ソニーが挑んだ家庭用PCの再創造――「VAIO Tap 20」特大レビュー:いよいよ12月8日発売(5/7 ページ)

» 2012年12月05日 11時00分 公開
[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

多数のタッチ対応アプリを用意

 VAIO Tap 20の付属ソフトは、Microsoft Office Home and Business 2010やAdobe Photoshop Elements 10といった定番のデスクトップアプリに加えて、Windows 8でのタッチ操作を想定したアプリも多数用意されている。

 お絵かき用アプリ「Family Paint」や伝言板アプリ「Fingertapps Organizer」、ショートムービー作成アプリ「VAIO Movie Creator」、同社のAndroidタブレット「Xperia Tablet S」でも採用されたソーシャルニュースマガジンアプリ「Socialife」、写真や動画の管理・再生アプリ「アルバム」、音楽の管理・再生アプリ「ミュージック」、サポートアプリ「VAIO Care」などだ。

 このうち、Family Paint、Fingertapps Organizer、VAIO Careはプリインストールされるが、VAIO Movie Creator、Socialife、アルバム、ミュージックの各アプリはダウンロードでの提供となる(Fingertapps Organizer、Socialife、アルバム、ミュージックはWindowsストアアプリの扱い)。

 もっとも今回入手した試作機では、発売日にダウンロード提供されるアプリはもちろん、そのほかのアプリも多くが試せない状態だった。

子供向けのペイントアプリとして提供される「Family Paint」は、向かい合った2人がそれぞれのキャンバスに絵を描くというだけのシンプルなソフトだが、実際にやってみると、場所と時間を共有して画を描く感覚が新しい

 そんな中、2人が向かい合って同時にお絵かきを楽しめる子供向けペイントソフトのFamily Paintは試すことができた。コンセプトも機能もごく単純なものながら、実際に使ってみると、子供でなくても想像していた以上に面白い。この「想像以上に面白い」が、短期間の試用であっても、VAIO Tap 20では頻繁に経験できたことを強調しておく。

 OSであるWindows 8との相性自体はまったく問題ないという感触だ。iPadや10型クラスのAndroidタブレットを所有し、タッチの作法を体得している筆者から見て違和感を覚えるような場面はなく、「こう操作すればこう反応するのでは?」と期待した通りに動く。ハードウェアが操作の障害になることもまったくなく、ごく自然にVAIO Tap 20の世界に入っていけた。

 それだけに、懸念点があるとしたら、タッチUIに対応したアプリが今後どこまで充実するかが、VAIO Tap 20自体の評価も決めてしまいかねないことだろうか。

向かい合ってマルチタッチによるお絵かきが楽しめる「Family Paint」は、親と子供のコミュニケーションツールとしても役立ちそうだ

nasneと連携したテレビ視聴・録画にも対応

VAIO Tap 20はテレビチューナーを内蔵していないが、nasneと組み合わせることで、3波デジタル放送の視聴や録画が可能になる

 このほか、ダウンロード提供となるテレビ視聴・録画アプリ「VAIO TV with nasne」も試すことができた。こちらは同社の3波デジタルテレビチューナー搭載NASである「nasne」と組み合わせて利用するアプリで、単体で動作するものではないが、VAIO Tap 20との相性のよさが印象的だったので、使用感について触れておく。

 ソニーの液晶一体型PCといえば、大きなウリの1つとして、同社独自の多機能アプリ「Giga Pocket」によるテレビ番組の視聴・録画機能が長らく提供されてきたが、VAIO Tap 20にはテレビの視聴・録画を実現する機能が標準搭載されない。

 ただし、nasneを持っていれば、nasneをチューナーおよびレコーダーとして、家庭内ネットワーク経由で同様の機能を手に入れることができる。ここでクライアントとして機能するアプリこそがVAIO TV with nasneだ。

 今回はβ版で提供中のVAIO TV with nasneを筆者手持ちのnasneと組み合わせてみたが、VAIO TV with nasneはVAIO Tap 20に限らず、Windows 7がプリインストールされたVAIOの多くで、VAIO専用のアップデートプログラム「VAIO Update」を通じて無償で入手可能だ。

 筆者は普段、2010年モデルの「VAIO Z(VPCZ13AFJ)」にこのアプリをインストールして、テレビ番組の視聴・録画を楽しんでいる。VAIO ZとVAIO Tap 20とで、使用感のうえで大きく異なる点として挙げられるのが、ディスプレイサイズとタッチ機能の有無だが、この2点はテレビ機能を楽しむうえで決定的に重要な点だと感じた。

 20型程度の画面サイズがあれば、家族といっしょに番組を見ることにも無理がない。また、番組表へアクセスたり、予約録画の設定をしたりといった操作を指1本で手軽にできるのは、マウスで操作するのに比べてコンテンツへの集中が途切れにくい利点がある。

 VAIO TV with nasneの画面自体も、マウスで操作するにはかなり大柄に作られている。VAIO Tap 20でのタッチ操作を主眼に作られたのではないかと思うほど、画面サイズ、解像度との相性も抜群だ。VAIO TV with nasneはβ版ユーザーの意見も取り入れて順次アップデートしていくとのことで、今後の機能拡張も期待できる。

「VAIO TV with nasne」はWindows 7以降のVAIOで利用可能なnasne用クライアントアプリだ。設定も簡単ですぐに利用できる。現在はテレビ番組の視聴と番組表ベースの予約録画、録画済み番組の視聴、VAIOを使った光学メディアへの書き出しが行なえるが、今後はホーム画面やキーワードを使った番組検索などの機能が盛り込まれる予定だ。ボタンや文字が大きく、あたかもタッチUIに最適化されたかのような使用感で、VAIOシリーズの中でもVAIO Tap 20とは抜群の相性といえる

 なお、VAIO TV with nasne以外にも、DLNAクライアントアプリの「VAIOホームネットワーク・ビデオプレイヤー」がプリインストールされている。これにより、DTCP-IP対応のBlu-ray Discレコーダー(2011年秋モデル以降)と家庭内LANで接続できれば、レコーダーを通じてテレビ番組の視聴と録画済み番組の再生が可能だ。

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