「VAIO Tap 21」――より軽く薄く進化した“テーブルトップPC”を徹底検証最新PC速攻レビュー(2/4 ページ)

» 2013年11月12日 13時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

サイズ感チェック:厚さ約28ミリ、重さ約3.9キロの新感覚スリムボディ

本体の厚さは約28ミリとスリムだ

 ボディのサイズは、最小傾斜時(画面を立てた状態)で約523.7(幅)×174.2(奥行き)×310.5(高さ)ミリ、最大傾斜時(平置きした状態)で約523.7(幅)×321(奥行き)×35.5(高さ)ミリだ。これはスタンド込みのサイズで、本体のみの厚さは約28ミリと、ノートPC並にスリムに仕上がっている。

 ちなみに、先代のVAIO Tap 20は最大傾斜時のサイズが約504(幅)×312(奥行き)×45(高さ)ミリだった。画面サイズが20型ワイドから21.5型ワイドへと少し大きくなったため、フットプリントは増したが、9.5ミリも薄くなったことから、見た目はかなりスリムに進化した印象だ。重量も先代の約5.2キロから約3.9キロへと大幅に軽くなった。

 デザインもすっきりと洗練されている。端子類を1カ所に集めたことで、ノイズのないクリアな空間デザインを実現している。裏面の上下左右の端を軽く絞りこんだフォルムから、単体の液晶ディスプレイというよりは「大きなタブレット」というイメージを強く受ける。

薄くて軽くなったため、屋内での移動も楽だ。ただし、新設計のスタンドは畳めないため、移動時はスタンドが出っ張る

 21〜22型クラスの画面を搭載した単体の液晶ディスプレイでもこれほど薄い製品はほとんどないだろう。テーブルの上に置いたときのいい意味での威圧感のなさ、圧迫感のなさは、これまでの液晶一体型デスクトップPCとは一線を画しており、なんともいえない新しい感覚がある。もちろん、軽量化したことで家庭内の持ち運びもしやすくなった。

 内蔵バッテリーの容量は44.17ワットアワー(CPUID HWMonitorで確認)で、公称のバッテリー駆動時間は約4時間だ。先代の約3.5時間駆動から少しだけ長くなった。付属のACアダプタは一般的なノートPCと同様のもので、実測でのサイズが45(幅)×107(奥行き)×27(高さ)ミリ、ケーブル込みでの実測重量が269グラムと、一緒に持ち運ぶのも苦にならない大きさだ。

注目ポイント:3つのモードで使える「フリースタイルスタンド」

 最大の特徴は、背面に搭載した「フリースタイルスタンド」により、3つのモードチェンジが可能なことだ。画面の角度は水平に対して115度から180度まで使いやすい角度に変更でき、ソニーでは120度前後に立てた格好を「キーボードモード」、140〜150度程度にやや傾けた段階を「タッチ快適モード」、180度寝かせた平置きの状態を「テーブルトップモード」と呼んで区別している。

 このフリースタイルスタンドは、ヒンジの強さが絶妙に調整されており、画面部だけを持ってスムーズに角度を変えられることがポイントだ。先代のVAIO Tap 20は一度寝かせると、画面を立たせるときにスタンドも手で戻す必要があったが、VAIO Tap 21はバネの力により、スタンドに触ることなくチルト調整が可能になった。それでいてタッチ操作した際に画面がグラつくような感覚もない。

 こうした変形機構を備えたモデルは、スピーカーの配置なども使用感に影響する。VAIO Tap 21では、ステレオスピーカーを背面に搭載しつつ、スタンドに角度センサーを内蔵。どのモードの場合でも画面中央に音場が来るよう自動調整しているという。実際に視聴してみると、どの角度でも違和感がない。サウンドの品質自体も優秀で、ノートPCとは一線を画すパワフルなサウンドが味わえる。

「フリースタイルスタンド」により、画面部を持ってグッと押すだけで、簡単に画面を180度まで寝かせられる
画面を寝かせた状態から立てる動作も片手で済む。スタンド内のバネにより、スタンドの位置は自動的に元に戻る仕組みだ
画面を立てた状態で、ワイヤレスキーボードとマウスを組み合わせて、液晶一体型デスクトップPCのように利用する「キーボードモード」(写真=左)。画面をやや寝かせてタッチ操作をしやすくした「タッチ快適モード」(写真=中央)。画面を完全に寝かせて、複数人で画面を囲んでタッチできる「テーブルトップモード」(写真=右)。ちなみに、液晶パネルとガラスの間にクリアな樹脂を挟んで空気層をなくす「オプティコントラストパネル」は非採用で、VAIO Tap 11などと比べて表示面とガラス表面の視差はあるが、デジタイザスタイラス(ペン)対応モデルではないので、通常の利用で気になることはないだろう。指でのマルチタッチ操作は快適に行える
フリースタイルスタンドにより、チルト角度の調整は柔軟に行える。調整幅は、水平に対して115度から180度までと広い。ボディの薄型化により、テーブルトップモードで設置面との段差が低くなったのもポイントだ
フリースタイルスタンドを背面から見た様子。画面を起こすときは、スタンドに触れなくても、バネの力で元の位置に戻る。本体の重さにより、画面を傾けたときにスタンドが勝手に戻るようなことはない。中途半端なチルト角度で本体を持ち上げても、勢いよくスタンドが跳ね上がるようなことはなく、ゆっくりと戻る

 また、テーブルトップモードで使えるオリジナルアプリとして新たに「VAIO Tabletop」をプリインストールしている。写真、動画、音声などをテーマごとにまとめて管理できるアルバムアプリで、テーブル上に写真やCDなどの素材を並べる感覚で操作できるのが特徴だ。また、従来からある「Family Paint」も機能を強化し、イラストや写真から塗り絵を作成する機能、写真などを下地にして描けるトレース機能が追加された。

VAIO Tap 21の専用アプリ「VAIO Tabletop」。複数人で画面を囲んでタッチしながら、写真や動画、音楽、クリップしたWeb画面、文書などの素材を選んで、閲覧やグルーピング表示、ジオタグによる地図分布表示、ショートムービー作成の機能を利用できる。動画では1人で操作しているが、複数人で画面を囲んで楽しめるよう、画面上下に同じメニューを対称に配置している
写真、動画、音声などを管理し、ショートムービーも作れるアルバムアプリ「VAIO Tabletop」。テーブルトップモードで使えば、文字通りテーブルの上に素材を広げ、選んで整理していくという感覚で作業できる
先代のVAIO Tap 20にもプリインストールされていた「Family Paint」は機能が強化された。写真などの画像素材から塗り絵を作成して楽しめる機能や、トレース機能が追加されている

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