えない不具合があったようだ)。一方Verizonのほうはオンラインで残高確認ができなかったが、2013年現在は改善されている模様である。Best Buyなどの量販店でも同社のLTEルータのプリペイド販売は普通に行われている。
今回は2013 International CESの取材前にシカゴへ立ち寄り、現地でプリペイドのデータ通信環境を入手してみた。シカゴ散策のあとはラスベガスへ移動し、そのまま同じものを使ってみることにしたのだ。
なお、ラスベガスの量販店でもVerizonのLTEルータが結構売れており、2013年現在、LTEの普及がかなり広まっている印象を受けた。しかしVerizonのプリペイドLTEサービスは定額ではなく「1週間で250Mバイトの通信まで/15 USドル(日本円換算約1360円 2013年1月末現在/以下同)」「1カ月で3Gバイトの通信まで/60ドル(約5454円)」「1カ月で10Gバイトの通信まで/90ドル(約8181円)」の3タイプで、やや割高な感じだ。ClearwireのWiMAXなら約50ドル(約4545円)で定額のデータ通信が利用できるだけにWiMAXエリアであるならそちらのほうがお得なのだが、前述したように料金の支払いに難点がある。ま、これまでは一長一短だったわけだ。
ところが、2012年夏よりVirgin MobileがWiMAXの定額サービスを開始した。同社は料金の支払いに量販店やコンビニなどで売っているバウチャー(Top-Upカード/日本ではiTunes Cardのようなスタイルで使うプリペイドカード)を使うことができるため、継続利用も簡単だ。料金プランは4G=WiMAXが定額、それにサブとして3G=EV-DO回線のデータ通信量を付与する複数のプランを用意する。こちら、WiMAXエリアのみであれば完全定額で使えるわけで、今回はこれを購入してみることとした。
シカゴの訪問日は2013年1月早々。街中の気温表示は25度とあるが、これはもちろんカ氏(華氏)表示(アメリカでは主にカ氏表示を用いる)。もちろんそんなにあたたかいわけはない。日本人が日常で使うセ氏(摂氏)に換算するとマイナス約3度である。
例年ならばこの時期のシカゴは雪に覆われるそうだが、2013年の年明けはまれに見る暖冬とのことで積雪はほとんど見られなかった。とはいえ氷点下以下の気温が筆者にとって厳しいことには変わりはなく、手袋なしでは歩けないほどであった。とくに市の中心部はビルが立ち並ぶためにビル風も強く、体感温度はさらに低かったように思う。
シカゴの空の玄関口であるオヘア国際空港から市中心部までは鉄道で45分ほど。その中心部には9駅ほどの環状鉄道があり、そこを南北に貫くように空港からの鉄道など2本の地下鉄が走っている。このエリアは「Loop」と呼ばれており、南北900メートル、東西500メートルほど。面積はさほど広くはないので、1日あれば徒歩でも歩き回れるほどだろう。Loopの中にはスターバックスやマクドナルドなどおなじみの店舗がいくつかあったので、寒くなったらそこに逃げ込むのもよさそうだ。
さて、この街にも当然通信事業者の店舗が多くあるものの、今回購入を予定していたVirgin Mobileはどこに売っているのか。親回線会社(MVNE)であるSprintの店舗を訪問したところ、取り扱いはなし。以降3軒ほど店を回ったがどこにも置いていなかった。店員によると「RadioShackかBest Buyに行けば売ってるぜ」とのことである。Googleマップで調べると、LoopエリアにはRadioShackも数軒あるので、そこに行ってみることにしよう。シカゴでプリペイド製品を買う場合は、基本的に事業者の店舗より量販店のほうがよいのかもしれない。
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