UQコミュニケーションズが、10月31日にサービスを開始する「WiMAX 2+」のサービス内容を発表した。
これまでのWiMAXサービスは、月間の通信量/通信速度制限を設けない「ノーリミット」という訴求ワードを積極的に使い、他社モバイルデータ通信サービスが一般的に7Gバイト/月までの通信量に制限されていることに対するサービスの優位性をアピールしていた。
このため、WiMAX 2+も「ノーリミット」が継続されるかをまずはモバイラー目線として注目したのだが、まずWiMAX 2+は3種類の通信モード──「ノーリミットモード」「ハイスピードモード」「ハイスピードプラスエリアモード」を用意し、用途に応じて切り替えるスタイルを採用した。ノーリミットモードはこれまでのWiMAXサービスのみを使用するモード、ハイスピードモードはWiMAX 2+とWiMAXを併用できるモード、ハイスピードプラスエリアモードはWiMAX2+とau 4G LTEを併用できるモードだ。
それぞれの対応エリアや最大速度、条件などは発表記事を参照願いたいが、ひとまずWiMAX 2+契約でもこれまでのWiMAXサービスのみを使うノーリミットモードは文字通りノーリミットを継続。そして主となるであろうハイスピードモードは、「契約から2年間」はノーリミットとする旨が発表され、そもそも制限のなかった既存WiMAXサービス(WIMA 2+はノーリミットモード)とともに、WiMAXサービスの特徴だった「ノーリミット」はひとまず守られた格好だ。
ただしWiMAX 2+のハイスピードモードは、契約3年目から通信量7Gバイト/月を上限に速度制限を施すようにする可能性を示唆していること、そしてau 4G LTEのハイスピードプラスエリアモード使用時は当初より速度制限が施される点にはやや注意が必要である。
もう1つ、2015年4月以降はハイスピードモードでの通信量が「当日を含まない直近3日間で1Gバイトを超えた場合、通信の混雑状態に応じて通信速度制限の対象となる場合がある」と注記されていることも忘れてはならない。こちらは他社LTEデータ通信サービスにも施される対策ではあり、電波の公平利用の観点で許容せざるを得ないことだ。ただ、WiMAXサービスが利用シーンの1つとして提案していた、固定回線代わり(WiMAXサービスはこの使い方も利用シーンの一例として訴求していた)にもWiMAX 2+を使おうとしている場合には注意する必要がある。ただ、条件によりこの使い方にマッチする方法もある。それが以下だ。
「ノーリミット」を気にする人はこれも注目サービスだ。WiMAX 2+のサービス内容が発表された2日後、KDDIの2013年冬モデル商品発表会で、WiMAX 2+を“auスマートバリュー”における固定回線と見なす仕組みの「auスマートバリュー mine」サービスが発表された。主にひとり暮らしの学生層に向けたサービスとして展開するものだ。
auスマートバリューの対象回線は自宅向けの光ファイバーサービス以外にKDDIのデータ通信サービス+モバイルWi-Fiルータでも見なす──とすることは実は従来から可能だったようだが、「KDDIが指定する事業者の固定回線がサービス提供エリア外などの理由で契約できない場合のみ」申し込み可能としていたため、適用条件はやや複雑になっていた。
この点、auスマートバリュー mineはそういった複雑な適用条件が撤廃されている。提携事業者(第1号はUQコミュニケーションズ)の提供するWiMAX 2+サービスを契約し、さらにauスマートフォンでパケット定額オプションに加入する場合、スマートフォン側のパケット定額オプションが最大980円割引となるというものだ。auスマ−トフォンとWiMAX 2+を両方契約する人にとってかなり魅力あるサービスと言える。
ただ、auスマートバリュー mineを適用しても「直近3日間での通信量が1Gバイトを超えた場合」は制限となる可能性がある。
UQコミュニケーションズの発表会では、これまで存在したURoad-HomeやAtermWM3450RNのような家庭内据え置きタイプのルータ機器の投入時期は未定とのことだったが、KDDIがauスマートバリュー mineを積極推進するのであれば登場させないわけにはいかないと考える。また、auスマートバリューが提供開始後に提携事業者を拡大していったのと同様に、auスマートバリュー mineも、WiMAX 2+のMVNOが提携事業者に加わっていくと思われる。
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