「VAIO Duo 13」の“最先端スライドボディ”を丸裸にするVAIO完全分解&開発秘話(前編)(3/6 ページ)

» 2013年09月19日 11時30分 公開

UDカーボンの絞り成型により、薄型軽量、堅牢性、デザインを追求

底面には加工は難しいが、堅牢性が非常に高い東レ製の「UDカーボン」を採用する

 ボディの素材も見直している。VAIO Duo 11は底面にNFCを内蔵した関係で、底面カバーに電波が通りやすいガラス繊維入りの強化樹脂を採用していたが、VAIO Duo 13は底面カバーに東レ製の「UDカーボン」を使用し、NFC内蔵部のみ小さな樹脂のカバーを付けた構造だ。

 UDカーボンのUDとはUni Directionalの意味で、単一方向に繊維をそろえたカーボン素材のこと。これを縦、横、縦、横といった具合に90度ずつ繊維方向を変えながら積層して強度を高めている。UDカーボンは加工が難しいが、ニットのように繊維を縦横に編み込んだ通常のクロスカーボンより高い剛性を確保できるのが特徴だ。

 UDカーボンは、当然ながら樹脂より高コストだが、薄型軽量と剛性を両立するのに有利な素材のため、VAIO Pro 11/13など歴代のVAIOモバイルノートに数多く使われてきた。VAIO Duo 13に採用するにあたっては、新しい試みとしてUDカーボンを絞って成型し、見た目の薄さと堅牢性をさらに高めている。

機構設計を行った齋藤氏

 このUDカーボンを含む機構設計を担当した齋藤氏は、「単に薄い板を敷くより、折り曲げたほうが構造的に高い剛性を得られるため、これまでにUDカーボンを折り曲げた底面カバーを採用したVAIOノートは複数存在したが、UDカーボンを3面に絞って作ったのは今回が初めて。金属と違って伸びないカーボン素材を絞って、緩やかな曲線を出すという挑戦をした。底面カバーは3次元的な面になっており、左右が曲がっていることから、カーボン素材の強さに形状の強さが合わさって、見た目に美しく剛性も非常に高い底面に仕上がった」と、その優位性を解説する。

 さらに笠井氏は、「VAIOは他社に先駆けてカーボンを使い続けてきたが、単に既製品を採用するのではなく、長年に渡り素材メーカーと密接にやり取りし、次の課題をクリアしたら何が可能になり、どう製品に反映できるか、といったロードマップを描いてノウハウを積み上げている。カーボンの板を曲げたら強くなるのは誰でも思いつくだろうが、製品に必要な強度と最適な加工法、それがPCの魅力にどうつながるのか、といったところまでは蓄積がないと追い込めない。これこそが、他社が追従できない部分」と、VAIO全体におけるカーボン加工面での強みを力説した。

 パームレストからキーボード面にかけては、アルミニウムの1枚板を採用し、プレスで成型した。液晶ディスプレイ部を閉じた際に隙間なく重なるよう、奥に向かってアルミニウムの板を折り曲げてくぼませた形に成型されており、デザイン的にはキーボード左右に斜めに走るラインがアクセントになっている。

 「VAIO Duo 11はヘアライン加工で金属の質感をダイレクトに伝えるデザインだったが、VAIO Duo 13は板をくぼませているため、ヘアラインをうまくつけられない。そのため、キーボード左右のラインをしっかり出すことで、剛性感、シャープなスクエアなイメージを演出している。また、パームレストのVAIOロゴにはダイヤモンドカット加工を施し、高級感を出した」(田中氏)と、細部に至るまでデザインへのこだわりが詰まっている。

 その他の各部については、液晶ディスプレイは表面が高硬度のガラスで、その奥のフレーム部は樹脂、液晶ディスプレイの背面はガラス繊維入りの強化樹脂、スライド機構のヒンジ部はアルミダイキャスト、背面のインタフェース周辺部は樹脂、タッチパッドは樹脂で表面にシート材を貼っている。それぞれ軽さ、強さ、見栄えのよさ、コストなどを総合的に判断し、適材適所の素材を採用したという。

底面はUDカーボンを左右に絞って作られている(写真=左)。キーボードの左右に斜めに走るラインが印象的なパームレストのデザイン(写真=右)。手前のVAIOロゴには、ダイヤモンドカット加工を施している

 ボディカラーはVAIO Duo 11のブラックとシルバーに対して、VAIO Duo 13ではブラックとホワイトに変更した。田中氏は「VAIO Duo 13では、タブレットモードでシンプルなスクエアの外観を実現できたため、ペンで真っ白なキャンバスに書くイメージが伝わりやすいホワイトを採用した。新しく追加したペンスタンドもホテルのカウンターなどに置いてあるペン立てから着想を得たもので、見た瞬間にペンと紙をイメージして、何か書きたくなる雰囲気を出したかった」とその意図を説明する。

 もちろん、鮮やかな光沢レッドをまとったプレミアムモデル「VAIO Duo 13 | red edition」も用意している。

ボディカラーはブラック(写真=左)とホワイト(写真=右)を用意

鮮やかなレッドとブラックのツートーンカラーが目を引く「VAIO Duo 13 | red edition」

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