「世界最速」をうたう外付けHDD――バッファロー「HD-GDU3」実力テストSSDに迫る性能で大容量(1/3 ページ)

» 2013年03月15日 13時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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外付けHDD界の“赤い彗星”か?

 バッファローのUSB 3.0外付けHDD「HD-GDU3」シリーズは、1GバイトのDRAM(Dynamic Random Access Memory)をキャッシュに使うことで、データ転送の効率をアップした製品だ。同社は世界最速のシーケンシャルライト速度(1ドライブの外付けHDDにおいて、2013年2月現在)とうたっており、従来のUSB 3.0外付けHDDより2倍以上速いとしている。

photophoto バッファローの外付けHDD「HD-GDU3」シリーズのパッケージ。世界最速を強調しており、従来のUSB 3.0モデルよりも2倍以上速いとしている(写真=左)。HD-GDU3シリーズは1GバイトDRAMを搭載することで、データ転送速度を飛躍的に向上させた。本体サイズは45(幅)×202(奥行き)×126(高さ)ミリで、重量は実測で852グラムだった(写真=右)

 単体でHDDのデータ転送速度を上げる試みとしては、キャッシュ用の小容量SSDを組み合わせるISRT(Intel Smart Response Technology)やExpressCache、キャッシュ用のNANDフラッシュメモリを搭載するハイブリッドHDDなどもある。このHD-GDU3シリーズはアクセスを高速化する同社独自のソフト「TurboPC EX2」を導入すればシーケンシャルライトで最大408.1Mバイト/秒ものスピードが出るとしている。ラインアップは容量が異なる3モデル(1T/2T/3Tバイト)で、今回は1Tバイトモデルの「HD-GD1.0U3」を試用した。

 HD-GD1.0U3が内蔵するHDDは東芝製の「DT01ACA100」(1Tバイト/7200rpm/キャッシュ32Mバイト)で、富士通製のUSB 3.0変換コントローラやエルピータ製のDRAMを備えた基板を搭載する。それでは早速、転送速度を計測してみよう。

photophotophoto 前面にはHDDの電源ランプとアクセスランプがある(写真=左)。背面にはUSB 3.0と、ACアダプタ接続用のDC入力、セキュリティロックポートを備える(写真=中央)。左側面の四隅にはゴム足がある。横置き時は左側面を下にする(写真=右)
photophotophoto 内蔵するHDDは東芝の「DT01ACA100」だった(写真=左)。基板には富士通のUSB 3.0変換コントローラとエルピータのDRAMが載っていた(写真=中央)。USB 3.0対応ケーブルとACアダプタが付属する(写真=右)

注意

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用している部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するとは限りません。


photo 比較用に使用したUSB 3.0外付けHDD「HD-LB1.0TU3-BKC」。USB 3.0対応モデルとしては一般的なモデルだ

 検証用のPCはマウスコンピューターの「MDV-AGZ7130B-SH」を利用し、速度の測定はCrystalDiskMark 3.0.2で行った。MDV-AGZ7130B-SHの主なスペックは、Core i7-3770(3.4GHz/最大3.9GHz)とIntel Z77 Expressチップセットを組み合わせた基本システムに、16Gバイトのシステムメモリ、容量120GバイトのSSD(Intel SSDSC2BW120A/Serial ATA 6Gbps)を搭載する。OSは64ビット版Windows 8だ。

 CrystalDiskMark 3.0.2のテスト回数は5回とし、ファイルサイズは1000Mバイトと100Mバイトの2種類で行った。なお、比較用としてDRAMキャッシュを搭載しない従来モデルのUSB 3.0外付け1TバイトHDD「HD-LB1.0TU3-BKC」と、MDV-AGZ7130B-SH内蔵の120GバイトSSD(Intel 520シリーズ)のスコアも併記する。

photophoto ファイルサイズ100Mバイトの結果(グラフ=左)と、ファイルサイズ1000Mバイトの結果(グラフ=右)

 結果を見ると、やはり本機は従来モデルより全体的に高速だ。シーケンシャルリード/ライトに関してはそれぞれ約1.8倍と約2.2倍の差が出た。ランダムアクセスについては、512Kバイトでは5〜6倍、4Kバイトでは10倍以上の差がつく。4K QD32については、1000Mバイトでは新モデルも従来モデルも同程度の性能だが、100Mバイトでは新モデルの方が30倍ほど速い。DRAMキャッシュが1Gバイトということで、ファイルサイズ100Mバイトと1000Mバイトで変化が出た。

 シーケンシャルライト、512Kバイトランダムライトを除けば、最近のSSDに及ばない数値だが、これまでのUSB 3.0外付けHDDよりもはるかに速い。ここからさらに転送速度を上げるために、同社独自のソフト「TurboPC EX2」を導入しよう。

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