ICONIA W700DにはBluetooth接続のキーボードを搭載したカバーが標準で付属しており、カバーに固定されているシリコンケースにボディをはめこんで利用する。専用のオプションだけあって、端子やボタンはカバー(シリコンケース)を装着したままでも使える。強いて難点を挙げるなら、電源ボタンが少し押しにくいことくらいだろうか。本体の画面とキーボードが直接接触しないよう、キーボードの四隅にゴムクッションを配置しているところもよい。
カバーの表面はベージュ系の落ち着いた皮系素材が使われており、心地よく手になじむ感触がある。カバーを閉じると高級な文房具のような雰囲気で、ビジネスシーンにも違和感なく使えそうだ。キーボード付きカバーの重量は実測で597グラムで、本体を装着した状態では1536グラムになる。かなり重くなってしまうが、タブレット単体で持ち運ぶ以外の方法が用意されている点は大きなメリットといえる。
Bluetoothキーボードの奥に溝があり、端末を立てることでスタンドにもなる。画面の角度は(水平に対して)約120度に固定される。視野角の広いIPS液晶を採用しているので、机などの上で利用するぶんには角度を調整できなくとも不都合はない。安定感もあり、例えば新幹線の車内などでもテーブルさえあれば多少揺れても倒れることはないと思われる。
キーボードの配列は、同社製品でよく見られる独特の5段配列だ。標準的な6段配列からファンクションキーなどがある段を省いている。ファンクションキーは、Fnキーと最上段にある数字キーとの同時押しで対応するが、日本語IMEを利用する際にはファンクションキーを多用するだけに惜しいところだ。
キーの数が少ないぶんキーピッチには余裕があり、19ミリ(横)×18(縦)ミリを確保している。キーボードが薄いぶん、キーストロークは浅いが、浅いなりにタッチ感も悪くない。ただし、スペースキー、Enterキーといった大きなキーは安定感がいまひとつで、カチャカチャとした音も気になった。
ICONIA TAB W700Dはタブレットでは珍しく、最近の一般的なUltrabookと同様に、超低電圧版のIvy Bridge/Chief Riverプラットフォームを採用しているのも特徴だ。CPUは2コア4スレッド対応のCore i5-3337Uを搭載している。基本動作クロックは1.8GHzだが、Intel Turbo Boost Technology 2.0により、高負荷時は最大2.7GHzまでクロックが向上する。
グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を利用し、メモリはPC3-10600 SDRAMを4Gバイト搭載している。デュアルチャンネルアクセスによりメモリアクセスを高速化している点は見逃せない。データストレージはSerial ATA 6Gbpsに対応する容量128GバイトのSSDを採用し、評価機のデバイスマネージャでは「TOSHIBA THNSNS128GMCP」が搭載されていた。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を標準装備する一方で、有線LANポートは搭載していない。
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