ソニーが挑んだ家庭用PCの再創造――「VAIO Tap 20」特大レビュー:いよいよ12月8日発売(1/7 ページ)

» 2012年12月05日 11時00分 公開
[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

新スタイルのVAIOは“Duo”だけじゃない

 まったく新しい家庭向けPCを創り出すという理想は現実になったか――。

 ソニーはVAIOの2012年秋冬モデルにおいて、タッチ操作に対応したPCを5つのシリーズでそろえてきた。もちろんこれは、タッチ操作に配慮した新しいユーザーインタフェース(UI)を備えたWindows 8の発売に合わせた仕様強化だ。

 このうち、11.6型フルHD液晶を搭載する変形型モバイルノートPC「VAIO Duo 11」と並んで注目の新シリーズといえば、20型ワイド液晶を備えた新スタイルのPC「VAIO Tap 20」だろう。既存のカテゴリー分けに当てはめれば、液晶一体型デスクトップPCに属する製品だが、ソニーはこのVAIO Tap 20を家庭向けPCの新カテゴリーとして編み出した「テーブルトップPC」だとアピールしている。

新デザインの20型ワイド液晶搭載PC「VAIO Tap 20」。当初は2012年11月3日に発売する予定だったが、生産に遅れが生じたため、発売を延期していた。12月8日にいよいよ発売される

 実際に筆者が自宅で試作機を使ってみたところ、これまでの一般的な液晶一体型PCとは大きく異なるユーザー体験が想像以上に新鮮で、新たなカテゴリーが創出される可能性を十分に感じることができた。

「テーブルトップPC」を提唱するユニークな本体形状

 サイズ感のつかみにくい写真でVAIO Tap 20を見ると、「大きめのタブレットか?」という印象を抱くかもしれない。

 実際は20型ワイド液晶ディスプレイを搭載し、本体サイズがスタンドを畳んだ状態で504(幅)×312(奥行き)×45(高さ)ミリ、重量が約5.2キロもあるため、タブレットのように片手で持てる大きさ、重さではない。部屋の中で出したり片づけたり、あるいは別の部屋へ持ち運んで使うのに苦にならないといったレベルだ。

写真では大きめのタブレットのように見えるかもしれないが、実際は20型ワイド液晶を搭載し、重量が約5.2キロある(写真=左)。片手で持って使えるサイズではないが、家庭内で持ち運んで使うのには苦労しない(写真=右)

 しかし、VAIO Tap 20は、見た目はもちろんのこと、実は使用感のうえでも「大きなタブレットデバイス」と表現するのが一番分かりやすい。20型ワイド液晶ディスプレイをPCのコンポーネントと一体化した製品なので、画面サイズがせいぜい10型程度のタブレットと比べればかなり大柄ではあるが、画面まわりの作りは、それらのタブレットにかなり近いのだ。

 四隅の丸い1枚板をベースとした本体は、タッチパネル付きの液晶ディスプレイが見た目を構成する要素のほとんどすべてとなる。ボタンやスイッチ類はごくわずかしか存在せず、USBなどのポート類も目立たない側面にひっそりと並び、表だって出てくることがない。ネジ頭を見せない表面処理は背面まで徹底されていて、すっきりしたデザインだ。

 また、キーボードとマウスに無線接続を採用しているのは当然として、デスクトップPCに近い立ち位置の製品ながら、バッテリー駆動に対応することにより、家庭内で持ち運んで、タブレットのようにケーブルレスでのタッチ操作を可能にしているのは心憎い。容量10.8ボルト/3500ミリアンペアアワーのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、駆動時間は約3.5時間(JEITA 1.0に基づく駆動時間の公称値)だ。

背面はシンプルなデザインで、ネジが1本も見当たらない(写真=左)。リチウムイオンバッテリーを内蔵しているのも大きな特徴だ(写真=右)。背面のVAIOロゴが付いたカバーはドライバー入らずで着脱でき、その中にバッテリーが装着されている

背面には、柔軟な角度調整に対応したU字型のスタンドを備えている

 もっとも、重量が約5.2キロもある20型ワイド画面のタブレットを手で持って扱うのは無理というものだ。そこで、VAIO Tap 20にはユニークなスタンドが設けられている。従来の液晶一体型PCのような本体をアームで浮かせて固定するスタンドではなく、背面にU字型の取っ手のようなスタンドが取り付けられているのだ。

 このスタンドを採用することで、接地した本体の下辺をもう一方の支えとして、フォトフレームのように立てて設置できる。スタンドの機構は正面から完全に見えないため、まさに大画面のタブレットを横位置で立てかけて使うようなイメージだ。

このスタンドにより、本体をフォトフレームのように横位置で立てて利用できる。スタンドは正面からまったく見えないデザインだ

 さらに注目すべきは、このスタンドをたたむと、画面が設置面に対して水平になるまで、完全に寝かせた状態にできることにある。VAIO Tap 20ではこの寝かせた状態を「収納時だけでなく、利用時もオススメの形態の1つである」と打ち出しているのが新しい。

 この液晶ディスプレイが完全に寝た状態をソニーでは「テーブルトップスタイル」と呼んでおり、リビングルームのテーブルの中央に置いて、家族の何人かが、めいめい好きなところから画面を囲んで同じコンテンツを楽しむ、という使い方が具体例として挙げられている。これこそが、VAIO Tap 20を「テーブルトップPC」と名付けた理由だ。

スタンドはチルト角度を自由に調整可能だ。スタンドを畳むと、画面が設置面に対して水平になるまで、完全に寝かせた状態にして利用できる

画面を寝かせて「テーブルトップスタイル」に移行する様子。スタンドは固すぎず、柔らかすぎず、適度な負荷で無理なく調整できる
画面を完全に寝かせた「テーブルトップスタイル」では、複数人で画面を囲んで同じコンテンツを楽しむといった使い方もできる。画面を寝かせて水平にして扱える液晶一体型PCはほかにもあるが、VAIO Tap 20はバッテリーの内蔵によって持ち運びや設置がしやすいことに加えて、スタンドをたたむとボディにすっきり収納できるため、設置面と画面の段差が低いといったメリットがある。これにより、「画面を寝かせられる液晶一体型PC」ではなく、「大画面のタブレット」といった感覚でタッチ操作が行えるのだ

       1|2|3|4|5|6|7 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  2. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  6. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  7. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  8. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  9. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  10. 14型モバイルノートPC「FMV Note U」に新モデル登場 約634gモデルに加えて「ゴジラ-0.0」コラボモデルも (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー