仕事で使うなら、これだ──。レノボ・ジャパンが示す“ハイブリッドUltrabook”、「ThinkPad Helix」が国内でも販売される。ThinkPadシリーズを生み出すレノボ開発拠点の1つ“大和研究所”が追求した、PCのこれからのカタチにどんな工夫を込めたのか。さっそく外観をチェックしてみよう。
ThinkPad Helixは、ノートPC(Ultrabook)のフラグシップと位置付ける「ThinkPad X1 Carbon」、ThinkPadの新しいカタチとして提案するタブレット型「ThinkPad Tablet 2」、それぞれのメリットを融合した着脱スタイルのThinkPadだ。
ディスプレイサイズは11.6型とX1 Carbonより小型だが、高精細な1920×1080ドット表示でデジタイザ+タッチパネル内蔵のIPS液晶ディスプレイを採用。さらに既存Ultrabookと同じ第3世代Coreプロセッサー・ファミリー(Core i5-3427U、Core i7-3667U)+Windows 8 Proのシステムを、概念としてはTablet 2の中に入れてしまった──という感じとなる。レノボ・ジャパンが提案するHeliXの利用スタイルは、
の4つが想定されている。
まずはノートブックモードから。一般的に、ディスプレイ/キーボード着脱式のハイブリッドPC/タブレット機器はディスプレイ部分にPCの基本システム(CPU、マザーボードや電源制御・インタフェース基板、バッテリー)をすべて入れる仕組みため、頭でっかちなバランス感になりがちだが……Helixは、昨今のUltrabookと比べると若干厚めではあるものの、その印象をあまり受けない。ディスプレイ開閉の角度やヒンジの位置や重さ(開閉の抵抗感)に違和感がなく、いわゆる普通のノートPCとして活用できる。
これは、冷却システムを含む着脱機構とともに「システムの転倒は許されない。工夫して重心設計を行ったため」とレノボ大和研究所 ThinkPad Helix製品開発統括担当の伊藤貴志子氏は述べる。ヒンジの軸をわずか手前側にオフセットさせ、若干重いディスプレイ部もプラプラせず、安定して自立する絶妙なヒンジ抵抗感に調整されている。ディスプレイ開度は少し浅めの最大125度だが、こちらも机上利用/ヒザ上利用においてさして不足ない範囲であり、仮に(これまでのThinkPadシリーズのように)180度開いて対面会話したいシーンでは、カチャッと外して相手に見せればいいわけである。
もう1つはキーボード+ポインティングデバイス。Ultrabook+薄型化の推進により、キーボードの操作性がとても残念な、あるいは妥協せざるを得なかったモデルが意外と増えているのだが、Helixはしっかり深めのキーストローク、赤いポッチのトラックポイント、さらに新採用の「5ボタンクリックパッド」により、キー入力環境は「ThinkPad X1 Carbonと同等」とうたう。「ここを妥協してはThinkPadではない」(同上)。
新たに採用した5ボタンクリックパッドは、中央に支点を置き、シーソーのように動くことで上部にもクリックできるようにした。タッチパッド操作時/トラックポイント操作時で動作モードを動的に遷移する制御を行うのが大きなポイントで、X1 Carbon比で小型化したボディとしつつ、機能は省くことなく実装している。トラックポイントに指を置くと上部に、タッチパッドに触れると下部にクリックボタンの機能が自動的に移動するよう動作する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.