「VAIO Duo 13」を“徹底解剖”したらPCの未来が見えてきたVAIO完全分解&開発秘話(後編)(4/7 ページ)

» 2013年10月04日 12時00分 公開

Connected Standbyと瞬間復帰でスマートデバイスのよさを吸収

第4世代Coreは従来より深いCステートを用意し、消費電力を抑えている(インテル提供の資料)

 前述の通り、VAIO Duo 13は第4世代CoreのUシリーズを採用するが、そのメリットは性能よりむしろ省電力の面が大きい。C8〜C10というプロセッサの新たなアイドルステートに加えて、S0ix(S0i1/S0i3)というACPIを拡張したシステムレベルのアイドルステートに対応しており、システム全体で大幅な省電力化が可能になったのだ。

 もっとも、こうした省電力化の恩恵は、他社の第4世代Core搭載Ultrabookでも享受できるだろう。VAIO Duo 13ならではのアドバンテージは、「第4世代Core搭載のPCで他社に先駆けてWindows 8のConnected Standby機能に対応したことと、スリープ状態から約0.3秒(ワイヤレスWAN非搭載時)という超高速復帰の機能を備えていること」(山内氏)となる。

 これにより、実質スリープ中でもネットワークとの常時接続を維持し続け、Windowsストアアプリを待機したまま、メールやSkype、Twitterの通知、カレンダーの更新など必要最低限の動作を省電力に実行することが可能だ。そして、電源ボタンを押すか、側面のフックに差したペンを引き抜けば、瞬時に復帰して使い始めることができる。

スリープ状態から側面の電源ボタンを押すと、ほぼ同時にWindows 8が復帰。スマートフォンやタブレットと同等の使い勝手を高性能なPCで実現しているのは特筆できる

 MicrosoftはConnected Standbyのサポート条件として、「16時間で約5%以内のバッテリー消費に抑える」という目標を掲げているが、「VAIO Duo 13はS0ixのConnected Standby状態で2週間バッテリーが持つ」(土田氏)と、当然これを満たす。

 つまり、これまでPCがスマートフォンやタブレットに劣っていた「電源を切らず、従来型PCのような深いスリープ状態にも入らず、ディスプレイを消灯した省電力の状態に持ち歩き、常時接続でメールやアプリの通知を行い、使いたいときにすぐ使えること」を実現しているのだ。

 VAIO Duo 13以前にもAtom搭載のWindows 8タブレットでConnected Standbyに対応した製品は存在したが、よりパワフルで消費電力も高いCore i5/i7搭載モバイルPCでこれに対応しているのだから、開発には並々ならぬ苦労もともなった。

 笠井氏は「まずConnected Standbyに対応し、消費電力をできるだけ抑えるため、インテルと我々でC10というプロセッサの新しいアイドルステートを共同開発した。システム全体の省電力化で非常に難しかったのは、全デバイスの電力量をカットしなければならなかったこと。各デバイスに対して、細かく消費電力の目標を立て、それをすべてのベンダーが達成し、割り込みの最適化などをしなければ、ここまでに仕上がらない。0.3秒の瞬間復帰は、液晶ディスプレイやタッチパネルも含めてシステム全体でリーク電力を抑えつつ、起動に必要なプロセスを最適化し、ドライバをすべてのデバイスベンダーと協力して作り込んでようやく実現した」と当時の苦労を振り返る。

 さらに山内氏は「何かを思いついた瞬間に紙のノートを開いてサッと書けるようなスピード感は、これまでのPCでは不可能だったが、とても重要と考えていた。そのために長時間駆動のバッテリー、Connected Standby、瞬間復帰とPen Wake、高速な顔認証(FastAccess)など、必要な技術を余すことなく詰め込んだ。単にスペックとしてConnected Standbyへの対応を自慢したいのではなく、こうした積み重ねでVAIO Duo 13がアナログの紙とペンに近い領域に達していることを体感していただきたい」と付け加えた。

前編でも紹介した「Pen Wake」機能。スリープ状態でペンフックからペンを抜くと、瞬時にWindows 8が復帰し、ロック画面になるが、ここでFast Accessによる顔認証ログオンが自動的に行なわれ、ロックがすぐ解除される。ロックが解除された後は、あらかじめ指定しておいたアプリ(動画では初期設定のNote Anytime for VAIO)が立ち上がる

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