アキバのBUY MORE内に“オサレ”な「iiyama PC」ショールーム誕生――「幅広いユーザー層にアピールしたい」iiyama PC復活の狙いとは?

» 2013年10月18日 22時30分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

ブランドイメージを変え、よりPCメーカーらしく

photo ショールームの内装。白を基調としたおしゃれで落ち着いた空間だ

 ユニットコムは10月18日、「iiyama PC」ブランドでデスクトップ/ノートPCの販売を開始し、BUY MORE秋葉原本店内にiiyama PCのショールームをオープンした。

 ショールームはBUY MOREの入り口を入ってすぐ左手にある。白で統一した壁や床、展示台のiiyamaブランドのノート/デスクトップPCが並び、BUY MOREとはまったく異なる雰囲気を演出している。「実機に触れてもらったユーザーと気軽に対話ができる空間を目指した」(ユニットコム 販促企画部課長 渡辺朗氏)という。

 店内にある展示品は在庫が用意されており、その場で購入できるほか、カウンターで購入相談も行え、配送受付やBTOにも対応する。店員とBTOの構成などについて相談した上で注文できるのはうれしい。組み立て工賃がかかるものの、BUY MORE秋葉原本店で購入したパーツを即納PCに組み込むことも可能だ。

 「Webで展開しているBTOは選択肢があるものの、ここで注文すれば(物理的に無理なパーツを除けば)選択肢は無限大。デスクトップPCであればケースすら選べる。パーツショップ内に展開するショールームとして、こうしたところが強みになる。PC購入からパーツ購入の流れに持っていければ。今後は実店舗とWebの連携を強めたサービスなども展開したい」(渡辺氏)という。

photophotophoto 左側にiiyama製液晶ディスプレイを(写真=左)、右側にデスクトップPCを展示する(写真=中央)。中央は大画面からモバイルまでのノートPCを並べていた。購入相談やBTOカスタマイズが行えるカウンターも用意(写真=右)

 現在の「iiyama」といえば、マウスコンピューター内で液晶ディスプレイを取り扱っているが、今回ユニットコムでPCのブランドとして展開したのにはブランドイメージを固める狙いがあるという。「もともと我々もLesance(レサンセ)というブランドを持っていますが、なかなかユーザーに覚えてもらいにくかった。その点、iiyamaであれば古くからのPCユーザーに認知されているし、国産というイメージも出せる」(渡辺氏)

 なお、マウスコンピューターが扱うiiyamaブランドの液晶ディスプレイも店内に展示し、同時購入による割引きといったキャンペーンも企画しているが、基本的には両者は別々に動くという。製品紹介のページも別々のWebページで展開。ロゴのデザインもやや異なる。

 iiyama PCはLesanceに変わる新しいブランドとして順次商品数を増やし(移行し)、Lesanceは終息させる方向で話が進んでいるという。ノート/デスクトップPCともに幅広い商品ジャンルを扱い、今後は「時代の流れに合わせ、タブレットや2in1Ultrabookも投入していきたい」(渡辺氏)としている。

photophotophoto ノートPCはモバイル(写真=左)から大画面まで(写真=中央)、幅広いラインアップをそろえた。iiyamaオリジナルモデルにはディスプレイの下にiiyamaロゴが入っている(写真=右)
photo iiyama PCのWebページ。購入時にはユニットコムのWebページに遷移するという

 「このタイミングで動いたのはWindows 8.1に合わせたというのはあるが、もともとブランドイメージを変えたいという思いは社内でも高まりつつあった」と渡辺氏は語る。同社は低価格・高コスパ路線で製品を展開していたが、最近は海外ベンダーや国内の主要ベンダーも価格が下がってきており、価格競争以外の方法を模索するようになった。

 「アニメ文化の広がりによって秋葉原は客層が変わってきた。パーツ通り周辺もさまざまな人が通行するので、今までと異なるユーザーにアピールできる。間口を広げていくという観点でも、ショールームによるブランドのアピールは重要だ」(渡辺氏)。

 iiyama PCによるブランド強化は、カスタムなどの細かなユーザーニーズに答えつつ、よりPCメーカーらしく製品を展開していくという意思表示でもある。生産は出雲工場と飯山工場で行い、サポートについても、店頭で「ディスプレイで40年の歴史を持つイイヤマが国内生産」「日本全国90店舗での顔の見えるサポート体制」と手厚さをアピールしている。一見アキバらしくない、このおしゃれなショールームの動向に今後も注目していきたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー