それではベンチマークテストの結果を見てみよう。基本スペックを改めて記載すると、Core i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)、Intel HD Graphics 4400、メモリ8Gバイト(PC3L-12800 SO-DIMM×1/シングルチャンネル)、1Tバイトの2.5インチハイブリッドHDD(5400rpm Serial ATA HDD+NANDフラッシュメモリ/TOSHIBA MQ01ABD100H)、64ビット版Windows 8という内容だ。
CINEBENCHのレンダリングテスト結果はCPUの処理性能を見るのに適している。スコアはデュアルコアCPUなりではあるが、同じ第4世代Core Uシリーズを搭載したUltrabookよりもかなりよいスコアが出た。これはおそらく負荷や温度に応じて動作クロックを引き上げるTurbo Boost 2.0の影響だろう。ボディが大柄で放熱に余裕があるVAIO Tap 21ではTurbo Boost 2.0が最大限有効に機能している一方、Ultrabookでは放熱などの関係上、クロックが上昇している時間が短いのではないかと思われる。
CrystalDiskMarkの結果は、2.5インチサイズのハイブリッドHDDとしては標準的といえる。シーケンシャルライトや512Kライトのスコアは低いが、ランダムリード4KはHDDの数倍、ランダムライト4KはHDDの十数倍よいスコアをマークした。
PCMarkは総合スコアはじめ、多くの項目でストレージ性能の影響を大きく受けるだけに、高速なSSDを搭載したUltrabookなどより見劣るが、ストレージの影響を受けにくいComputationではよいスコアが出た。
3D描画性能のテスト結果も良好だ。メモリがデュアルチャンネルでないぶん、内蔵グラフィックスの3D描画性能は不利なはずだが、これもやはりTurbo Boost 2.0の影響と思われる。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」による液晶ディスプレイの計測結果も掲載した。色温度は6689KとsRGBの基準(6500K)に近い。ガンマカーブは少し波があり、RGB各色とも中間階調から明部にかけて上に補正されているが、RGB各色の線はかなりそろっており、階調表現はまずまず。色域はトリルミナスディスプレイ for mobileを搭載する「VAIO Pro 13」や「VAIO Duo 13」と似た傾向で、sRGBをほぼカバーしている。輝度は21.5型フルHD液晶ディスプレイとして標準的な明るさだ。
Webブラウズのバッテリーテスト(BBench 1.01)も実行したところ、満充電の状態から残り5%で休止状態に移行するまで3時間8分動作した。これは、ノートPCやタブレットの水準でみれば短い値だ。
家族でゲームや塗り絵などを楽しむ場合、Webブラウザより負荷がかかることが想定されるため、バッテリー駆動時間はさらに短くなるかもしれない。しかし、そうした用途ならば長時間駆動できる必要もなく、区切りとしてちょうどいいとも思える。
Ultrabookと同じCPUを大きなボディに収めているため、放熱設計に余裕があるせいか、動作音は非常に静かだ。低負荷時はほぼ無音に近く、高負荷時でも耳を近づければファンノイズが分かる程度の音しかしなかった。
なお、膝の上に本体を置いたり、パームレストに手を置いて使うノートPCや、手に持ってタッチ操作するタブレットの場合は発熱テストも実施するが、VAIO Tap 21は基本的にテーブルに置いて使う製品なので省略した。タッチ操作で指が触れる画面の発熱は問題なく、ワイヤレスのキーボードとマウスももちろん熱くならない。
※Windows 8の電源プランは「バランス」
※液晶ディスプレイは1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を測定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
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