「VAIO Tap 21」――より軽く薄く進化した“テーブルトップPC”を徹底検証最新PC速攻レビュー(1/4 ページ)

» 2013年11月12日 13時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・寝かせて使えるフリースタイルスタンド
・バッテリー駆動できるスリムボディ
・色鮮やかな21.5型フルHD液晶
ココが「×」
・デスクトップPCとしては拡張性が低い
・光学ドライブ非搭載(外付けUSB接続)
・メモリがシングルチャンネル動作

はじめに:あらゆる面で進化した最新のテーブルトップPC

ソニー「VAIO Tap 21」(SVT21219DJB)

 ソニーが昨年から「テーブルトップPC」と呼んでいる家庭向けの新スタイルPCが、フルモデルチェンジを果たした。この「VAIO Tap 21」は、ソニーの2013年PC秋冬モデルで追加された新機種だ。Windows 8のリリースとともに登場した「VAIO Tap 20」の後継にあたる。

 画面を水平まで寝かせて複数人でタッチ操作できるボディや、バッテリーで駆動できるVAIO Tap 20の特徴を引き継ぎつつ、基本性能、画面サイズ、表示解像度、画質、音声、バッテリー駆動時間など、あらゆる面で進化している。店頭向けの標準仕様モデルは基本スペックの違いにより3種類を用意しているが、今回は最上位機「SVT21219DJB」を試してみた。

 ノートPCと同じ部品を使用することで消費電力や発熱を抑え、スリムなボディを実現しているのは従来通り。CPUはUltrabookでも採用例の多い第4世代Core UシリーズのCore i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)を搭載する。8Gバイトメモリ、1TバイトハイブリッドHDDを内蔵し、メインPCとして不足のないスペックだ。なお、今回から光学ドライブが省かれ、USB接続の外付けBlu-ray Discドライブ(BDXL対応)が付属する。

画面を水平まで寝かせて家族みんなでタッチ操作できるスタイルは健在。画面サイズの大型化と高解像度化で、タッチ操作の使い勝手も画質も向上している

 画面サイズは従来の20型ワイドから21.5型ワイドへと大型化し、解像度も1600×900ドットから1920×1080ドット(フルHD)へと高まった。広視野角のIPSパネルを基に、専用のカラーフィルターで広色域化した「トリルミナスディスプレイ for mobile」、超解像技術を備えた映像高画質エンジン「X-Reality for mobile」も搭載する。サウンド面ではClearAudio+モードにより、さまざまな音響効果(xLOUD、CLEAR PHASE、S-FORCE Front Surround 3D、VPT、Voice Zoom、Sound Optimizer)を音楽/映画コンテンツに最適な形にチューニングした音質で楽しめる。

 画面へのタッチ操作のほか、無線接続のコンパクトなキーボードとレーザーマウスが標準で付属し、離れた位置からスマートに操作できる。受信部は本体に内蔵し、それぞれの電源スイッチをオンにすればすぐに利用可能だ。

 電源は出力65ワットのACアダプタで駆動する。44.17ワットアワー(CPUID HWMonitorで確認)のバッテリーも内蔵し、約4時間のバッテリー駆動が可能だ。これにより、基本的には液晶一体型デスクトップPCに属する製品だが、完全にワイヤレスでの運用も行なえる。ボディも従来の約5.2キロから約3.9キロへと軽量化されており、本体だけ家庭内の別の場所に持ち出して手軽に利用できる

ボディと製品概要:大画面タブレットのような外観、中身はUltrabook相当

額額縁のすっきりとしたデザインは、液晶一体型デスクトップPCというより、大画面のタブレットを思わせる(写真=左)。21.5型フルHD液晶ディスプレイはVAIOおなじみの「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用し、表示品質は良好だ。正面にはホームボタンのほか、右側の下のほうにNFCセンサー、右上に各種インジケータ(電源、バッテリー、HDD)が並ぶ。特徴的なスタンドを装備した背面は、アルミニウム製の明るいシルバーカラーで統一され、中央にダイヤモンドカットのVAIOロゴが施されている(写真=右)
ボディの厚みを従来比で約20%薄型化し、画面を寝かせた状態での高さを従来より抑えている。上面の右側に電源、音量調整、ASSIST(メンテナンスツールの「VAIO Care」を起動)の各ボタンが並ぶ(写真=左)。下面にはデュアルマイクとバッテリーオフボタンが見える(写真=右)
端子類は左側面にまとめられており、PRO-HG対応メモリースティック デュオ/SHXC対応SDメモリーカード共用スロット、HDMI出力、2基のUSB 3.0(電源オフチャージ対応)、ヘッドフォン出力、1000TASE-Tの有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ(写真=左)。タブレット的なデザインを優先したためか、端子類は少し奥まったところにあり、アクセスしやすいとはいい難い。右側面にインタフェース類はなく、すっきりしたデザインだ(写真=右)。通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HSも標準装備している
背面上部にあるスリットの内側には、ステレオスピーカーと排気口を配置している(写真=左)。NFCは画面側の右下寄りに内蔵(写真=右)。NFCが背面だったVAIO Tap 20よりも使いやすくなった
大型のボディだが光学ドライブは内蔵せず、USB接続の外付けBlu-ray Discドライブ(BDXL対応)が付属する(写真=左)。Ultrabookと同じCPUを採用しているため、付属のACアダプタはサイズが45(幅)×107(奥行き)×27(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量が約269グラムと小型軽量だ(写真=右)
無線接続のテンキー付きアイソレーションキーボードと、ホイール付きのレーザーマウスが付属し、通常のデスクトップPCと遜色ない入力環境も備えている。受信部は本体に内蔵されており、ドングルなどは不要だ。どちらも単3乾電池1本で駆動し、オン/オフスイッチが用意されている。キーボードのキーピッチは約19(横)×19(縦)ミリと広く、キーストロークは約2ミリを確保。しっかりした作りで剛性は高いが、スイッチの反発がかなり強く、個人的には長時間のタイピングで少々疲れる印象を受けた

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