バッファローのUSB 3.0外付けHDD「HD-GDU3」シリーズは、1GバイトのDRAM(Dynamic Random Access Memory)をキャッシュに使うことで、データ転送の効率をアップした製品だ。同社は世界最速のシーケンシャルライト速度(1ドライブの外付けHDDにおいて、2013年2月現在)とうたっており、従来のUSB 3.0外付けHDDより2倍以上速いとしている。
単体でHDDのデータ転送速度を上げる試みとしては、キャッシュ用の小容量SSDを組み合わせるISRT(Intel Smart Response Technology)やExpressCache、キャッシュ用のNANDフラッシュメモリを搭載するハイブリッドHDDなどもある。このHD-GDU3シリーズはアクセスを高速化する同社独自のソフト「TurboPC EX2」を導入すればシーケンシャルライトで最大408.1Mバイト/秒ものスピードが出るとしている。ラインアップは容量が異なる3モデル(1T/2T/3Tバイト)で、今回は1Tバイトモデルの「HD-GD1.0U3」を試用した。
HD-GD1.0U3が内蔵するHDDは東芝製の「DT01ACA100」(1Tバイト/7200rpm/キャッシュ32Mバイト)で、富士通製のUSB 3.0変換コントローラやエルピータ製のDRAMを備えた基板を搭載する。それでは早速、転送速度を計測してみよう。
製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用している部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するとは限りません。
検証用のPCはマウスコンピューターの「MDV-AGZ7130B-SH」を利用し、速度の測定はCrystalDiskMark 3.0.2で行った。MDV-AGZ7130B-SHの主なスペックは、Core i7-3770(3.4GHz/最大3.9GHz)とIntel Z77 Expressチップセットを組み合わせた基本システムに、16Gバイトのシステムメモリ、容量120GバイトのSSD(Intel SSDSC2BW120A/Serial ATA 6Gbps)を搭載する。OSは64ビット版Windows 8だ。
CrystalDiskMark 3.0.2のテスト回数は5回とし、ファイルサイズは1000Mバイトと100Mバイトの2種類で行った。なお、比較用としてDRAMキャッシュを搭載しない従来モデルのUSB 3.0外付け1TバイトHDD「HD-LB1.0TU3-BKC」と、MDV-AGZ7130B-SH内蔵の120GバイトSSD(Intel 520シリーズ)のスコアも併記する。
結果を見ると、やはり本機は従来モデルより全体的に高速だ。シーケンシャルリード/ライトに関してはそれぞれ約1.8倍と約2.2倍の差が出た。ランダムアクセスについては、512Kバイトでは5〜6倍、4Kバイトでは10倍以上の差がつく。4K QD32については、1000Mバイトでは新モデルも従来モデルも同程度の性能だが、100Mバイトでは新モデルの方が30倍ほど速い。DRAMキャッシュが1Gバイトということで、ファイルサイズ100Mバイトと1000Mバイトで変化が出た。
シーケンシャルライト、512Kバイトランダムライトを除けば、最近のSSDに及ばない数値だが、これまでのUSB 3.0外付けHDDよりもはるかに速い。ここからさらに転送速度を上げるために、同社独自のソフト「TurboPC EX2」を導入しよう。
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